アイロンの要らない服?
義理の弟がセルフのガソリンスタンドで、服にガソリンをつけてしまったと言うのでしみになっていないかチェックをしました。
セルフのガソリンスタンド、まだ利用した事がないのですが、そんな事もあるんですね。
ガソリンはとても危険です。
シミになっているかも気になりますが、ガソリンは別の意味でも危ない。
揮発性が高く、常温でも引火するので火の気があるところには近づけません。
灯油などは常温では火がつかず、40度くらいから引火点に入ります。
ガソリンや灯油などはそのままでは火がつかないんですね。
一定の温度に達すると気化し始めまして、火がつくんです。
それを引火点と言います。
ガソリンの引火点は−40度以下ですから、常温ではすぐに火がついてしまいます。
また、ガソリンがついた状態で洋服と擦れると、化学火傷を起こす可能性もあります。
これはドライクリーニングでの溶剤の残留と同じで、体の脂分が取られてしまい起こるんですね。
とにかく、ガソリンがついてしまったと言うので、よく拭くかお風呂に入って体を洗うようにと言っておきました。
私がクリーニング業に入った頃に、一度灯油を頭からかぶった事があります。
その時は危険性に気付かずにしばらくそのままでいたんですが、社長に怒られてお風呂に入って体を洗い流しました。
しかし、時すでに遅く、所々赤く腫れ上がってしまいまして・・・・・。
本当に怖いですので灯油やガソリンは気をつけてくださいね。
さて、ガソリンがついた当の服ですが、すでに気化してしまったらしく、異常なし。
しみになっている様子もないので、心配なら一度洗った方がいいよと伝えておいたんですが・・・・・、よく見てみるとちょっと色が悪い。(-_-;)
茶色のチェックのズボンなんですが、本当ならもうちょっと色がいいはず。
これ水洗いしただろ?
と問うと、その通りだと言います。
アイロンをかけないとダメだよー、かけるともっと色が鮮やかになるよ、と言って、ズボンを拝借。
ぱぱっとアイロンをかけてしまいました。
アイロンをかけ初めて、横で見ていた義理の妹、本当に色が鮮やかになっていくのでもうビックリです。
きっと衝撃的だったんでしょうねえ。
バリっとするような生地ではなかったんで、アイロンをかけるようなものではなかったと思っていたらしいですね。
ここがよくある間違い。
よく、アイロンの要らない服を着ている、と言う方がいます。
でも、それはアイロンがいらないんじゃなくてアイロンをかけないで着ているだけなんですよね。
今回のように、ちょっとアイロンをかけるだけで色も鮮やかに見違えるようになります。
そう、本当にちゃんとした所へ着て行ける位に。
ちゃんとアイロンをかければ綺麗に見栄えも良く着る事が出来るのに、アイロンをかけないので普段着以下にしかならなくなってしまう事が多いような気がします。
本当にアイロンが要らない服なんでしょうかね。
その服の持っている可能性を潰していませんか?
で、何故アイロンをかけないか義理の妹に聞いた所、アイロンのイメージそのものが悪い。
スーツのようにバリッとしちゃうとか、生地の風合いがなくなるとか。
一般の人は確かにそうかもしれません。
でも、私たちプロは少なくとも、繊維によって掛け方を変えているんですね。
同じようにかけているように見えるでしょ?
でも、微妙に違うんです。
生地にも色々とあります。
たとえばスーツの生地のような物もあれば、ウールのセーターのような物もあります。
この二つを同じようにかけてしまっては、セーターの風合いがなくなりぺっしゃんこになってしまうし、スーツはへにゃへにゃで伸びきらないままになってしまいます。
生地に合わせたアイロンがけをするんです。
たとえば蒸気の出す量を変えていたり、生地から1mmほど浮かしてアイロンをかけていたり。
触るか触らないか位の繊細なタッチでかけていたりします。
奥が深いですよー、アイロンは。
プロのようには行きませんが、やはり家庭でも出来る事ならアイロンがけはして頂きたいですね。
色が鮮やかになりますし、何より着ていて気持ちがいい。
アイロン、たまにはかけてみましょう。
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