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それは乾燥機のせいではありません。

物事には必ず原因があります。
でも、その原因をきちんと理解できる人はそんなに多くありません。

専門家なら分かることでも、普通の人ではなにが起こっているのか?なにが原因なのか?はほとんど分からず、見当違いの解釈をすることが多々あります。


先日、とあるツイートが広まっていました。


とあるユーチューバーが、自分のロングカーディガンを洗って乾燥機にかけたら、子供サイズになってしまった、と画像付きでツイート。
そこにはさらにこんな文言が付いていたんですね。


乾燥機、こわい。


乾燥機で乾かしたから子供サイズになった、と言うことでしょうか。
熱が加わったので、肉が縮むように、カーディガンも縮んでしまったということでしょうか。



クリーニング屋さんなら分かりますよね。


そんなこたぁない。(´・∀・`)(タモリ風に)


乾燥機でこうなったわけではなく、原因は別のところにあるわけです。
でも、原理や理屈を知らない人は、乾燥機にかけて出てきたらこうなった、だから乾燥機が悪い、と思ってしまうんでしょうね。


乾燥機にかけたらみんなこうなるのなら、乾燥機が原因と考えてもいいかもしれません。
でも、乾燥機にかけてもなるものとならないものがある。
それは偶然ではなくて、きちんとした理由があるわけです。


乾燥機を悪者にしてはいけませんよ。



画像を見ると、ものすごい縮みかたをしています。
このような縮みかたをするのは、決まってるんです。


ウールの縮み。
フェルト収縮と言います。


ウールには表面に鱗のようなものがあります。
よく、髪の毛のCMなどで、髪の毛の表面に鱗のような模様があると思います。
あれが、うーるにもあるんです。
で、これが髪の毛と違うのは、ウールの場合、水に濡れるとその鱗が逆立つんです。

で、逆立った鱗はとても引っかかりやすくなっています。
この状態の時に、揉むと毛が絡まり、大人服が子供服になるくらい、強烈に縮んでしまうわけです。


これがウールのフェルト化。


熱を加えるとさらに縮みやすくなります。
今回のケースは、水で洗ったウールのカーディガンを、乾燥機にかけたことで、逆立った鱗が絡まり、縮んでしまったのが原因。


どうやったら防げたか?と言うと、フェルト化の条件を減らしてあげるといいんですね。


水に濡れて、熱を掛けて、揉むと、縮む。

このどれか1つをなくしてやると縮まなくなります。


水で洗わなかったり、熱を掛けなかったり、揉まなければ、縮みません。
実際には、クリーニング屋さんに出してドライクリーニングしてもらうとか、平干しにして乾かすとか。
そうすることで、縮むことは防げたんですね。

下手すると、洗っている段階で縮んでいた可能性すらあります。
洗う時に、お湯で揉む、これよくやりますよね?
これはフェルト化の条件を満たしてしまうので。


これに気づける人は、きちんとした知識を持ってる人しかわからないと思います。
で、こう言う理屈を知ってもらおうと、いろんなクリーニング屋さんが情報を発信しているのですが、なかなか伝わらないのがもどかしいところ。

もっと頑張らなきゃ、ですね。



さて、このツイートはその後、いろんな人に拡散されて、元に戻すやり方、と言うものも出てきます。


はじめにはっきりと言っておきます。


フェルト化したものは元に戻りません。


絶対戻りません。


なぜか?
複雑に絡んだ状態のものを戻すことは不可能です。
毛糸が絡んだ、レベルのものではないですからね。


ただ、サイズなら元の大きさくらいまでなら戻せます。
ニット製品は、編んであるので伸び縮みしやすいんですね。
直しかたを説明している人のほとんどが、リンスなどを使って滑りやすくしてサイズを元に戻すやり方を指南していました。


でも、これでも元には戻りません。


なんども言います。
元には戻りません。
戻るのはサイズのみ。


元の服のような、風合いは無くなります。
生地は固いまま、表面は詰まったような感じ、これは元には戻りません。


だから、縮ませてはいけないんです…。


本当のフェルト化はこわいんですよ。



縮んでしまうのにも原因や理屈があるように、直しかたにも理屈が存在します。
運不運で直るわけでもなく、理屈があるからきちんと直る。
リンスを使うのもその理屈に沿っているわけですね。


ネットのおかげで、そう言う理屈なしで情報が手に入り、結果だけを手に入れることができるようになってきました。
早いし便利な反面、物によっては逆に危険なこともあります。


なぜ、専門家がいるのか?


大事なものは任せた方が間違いないですよ。
特に服は同じものを二度と入手出来ないことの方が多いです。
後で後悔しないためにも、知らないことに手を出すのはやめましょう。

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