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スーツをクリーニングに出してはいけない〜週刊文春より。

お客様から情報を頂きました。
今週の週刊文春を見てみてね、と。

早速買ってきたところ、小さい記事ですが、こんな内容が。

スーツをクリーニングに出してはいけない。

他の雑誌に出ていた内容らしいのですが、それを検証しているといった感じですね。

読んでみて、そういう部分もあるなあと言うものなので、真っ向から否定は出来ないのですが、でも、全部がそうじゃないかなといった印象を受けました。
また、解釈が違う部分もあり、とても微妙。

クリーニング業者ではない人、たとえばスタイリストさん、デザイナーと言った方々のお話もありましたから、仕方がないのかなあとも思います。
だって、服をメンテナンスするプロじゃないし。

高級スーツをクリーニングすると、一般的なドライクリーニングによって、脂がとられてしまうのでぱさぱさになる、と言うんですね。

ここで言う一般的なドライクリーニングって何よ?と突っ込んで聞きたくもなりますが、それはおいておくとして、実際ドライクリーニングでぱさぱさになるのか?

溶剤はいわゆる油ですから、油が油をとってしまうという現象は起きます。
ただ、これは洗浄力にも関係してくるので、まったくないと困ってしまうというもの。
油脂溶解力、と私たちは呼んでいるのですが、これが強すぎるものは確かに油を落としすぎる可能性はあるんです。

しかし、わたしたちも黙ってそれを見過ごすわけもなく、当然それに対する対策も取っています。
ぱさぱさにならないように、柔軟効果のある洗剤を使って対策を取ったりしているんですね。

ただ、ぱさぱさになるほどの油脂溶解力を持った溶剤を使っているところは、業界のほとんどと言うわけではないんですね。
たとえば当店で使っている石油系の溶剤は、油脂溶解力が高くありませんので、ぱさぱさになるということはありません。
石油系の溶剤を使っているお店もたくさんあるので、一般的なドライクリーニングでぱさぱさになるというのは少し言い過ぎ。

しかし、実際ぱさぱさになったような印象を受ける事もあります。
それは油が抜けたからではなく、縮みなどから来る表面の変化だと思うんですね。

高級スーツなどでは、柔らかい生地が使われているケースが多いんですが、洗い方、乾燥の仕方によっては柔らかさがなくなり、艶もなくなり、ぱさぱさになったような印象を受ける事があるんです。
これは、石油系の溶剤でも起こります。

問題なのは洗い方、乾燥の仕方の問題なので、そのクリーニング店の技術に問題がある、と言うわけです。

おそらく、これとごっちゃになっているんではないのかな?と思うんですよね。
クリーニングの仕事を知っている人でないと、なかなかここまでの想像は出来ないと思いますし。

また、アイロンの技術が高くないクリーニング店に出すと、型が崩れる可能性がある、と書いてあります。
これも納得する部分もあるし、そうでない部分もある。

たとえば、アイロンをきちんとかけているクリーニング屋さん、どれくらいいるとお思いでしょうか。
世間で言う高料金のクリーニング屋さんはともかくとして、チェーン店などの大手安売りのクリーニング屋さんでは、すべての商品をきちんとアイロン掛けすることは、事実上不可能と思われます。
と言うのも、アイロン掛けって物凄く生産性が悪いんですね。
クリーニング屋さんは洗いから仕上げに向かって生産能力が落ちるといわれています。

洗う機械は一台でよくても、それらを仕上げる人や機械は、数台ないとこなす事が出来ないといわれるんです。

また、その生産性の悪さから、コストも異常にかかってしまうため、低料金のお店だと、なかなかきちんとアイロン掛けを行う事は難しくなっています。
では、洗いっぱなしか?と言うとそうでもなく、アイロンはかけないけど、別の方法でプレスなり粗じわをとるなりしているんですね。

粗じわは取れますが、当然アイロンがかかっているわけではないので、整形はされていません。
これを型崩れ、と言うかは別にして、この状態ですとスーツのシルエットは出づらくなります。

きちんと、一点一点手をかけているクリーニング屋さんなら、アイロンもちゃんとかけているんですけどね。

アイロンをかけている方がいいというわけでもないと思います。
アイロン掛けを他の技術でカバーする代わりに、低料金を実現しているわけですしね。

でも、クリーニング屋さんはみんなアイロンをかけていると思っている人が多いんです。
この辺の認識の差があるような気がします。

もう一つ、某クリーニング屋さんのお話がありまして、このことも触れてみたいのですが、明日に持ち越します。(笑)

なんか、記事を読んでいると、クリーニング屋さんの信頼されている部分と、信用されていない部分が共に見られて、面白いんですね。
このギャップ、埋められないのかなあと、ひそかに考えています。

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