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クリーニング事故?不良品? 第一夜

春、とても忙しい時期でした。
私が配達から帰ってくると、母が不機嫌そうな顔で話しかけてきます。

『合成皮革のついたコート、誰から出たか覚えてる?』

突然こう切り出されたので、初めは何の事だかわかりませんでした。
タグが取れて誰のか分からなくなったのかな?と思っていると、こう続けます。

『つい今しがた、アパレルメーカーから電話があったんだけど。合成皮革のついたコートがぼろぼろになったとお客様から電話がメーカーに入ったらしい。』

『どんなクリーニングしているか、聞かれたの。』

こう言います。

私たちも人間ですからミスをしないわけじゃありません。
でも、ぼろぼろの状態のものを見逃すなんて事は考えられないし、もしクリーニング事故でそのような状態になったとしても、そのまま何も言わずにお返しするなんてありえないんです。

きちんとお客さまに説明し、その後の対応も説明します。

いろいろな事が頭の中を駆け巡りますが、とりあえず冷静に、一つ一つ確認することにしました。

私 『で、そのコートは誰のものか聞いたの?』

母 『それがね、誰のものか絶対言わないのよ。』

誰のものか分からなければ、私たちが本当にクリーニングしたのか?分かりません。
でも、メーカーは決してお客様の名前を教えてくれないんです。

私 『教えてくれないんだ。困ったね。じゃ、具体的にどんな素材?』

母 『綿なんだけど、合成皮革が部分的に使われているもので、ボタンの周辺にアクセントとして使われているものみたい。自分のお客様の中で心当たりある?』

全部を覚えているわけじゃありませんが、特徴のあるものは大体覚えているもので、今回のような商品、合成皮革が使われているようなものは、クリーニング自体気を使うので忘れるはずがありません。

今年出た品物の記憶をたどってみますが、私がお預かりした中では該当する客様はいらっしゃらないようです。

私 『こっちにはいないみたいだな。お店のほうに心当たりは?』

母 『それらしいコートは今年何着か洗っているけど、事故を起こした事はないんだけど。』

素材を聞いたところで、大体ある程度予想はつきます。

どうしてぼろぼろになったのか。
どこに責任の所在があるのか。

これは母も同じです。
問い合わせのお電話をもらって、お話を伺ったときに、大体察しが着いていたようでした。

私 『で、どう説明したの?』

母 『そりゃ、全部話したわよ。うちで使っているドライクリーニングの溶剤、クリーニングの手順、乾燥工程、そしてなぜそのような扱いをするかも、ね。』

うちは、働いている人間、全員がクリーニング師の資格を持っています。
説明はきちんとしていますし、間違った話はしません。

ちなみに、どのような話をしたかといいますと・・・・・。

明日へ続きます。

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