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1時間に3枚。

Yシャツを仕上げていると、ご来店くださったお客様から、いろいろなお言葉をかけていただきます。
中でも簡単そうにかけるわねえと言われる事があるのですが、それを言われるたびに思い出すことがあるんです。

それは、私がこの業界に入って間もない頃。

最初はポケット掃除などをしていたのですが、次第に仕事が増えていき、アイロン掛けなども行うようになってきました。
しかし、まだYシャツはかけさせてもらえず、主な品物は作業着。
作業着って、ポケットが多いし、綿だし、いろいろな事が勉強できる優れものだったんですね。

毎日毎日作業着を仕上げていました。
段々と慣れてきまして、そこそこ仕上げも早くなった頃、とうとうYシャツを仕上げることが出来るようになったんです。

所が、Yシャツデビューはほろ苦いものとなりました。

11枚にYシャツを仕上げろ、といわれまして、少し緊張気味にアイロン台の前に立ちます。
作業着をこなしていましたから、問題ないだろうと、一枚手に取り、仕上げ台に乗せたんですが、これが全然仕上げることが出来ません。

アイロン掛けの基本は、まず平たく伸ばすこと。
アイロンをかける前に、手で伸ばすことが基本なのですが、これが出来ないんですね。

右を引っ張れば左がしわになる。
左を直そうとすれば右がしわになる。

Yシャツの形をそもそも理解していないので、きれいに伸ばせないわけです。

何とか形になってかけては見たものの、きれいに伸ばせていないから時間がかかる。
結果、なんと1時間に3枚しか仕上げることが出来ませんでした。

もうぐったりです。

結局、11枚のYシャツを3時間弱で仕上げることになったのですが、作業着との違いに唖然とし、素材の薄さで力の強弱も違うし、少しのことでしわになるなどとても勉強になりました。

あれから10年以上経ちました。

お客様とお話をしながらでも、きれいに延ばすことが出来るようになりましたし、お客様から見てとても簡単そうに見えるって言うことはそれだけ上手に出来ていることの証明です。

最初の仕上げで、正直めげていたのですが、社長の枚数こなすしかないんだよ、と言う言葉や、1000枚かければ形になるという母の言葉を信じてやってきた結果なのかなと思います。

この話をすると、皆さんびっくりするんですけどね。(笑)
でも最初からうまくいかなかったから、頑張ったのかなとも思います。
続けてきたからこそ今がある、そう実感しますね。

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