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話せない訪問者

夕方、Yシャツを仕上げていた時の事。
一人の初老の男性がお店に入ってきました。

その男性、しきりに外を指差します。
その方向を見ると、お隣のマッサージ屋さんを指差しているよう。

マッサージ屋さんですか?

とたずねると、

アー、

と答えます。
そして、身振り手振りで何かを伝えようとするんです。

最初、私は日本の方ではないのかなと思いました。
お隣さんは韓国の方ですので、お友達かなと思っていたんです。

ところが、身振り手振りでコミュニケーションを図っていくうちに、行き詰ってしまいました。

どうもお隣に着たのではないらしいのです。

とにかく私たちを外に連れ出します。
そして、マッサージ屋さんを指差して、何かを伝えようとするんです。

漢字なら何かわかるかな?と思い、書いてもらうと、不動という文字を書きます。
どうやら不動産屋さんを探しているようなんですね。

そこで、お隣さんの不動産屋さんを知りたいのか?と聞くと、首を横に振るんです。
お隣さんのオーナーさんを知りたいのか?というと、また首を横に振る。

お隣を借りたいのかな?と思い、聴いてみると、違うといいます。

ここで、私たちの言葉が通じることに疑問を持ち、日本の方ですか?と聞くと、そうだとおっしゃいます。
どうやら、脳の病気で言葉が話せないらしいんです。

そこで、一度お店に入っていただき、紙にいろいろ書きながら話を進めていきます。

不動産屋さんに関係しているようだけど、お隣ではない・・・。
行き詰ったときに、母から一言。

南陽不動産?

信号のところにある不動産屋さんのことです。
すると、この男性、思いっきりうなづくではないですか。

この人が探していたのは、南陽不動産で、場所を間違えたようなんですね。

この辺も店がいろいろと変わってきたので、わからなかったんでしょう。

お店の場所を教え、男性もすっきりした様子で帰っていきました。

そして、翌日。

仕事をしていると、昨日の男性がやってきました。
手には、おはぎが。
昨日のお礼のようです。

そして、駐車場の更新用の書類を見せていただきました。
このことで不動産屋さんを探していたんですね。

ジェスチャーを交えて、いろいろとお話をさせてもらいました。
脳梗塞をわずらったこと、右のほうが麻痺していること、言語障害が出たこと。

でも、ぱっと見、そうは見えないんですよね。
しっかりと立って歩いていますし、車も運転しています。
じっと見ると右手が少し動きが遅いかな?と思いますが、まずほとんどの人が気づかないでしょう。

話せなくても、なんとなく伝えたいことは伝わるもんです。
少しは役に立てたかな?

みんながんばっているんだなあと思いましたね。
大変でもがんばってる。
おいらもがんばろう。

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