電車の中の臭い
夕方、馴染みのお客様がいらっしゃいました。
永山の方からわざわざご来店くださるお客様です。
そこで、汗の臭いの話になりまして、最近電車が臭うという話になったんです。
京王線は女性専用車両が出来たおかげで、それ以外の車両には男の人ばかりらしいのですが、そこで汗の臭いがすごいんだとか。
みんなスーツ洗ってないのかなあ?そうお客様はおっしゃいます。
実際、私がクリーニングの仕事につき始めた頃に比べて、スーツを洗う頻度は激減していると思うんです。
ほんの10年ほど前はかなり頻繁に洗っていました。
月に一回は洗っていましたし、頻繁に洗う人ですと毎週必ずスーツのクリーニングが出る人もいましたね。
しかし、最近は季節の変わり目に出ればいいほうで、仕事の関係でずーっと洗えない人もいます。
どうしてこうなってしまったんでしょうか。
原因はいろいろあると思います。
消臭剤が出てきたのもあるでしょう。
スーツが安くなったのもあると思います。
しかし、私は思うのですが、クリーニングも多大に影響していると思うんですね。
ここ数年、いろいろなお客様からお話を伺っていると、共通の話を聞くことがあるんです。
それは、洗っても落ちないなら、洗わないほうがいい。
つまりですね、クリーニングに出してもきれいにならない。
それなら洗うだけもったいないし、スーツも安いから着れるだけ着て買い換えればいい、そういった話なんです。
こういった印象をお持ちのお客様、かなりいらっしゃるんです。
ズボン下を履かなくなるなどライフスタイルが変化してきたのも影響して、汚れが落ちづらくなってきているのも確かなんですね。
ところが、それに合わせずに、従来のコストをカットするやり方でクリーニングをしていると、汚れが落ちない。
今、こういった問題があります。
最近では、クリーニング屋さんのなかにも、洗ってもおちないと思っている人もいるんです。
これも問題ですね。
自分たちが分かってないのでは消費者に伝わるはずがありません。
最近、いろいろなニュースを見ていると、思うんです。
そろそろ基本に戻る時期なんじゃないのかなって。
しっかりと基本を抑え、足場を固めていろいろとチャレンジする時期なのかなあとそんな風に思います。
小手先の誤魔化しはもう通用しませんよね。
消費者にクリーニングしても落ちない、そういわせている現実が悲しいです。
もっと、もっとがんばろうね。
クリーニングは胸を晴れる仕事だと思っています。
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