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柔らかいものは良いもの。

良いものには理由があります。

でも、その理由はプロと消費者では少し違っています。

また、同じプロでも立場によって違ったり。

どんな理由で良いものと判断しているのか?と考えてみると、とても面白いものが見えてくるんです。



例えば、今、消費者の間では柔らかいものが良いものとされています。



食べ物でも、柔らかいものが良いもの、固いものは悪いもの、そんなふうに感じ取る人が多いようです。

お肉なんてまさにそれですよね。



服もそれに似た感じがあって、柔らかい、サラッとしているものを良い服と認識する人が多いようです。

袖を通した時にツルッとしているとか、いわゆる肌触りですよね。

それが良い服の条件と思うようですね。


アパレルさんも似たような感覚を持っているんですよ。

アルマーニのスーツ、とても柔らかくて有名なんですね。

で、アパレルさんでは、なぜアルマーニのスーツが良いものか?というと、あれだけ柔らかい生地で服を仕立てる技術がすごい、そう考えるんだそうです。

多少、ニュアンスが違いますが、ここでも柔らかいことは正義なんですね。



しかし、僕らクリーニング屋さんはちょっと違うんですよ。

柔らかいのは必ず正義ではないんです。


柔らかいの服は良いものが確かに多いんだけど、それが持続するか、しないかで評価は変わります。


僕らの考える良い服というのは、変化がしにくい服。

柔らかい生地が、着用しても洗っても変化がなければよく作られた良い服なんです。

逆に、どんなに肌触りが良くて、気持ちの良い服でも、洗ってそれが失われるようなものは良い服ではないんです。



これには理由があります。



柔らかさってね、演出が出来るんですよ。

見せかける事が出来るんです。

よく言えば演出、悪く言えば偽装。


たとえば、聖像の段階で演出することも出来ます。

生地をスカスカに作ると柔らかくなります。

でも、そういう生地は、洗うと目が詰まって硬くなる。

某有名なタオルはそれですよね。


また、薬品で柔らかさを演出することも可能です。

ウールをカシミヤ風の柔らかさに見せる薬品があります。

これ使うと、生地に詳しくない人ならほぼ騙すことができますよ。

カシミヤに詳しい人だと、これは違うと、わかりますが、柔らかいものが良いものと思う人は気付かないかもしれません。

これも加工されているものなので、洗ったら落ちてしまい、元の記事の硬さに戻るわけです。


本当にいいものって、洗っても変化なく柔らかいままなんです。

耐久性がある、という事なんですが、よく観察してみると、生地だけではなくて、縫い方などにすごい工夫がされているんですね。

また、そういう服は、立体的に作られているので疲れにくい。

クリーニング屋の僕らは柔らかさだけでなく、他のことも総合していい服か?見分けています。



で、ここでお肉の話に戻しますね。(笑)

お肉もかなり偽装できるんですよ。

固いお肉をワンランク上のお肉のようにする道具、と言うものが売られています。

また、安いお肉に脂だけ高いお肉の脂を足して作ったハンバーグとかも売られています。

服よりもより高度な演出をされているのが食べ物です。


悪く言えば偽装ですが、少しでも良く見えるように、選んでもらえるような演出をしているってことなんだと思い、たいですね。


こう言う技術が上がると、それを選ぶ消費者に取ってどんどん難しい時代になってきていると思います。

賢くならないといいものを選べませんからね。

ある意味プロよりも過酷かもしれません。

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