微妙な話し方。
午前中、仕事の合間に少しテレビを見ていたんです。
二年ほど前に中華街で一緒に食事をしたことがある方がテレビに出ていました。
なんと、洗濯王子、だそうです。
かなりのイケメンですし、あたりも穏やか。
王子の名にふさわしいと言えばふさわしい。
前にも、クリステの福永さんのところへ、合宿に行くところをテレビで取材されていました。
家庭洗濯のポイントを王子が話していくのですが、その言い回しっぷりに、とても共感したんです。
ああ、微妙な感じが良く出ているなあって。
テレビのテロップや音声では結構はっきりと言っているようなんですが、、当の王子はよく聞いていると語尾が微妙な言い回し。
その気持ちがね、よく分かるんです。
洗濯やクリーニングは、洗う対象物によって変わってしまいます。
その対象物、衣類にいろいろなケースがある以上、はっきりと断言しづらいんです。
これは、知識や技術がある人になればなるほど、断言はあまりしません。
目の前に品物があればある程度は出来ますが、一般論として洗濯を語ろうとすると、どうしても想定の範囲を超えるものが出てきまして、またそれが結構あるんです。
ですから、言い切ってしまうことにどうしても抵抗があります。
そのクリーニング師ならではの独特な言い回しが、私にはとても好感が持てたんです。
この子は、とても素直なんだなあと。
福永さん同様、イケメンですから、ぜひ洗濯やクリーニングの普及のため(笑)、露出大目にしていただきたいと思います。(笑)
さて、実は内容でいくつか首をかしげる箇所がありました。
しかし、おそらく王子のせいではないと思うんですね。
と言うのも、どうも製作側が話を持って行きたい方向と言うのが見えてまして、強引に解釈している箇所があったんです。
テレビや雑誌に出た人に話しを聞くと、大抵意図しているものと違うように取られた、と言うような話を聞きます。
クリーニングの知識が難しいのかな?と最初は思いましたが、どうも違うようで、先に結論ありきでそれを実証するために話を進めているような節があるんです。
どうも、今回もそれに近いものを感じます。
そういえば、二年ほど前に福永さんがためしてガッテンに出演した次の日に、新宿で待ち合わせをしたんですが、待ち合わせの時間がずれたんです。
どうしたのかな?と思っていると、どうも製作されたものがまずいと福永さんが伝えたようで、それをスタッフと協議していたらしいんです。
思い起こすと、あの時も同じような事を言ってましたね。
最初に結論ありきでそっちへもって行こうとしているって。
ある種、ああいう業界が陥るやり方なのかなと思います。
そして、見ている側も振り回されることもありますね。
クリーニング屋さんが、同業者がテレビに出ていると必ず言うんです。
あんなの簡単だとか、たいしたこと無いとか。
でもね、それって本当はおかしいんですよ。
テレビは誰に見せたいのか、ということを考えると、私たちプロに見せるためではないというのはすぐ分かると思います。
玄人受けするような内容は決して消費者には伝わらないと思いますし、逆に簡単なもののほうがより消費者をひきつけやすくなります。
出演の交渉のときに、この話をしてくださいと事前に言われるようですしね。
テレビに映っているものがすべてだと思うのはちょっと軽率なような気がします。
まあ、結局職人ですから、どこか負けたくない!と言う気持ちもあるんだと思いますけどね。
しかし、クリーニング屋さんもテレビに良く出るようになりました。
変化を感じますね。
最近のコメント