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アイロンをかける理由。

アイロン掛けの話を書いていて、そもそもどうしてアイロンをかけるのか?書いていない事に気づきました。
そういえば自分もクリーニング屋を始めた頃、アイロンをかける意味が分からず悩んでいたような気がします。
何でアイロンをかけないといけないの?何て考えていましたね。
そう思っているとアイロンをかけていても、目的がないのと一緒なのでうまくいかないんです。

どうしてアイロンをかけるのか?
アイロンをかける前に洗濯をする事が前提なのですが、洗濯をすると衣類に変化がおきるんですね。
縮んだり、形が崩れたり、元に戻ったり。
それらを元に戻すべく、着易くする為にアイロンをかけるわけです。

洗うと縮む、と言うと本来のものと少し違うんです。
確かに縮んでしまうものもあるのですが、地が詰まったり、着ているうちに引っ張られて伸びたものが元に戻ったりと言うことが起こっています。
生地も、作ったときに、一度地を詰まらせて詰まりにくくさせてから服を作るのですが、最近は柔らかいものが好まれますから、なかなか地を詰まらせたりしない事もあるようなんですね。
すると、一度洗うと縮むと言った事が起きるわけです。

また、生地だけでなく、縫い糸も縮みます。
これは縫うときにテンションをかけているので、水分を含むと緊張が解け、縮んでしまう事があるんです。
洗って、縫い糸がぎゅーっと、縮んでいる商品、たまにありますよね。

これらを、アイロンの熱で引っ張り、セットするんです。

また、アイロンをかける事で表面が平滑になります。
すると、袖が通りやすくなり、気安くなるんですね。
そして、表面が平滑になると、毛羽立ちが少なくなり、生地本来の色がよみがえってきます。
植物性の繊維は、すれなどでどうしても表面に細かい毛羽が立ち、そのせいで色が白っぽく見えてくるんです。
アイロンをかけ、この毛羽を押さえると、見事に色が復活します。

そして、着ているうちに、また洗っているうちに崩れてしまったデザインを元に戻すのもアイロンの仕事。
きちんとかける事で、ストレスの少ない服になってくれるんですね。

アイロンをかけると言うと、どうしても表面的なぱりっとした所だけ見てしまいがちですが、細かい所で着易くなり長持ちさせるんです。

洗いざらし、が流行っていて、アイロンをかけていると返って恥ずかしいなんていうのも最近耳にしますが、洗いざらしは、見た目は良いですが、実はとても着辛いんです。
でも、アイロンをかけたものを普段着ていなくて、洗いざらしを毎日着ているとその事が分からなくなっていくんですね。

先日、会社の部署が替わったお客様が、スーツをクリーニングにお持ちになったんです。
今までもスーツのクリーニングは受けていましたが、頻繁に来ているわけではなく、当然クリーニングも数えるほどしかなかったんです。
ところが、部署が変わり、毎日スーツを着るようになったので、こまめにクリーニングするようになった所、先日当店に来てこういっていただきました。

スーツってクリーニングすると気持ち良いんですね。

その通り何です。
きちんとクリーニングして、アイロンをかけると、着易くなり気持ちが良いんです。
これに気づいた事って本当に良いことだと思います。

これらの良いところは、アイロンをかける事で生まれます。
熱い鉄の塊で生地を抑えることで生まれるわけです。
これが、蒸気でぱーっと粗じわを取るだけでは、表面の毛羽は抑えられませんし、生地に水分が残るので時間が経つと生地がしなってしまいます。
当然、着づらくなってしまう。

今の時代でもアイロンが良いとされる理由ですね。

でも、アイロンが一番かと言うとそういうわけでもないんですね。
生地によっては、アイロンをかけるよりも、蒸気でぱーっとふかす方があっているものもあります。

要は適材適所。

その服をどういう風にしたいのか、そのためにはどういった作業が必要か、と言うことを良く考えながら適切に道具を選んでいくのが大事なんですね。

洗ったままでも良いと思うかもしれません。
でも、一度その姿を大きな鏡で見てみてください。
自分が手に持っているときよりも、洗いざらしの服は着た時の方が返って恥ずかしいものです。
すると、ぱりっとまでは行かなくても粗じわくらいは取っておきたいなあと思うと思います。

粗じわを取るにはアイロン掛けだけでなく、干すときに注意をするとある程度防ぐ事も可能です。
アイロンがけ、大変ですけど、頑張ってかけてみてくださいね。

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