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水で洗う怖さを知らなさすぎます。

今日はとても大変でした。


休み明けという事もあり、品物が多かったというのもあったんですが、それが大変な理由ではないんですね。
今日大変だった理由、それは、水洗いをされた品物が沢山あったからなんです。


休みに入る前に、この時期いつもお持ちいただくお客様が大量に品物を持ち込まれていました。
そして休み明けの今日、それらを仕上げていたんですが、どれもこれもしわくちゃでよれよれっとしてしまっている。
去年とは大違いです。


僕らはプロなので、どうしてこうなったのか?原因がすぐわかります。

水で洗っちゃったんですよね。

服には洗剤の香りが強烈にし、生地に張りがなくなり、水で洗った時特有の大きなねじれが出来ている。
水で洗うと、こうなってしまうんですよね。

いい洗剤やいい洗濯機が販売されていて、ご家庭で自分で水洗いをする人が増えてきています。
昔と違い、暑いので汗もかくし、さっぱりしたい、その気持ちもよくわかる。
頻繁にクリーニングにももっていけないので、出来るだけ自分で、というのもよくわかる。


でも、それをしていいものとしてよくないものがあります。

皆さん、水で洗う事に躊躇なさすぎです。
水で洗う事がメリットだらけのように感じているようですが、水で洗う事は大きなデメリットも存在します。

水で洗うデメリットの一番は、腰が抜ける事です。

生地に張りがなくなったり、でろん、としてしまったり、てれんてれんになってしまう、こんな表現の方が分かりやすいかもしれません。
水で洗うと、生地本来の腰が消えて、てろんとしてしまうんですね。
人によってはこれを柔らかくなった、という人もいますが、それは間違いで、生地の腰が抜けてしまった状態です。


こういう状態になってしまうと、服の形を維持しづらくなってしまうんですよね。


いわゆる、着崩れた状態。


皆さんが一番嫌う、型が崩れてしまうってこういうことなんですよ。


さらに、水で洗った時に、繊維が水を吸って膨らんで、縮むことがあります。
そこからねじれてしまったり。
こんな経験、皆さんしてますよね?


これらがクリーニングで出ると、まずい状態なんです。
元の状態とかけ離れてしまうのはクリーニングとしてまずいので、僕らは出来るだけ元の状態に近いまま洗おうとします。

今でこそ、僕らクリーニング屋さんにもいい洗剤が出来たので、水で洗う事がそう難しくはありませんが、一昔前ですと、僕らクリーニング屋さんでさえ、水で洗うという事はとても決断のいる事だったんですよね。

アイロンの技術で形は元に戻せます。
しわも取れます。


でも、生地が失ったコシは取り戻す事が出来ない。
糊を付けて張りを持たせても、もともと持っていた張りとは違うし長持ちしない。


敏感なお客様には、こんな服でなかった、と怒られてしまう。

それ程、水で洗うという事は服に影響を及ぼしてしまうんですね。
普段着や、ずいぶん長く着てくたびれてきて服ならいいんです。
元々が腰が抜けてたりするので、変化もそれほどありませんし。

でも、人前に来ていくパンツやジャケット、ニットなど人に見られるような服を何でもかんでも水で洗ってしまうといけないと思うんですよね。

その証拠に、皆さん、周りの歩いている人の服を見てください。
今ほとんどの人がしわくちゃで変な服を着ています。
よく見ると、あれでよくこの通りを歩けるな?と思う人、結構いらっしゃいますよ。


もしそれが自分もそうだったら・・・・・、と思うと怖くないですか?


水で洗って撚れてしまった服を元通りにするのは簡単ではありません。
今日はそれでへとへと。
それよりも心配なのは、これらの服、長持ちするかなあ?という事。

去年と同じようにドライクリーニングをしていれば、来年もその次の年も着る事が出来るけど、この状態にしちゃうと、もしかすると来年は着る事が出来ないかもしれません。

Tシャツや普段着でないものは、きちんとクリーニングをしましょう。

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クリーニング」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。ご無沙汰しております。

実は先日この記事にあるようなクリーニング事故が発生してしまいました。

コットン100%なのですが洗濯表示はドライで水洗い不可のブラウスを、表示を見落としたのか「大丈夫」と判断したのかはわかりませんが、クリーニング工場で水洗いしたため、まさにこの記事にあるようなシワとハリのない感じになってしまいました。

ブランド品の高額な商品だったので、なんとか元通りに復元できる方法はないか、できる人はいないかと思い悩んでいたところ、boriboriさんのことが頭をよぎり、ブログにアクセスしたところ、なんと最新記事が偶然にもこちらの記事でした!?

「え?おれのこと?なんで知ってんの!?」と思いながら、じっくり記事を拝読しました。たいへん勉強になりました。
結論的にはある程度は戻せましたが、この記事にあるように作業前(新品で初洗いでした)のピシッとした風合いは損なわれてしまいました。

主さんがこちらのブログの他記事にもよく書かれていますが、誤った情報も含め、近年何でも水洗いのほうがいいみたいな風潮が見受けられますが、そこに潜むリスクや怖さもしっかりと認識しないといけないと自戒も込めて思います。

投稿: SAM | 2017年8月26日 (土) 17時41分

SAMさん、ご無沙汰しております。

水洗いは消費者だけの問題ではないんですよね。
安易にしてしまうのはクリーニング屋さんも同じです。
たぶん、今の時代が水洗いをしたがるような時代なんだと思います。

汗をかくから水洗い、それもある意味正しいのですが、同時にリスクが存在するという事をもう一度考え直さないといけません。

家庭での洗濯って実はそんなにきれいになってないし、水につけたダメージの方が強く出ている事もあります。
適切な処置をするためにも、安易に水洗いをするような風潮は避けてもらいたいですね。

SAMさん、また連絡しますね。
みんなで会いましょう。

投稿: boribori | 2017年8月27日 (日) 07時14分

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