アイロンがけ
先日スーツをお持ちになったお客様が、アイロンがかけられてない、とおっしゃっていました。
中河原近辺のほかのクリーニング屋さんを利用したとかでお店の名前は教えていただけませんでしたが、持ってきたスーツを見ると確かにアイロンがかけれていません。
いくら安くてもこれじゃあね・・・・、とおっしゃっています。
実は、このようなご相談、年に数回頂くんです。
クリーニングしたのにぱりっとしていない、きちんとしていない、だらだらしている、などなど。
その都度説明するのですが、皆さんその説明を聞くとびっくりされるんですね。
アイロンをかけないクリーニング屋さん、あるんですよ。
アイロンをかけない = 仕上げない、と言う意味ではないんです。
アイロンをかけはしないけど、粗じわをとる作業はしているんです。
仕上げにもいろいろあります。
アイロンをかけるのも仕上げです。
テレビで見るような大きな鉄板でプレスするのも仕上げ。
ハンガーでつるして、蒸気を当てて粗じわをとって仕上げと言うクリーニング屋さんもいます。
どれも正解か?と言うと中には首を傾げたくなるようなものもあるんですけどね。
上記の仕上げにはかなり差が出てしまいます。
プレス機でばちっと押すと、ビシッと仕上がりますが、圧力が強すぎて中には合わない品物も。
蒸気で粗じわをとると言うのも、一見これでも十分じゃない?と思うのですが、着辛いんです。
よく見るとしわだらけですしね。
ハンドアイロンでかけるとなると、きれいですが時間とコストがかかります。
お店の方針にも寄るのですが、薄利多売で、量を集めパートやアルバイトさんたちに仕上げをさせているような所では、アイロン掛けをするのは難しいのかなあと思います。
また、早く捌きたいと言うのもあるでしょう。
しかし、今後はアイロンをかけないお店が続出するかもしれません。
初代が引退し始めていて、二代目さんの中にはアイロンをかけられない人も結構います。
すると、小さいお店でも簡単に済まそうと言う所が出てくるんです。
きちっと仕上げてもらった品物を見た事がある人なら、こういう仕上げは望まないでしょうね。
しかし、そういった仕上げを知らない人がいるのも事実。
クリーニング代が安いお店を望む声が高くなると、段々技術は廃れていくでしょう。
でもね、私思うんですよ。
アイロン掛けをしていないって何で言わないんだろうって。
簡易的な仕上げ、でもその分お安く出来ますってちゃんと言えば良いのに。
簡易的な仕上げでもしっかりと仕上げているとか、技術のある店とか、そういった宣伝をするので、クリーニング屋さんはどこも同じに見えてしまうんじゃないかなあと思うんです。
安くするにはそれなりの理由があり、その説明をする事で、納得してご利用いただけると思うんですね。
そうすれば、今回のようなお問い合わせも少なくなると思うんですが・・・。
何も知らされずにぱっと仕事を見たら、だまされた!と思うと思うんですけどね・・・。
仕事としてお店を開いて、ちゃんと商売をしているんですから、自身を持って自分たちの仕事をアピールすれば良いのになあと思います。
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