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クリーニング事故?不良品? 第五夜

今回の件について問題があります。

まず、劣化が起きる素材が使われているコートが販売されている事。
ここはこのメーカーさんだけでなく、販売している人たち皆さんに少し考えていただきたい事なんです。

劣化すると分かっていたら、お客様は購入をしたのか?

ここ、買う側にとってはかなり重要ですよね。
ポリウレタンを使った製品は、結構高額な商品が多いんです。
買う側の心理としては、高額な商品だから、丈夫で長持ちするだろう、と思う人がたくさんいると思います。

しかし、実際は時間とともに劣化が起きてしまう。

この説明をきちんとしているか?と言う問題がありますよね。
私が今まで聞いた中で、ポリウレタン製品を買った人で、この説明を聞いた人は皆無でした。
そして、劣化すると聞いた後に皆さん同じ事を言うんです。

それなら買わなかった、と。

この劣化はデメリットではなく、商品の特徴だと思うんです。
その特徴をきちんと説明をしないと、いざ事が起こったときにお客様は事故だと思います。
すると、クレームになってしまう。

きちんと説明をするよう、アドバイスしました。

そして、もうひとつ疑問があったので聞いてみたんです。

なぜ合成皮革を使ったのか?
合成皮革には問題があるのは分かっていたはずです。
当然、劣化が起きることも予想されたわけで、それなら劣化が起きない製品を使う選択もあったはず。
具体的に言いますと、今回は皮を使えば何の問題もなかったんです。

その辺を突っ込んで聞いてみると、意外な答えが返ってきました。

『うちのような小さいアパレルメーカーでは、そんなコストがかかるような商品は作れません。一番売れている有名なメーカーさんの服を真似て、コストを削減して早く作って売らないと商売にならないんです。』

言っている事はなんとなく分かる気がします。
でもね、コスト削減が、品質の劣化になり、クレームになっていたらどうしようもないと思いません?

いい素材を使って高い商品になると、お客様が買ってくれない、そうおっしゃっていました。

確かにね、安いって人を動かす力があります。
反面、丁寧な仕事や良いものって言うのは値段が高いですし、簡単に売れてはくれないんですね。

認知されるまで相当時間がかかってしまう。

うーん、考えちゃいますねえ。
なんかどっかのコロッケの話みたいで。

実は今年に入ってからこのような話を数件聞いているんですよ。
もっとお客様を信じても良いと思うんですけどね。
安いものを欲しているのと同じようにいい物を欲していると言うのもあります。
信じて、作れば良いと思うんだけどな。

いろいろと話をしていると、どうやら母からも同じ話をされたそうで、考え込んでいましたね。

私たちクリーニング屋からすれば、きちんとした商品を作ってもらわないと困るんですけどね。

でも、私たちが困る前に結局お客様に全部返っていっちゃうんですよ。
長持ちしなかったり、問題がおきて困るのはお客様。
プロだから、ちゃんとしたものを提供した方が良いと思うんですけどね。

と、コスト削減から、そういった商品は変化がおきやすい、というような話になったときにこんな事言うんですよ。

『だから私たちはお客様からお電話を頂いたときには、服は洗わない方が長持ちするんです、と言っているんです。洗うと変化しますからって。』

おいおい、根本的に間違っているぞ。
もう少し、メンテナンスの事考えた方がいい気がします。
こういう方、アパレルさんには多いんですけどね。

長々と電話をしてきましたが、ひとまずこの辺で終了と相成りました。
最後に、お客様へ、伝言を。

『私たちはどんな話をされても大丈夫ですから、遠慮なく来て話をしていってください、とお伝えください。今回の事も全部ご説明をします。お気軽にご来店ください、とそうお伝えください。』

それから3日後、お客様がご来店しました。

つづく。

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