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カシミヤのジャケット90万!

昨日の話に関連した話。

うちもなるべく綺麗にあげるために、比較的長く預かってしまうほうなんですが、私が聞いた中で一番長く預かったのは、カシミヤのジャケットかもしれません。

着物や毛皮は除いてますよ。

まだ私がお店に入る前の話です。
常連さんがやってきまして、ぽっとジャケットをクリーニングして〜、と置いていったそうです。
そのお客さん、高価なものを着ているお客さんで、今までも当時としてはかなり高額な衣類をお持ちでした。

置いていったのは、カシミヤのジャケット。
とても柔らかく、艶があります。

その時受け付けたのがうちの母で、ぱっと見た瞬間、このカシミヤのすごさが分ったそうで、これは相当気を使わないといけない!と一瞬にして思ったと後々聞きました。

もちろん、それまでもカシミヤは大事に扱っていました。
でも、そのカシミヤは今まで預かったどの品物よりも繊細でちょっとした事でだめになってしまうようなものだったらしいのです。

そしてお預かりしてからお返しするまで3ヶ月。
長かったですねー。
どうしてそんなに時間がかかったのかと言うと、ズバリ一番いい状態の溶剤で洗うためにドライクリーニングの溶剤が綺麗になる瞬間を待っていたんです。

以前ココでも書きましたが、ドライクリーニングは水洗いと違って、溶剤を捨てる事は出来ません。
汚れた溶剤はフィルターを通してろ過しながら使っていきます。
ろ過をしているからもちろん綺麗なんですが、その綺麗と言うのにも幅があります。

通常の衣類では問題がないものでも、このカシミヤでは色に変化が出てしまう。
本当に神経すり減らしたそうです。
一番いい状態の溶剤で洗い、自然乾燥をしてアイロンで整形。
やっと出来てお客様にお返しする時に、そのお客様が一言。

これいくらだと思う?
90万だよ。(笑)

だって。

このお客様、わたしたちが見抜けなかったらどうしてたんでしょ?
他のクリーニング屋さんみたいに、他の衣類と一緒に洗われたら一巻の終わりだっただろうに・・・。

3ヶ月預かっているうちに、仕事をしているのはほんの数日かもしれません。
でも、だからといって他の日は遊んでいるわけでもないんですよね。
毎日毎日、頭の中に入れながら、様子を見つつ常に考えている・・・。

頭脳戦です。

カシミヤが出るたびに、90万のジャケットの話を思い出します。

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コメント

はじめまして。
なんか貴重なお話を聞いた気がします。
お母様の目も素晴らしいものですね。
お客様は最初から3ヶ月もかかるとわかっていらしたのでしょうか。

投稿: 桜子 | 2005年8月20日 (土) 15時14分

桜子さん、コメントありがとうございます。

このお客様、実は前科(笑)がありまして、私達業者をビックリさせるのが好きだったようです。
時間がかかると言うのはある程度分っていたようですが、お越しになるたびに、素材の特殊性とクリーニングの工程を説明して、まだ出来ませんと伝えたと聞いています。

昔は今と違い、いいものと悪いものの区別がつきました。
現在はそれなりに品質も落ち着いているので、極端に良い物や悪いものの区別がつかない人が増えているかもしれません。

投稿: boribori | 2005年8月21日 (日) 20時59分

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