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クリーニングには限界があります。

クリーニングには限界があります。

 

例えば、汚れの落ちる限界と言うものがあります。

どんなに頑張っても、落ちない汚れは落ちない。

どうにかならないか、なんとかならないか、他に方法があるんじゃないか、そんなふうに考えながら、日々汚れを落としています。

 

見極めがとても大事で、もう少し、もう少しとやっているうちに穴が開いてしまう、なんて事もあり得るのです。

だから、どこが限界か?常に見えない限界を探りながらみんなやっています。

 

もう1つ、限界があります。

それは、メーカーの指定した洗濯表示。

一昨年の年末に、洗濯表示が改正されました。

これにより、僕らの出来る事も制限されてしまっています。

 

というのも、それまでの表示は、ドライマークなどが付いていても、クリーニングなどの商業洗濯には対応していなくて、あくまでも参考表示程度。

その代わり、それを参考にして僕らも攻めて洗うことが出来たんです。

 

 

ところが、改正後の表示では、製品化ののちに洗浄テストをしなければいけません。

その上で、ここまでは洗えますよ、と言ういわば限界表示を付けています。

さらに、商業洗濯にも対応してるので、その表示内のクリーニングなら問題が起きない、というお墨付きが付いたのと共に、それ以上の処理をして事故が起きたらクリーニング屋さんのせいになってしまうようになったんです。

 

逆に言えば、指定された表示内の処理で問題が起きたらメーカーが責任を取る事になります。

 

洗濯表示の改正が行われて、僕らも表示に従うようになってます。

なぜなら、その表示が限界表示だから。

そこまでの処理なら問題なく出来る、という事なので、安心してあらえるようになったからです。

 

 

本当なら。

 

 

しかし、その表示に問題が起きているんです。

その表示、本当に正しいのか?という問題。

きちんと洗浄テストをして付けているのか?僕も方々から情報を仕入れていますが、かなり怪しいケースがあります。

今までの経験から、どのくらいまでなら平気かな?というのはある程度わかります。

しかし、洗えないとか、何か特別な指定をされている場合は、僕らの知らない技術が使われていて、問題が起きるからやってはいけないと指定されている、そんな事もあるんです。

逆に、なんの根拠もなく、洗えないとか指定をしてくるメーカーもあります。

 

気になった時は、メーカーさんに問い合わせて質問をしますし、表示について議論をする事もあります。

 

それは、お客様の服を綺麗にしたいし長く着用できるようにしたいから。

 

そのために必要とあらば、メーカーさんへ問い合わせもするんです。

 

しかし、その問い合わせがいつもいい話し合いで終わるとは限りません。

時に、おかしな話になる事も多くあります。

 

そして、話が決裂してしまうと、僕らは最終的にはその表示内の仕事しか出来なくなってしまうんです。

 

例え、その表示通りではダメだと分かっていても。

 

そこが僕らの限界となります。

 

こんな話をすると、プロのプライドはないんですか!と言われる事もあります。

ブロなら自分の意思でやりなさい、と言う人もいます。

 

プロだから出来ないんですよ。

いろんな可能性から、大丈夫だと判断できないから。

お客様が、どうなっても構わないからやってくれ、そう言われる事もあります。

それでも、やらない事もあります。

なぜなら、どうなってもいいと言われてめ後で揉めることがあるから。

 

これ、多くのクリーニング屋さんが経験をしているんですよ。

お客さんを信用してるとかしてないとかの問題ではなく、おかしくなった時に、それが製品の問題なのか、クリーニング屋さんの問題なのか、お客さんでは判断できないから、トラブルになるケースはとても多い。

僕の友達で、一筆もらってサインをしてもらっても、もめた経験があります。

 

クリーニングのトラブルは、商品の問題では収まらなくて、信用問題にまで発展します。

あいつは信用できない、そこまで行くんです。

となると、その可能性があるから出来ません、というのも、プロだからの判断なんですね。

 

 

ここで本当に困るのはお客さんです。

洗ってもらえないのか?本当に困ると思います。

でも、それってクリーニング屋さんの問題なんでしょうか?

先ほども書きましたが、僕らには限界というものがあります。

 

製品を作ったわけでもない、テストをしたわけでもない、服の所有者はお客さんだし、僕らは依頼されているだけの関係だし。

その中で、僕らの中の責任では手を出せない事もあります。

その限界を超えては出来ない。

 

これ、本来はメーカーさんに問い合わせる話なんですよね。

クリーニング屋さんもできないっていうけどどうすればいいか?

どこで頼めばいいか?

 

僕らも言ってるんですよ。

でも、僕らはお客さんではないので、聞いてくれません。

お客さんから話してもらわないと、メーカーは動かないんです。

 

もしね、僕らが問い合わせた時に、きちんと説明をもらい、洗浄テストの結果とかも見せてもらえれば、抜け穴を見つけられて洗えるかもしれないんです。

実際、そういうケースはあります。

ちょっと温度を下げるくらいで洗えるな、そんなケースもあります。

その判断をするためにも、きちんとテストをしている必要があるのに、それすらしてないメーカー。

でも、僕らはそこにはいう権限がありません。

 

ここで、自分たちの力の無さにモヤモヤした気分になります。

 

 

こうなる可能性がありますが、ご了承ください。

 

 

この言葉を言わなきゃいけない、その気持ち、分かってもらえないんですよね。

 

 

いつも書いてますが、なんで製造メーカー、販売者はもっとメンテナンスの勉強をしないんでしょう?

怪しい知識を平気でお客さんにばらまいている。

 

服は着て、洗って、また着る。

 

このサイクルが出来て初めて成り立つものです。

そのために、製造メーカーは洗うのに十分な耐久性を持たせ、僕らクリーニング屋は傷まないようにしながら綺麗にし、お客さんに渡す。

みんな協力して、服を着てもらえるようになっていくのに、なんでこうもバラバラなのか。

そして、僕らの声はなんで届かないのか。

本当にくやしいですね。

 

もう何十年も変わらない。

変わる時は来るのかなあ。

そんな風に思ってしまいます。

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