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ほっと一安心。

夕方、一人の男性がお店に入ってこられました。
その入ってくるときの様子がなんだかおかしいんです。
若干下を向いたような、思いつめたような表情。

ものすごく腰の低い話し方でこうおっしゃられたんです。

「私、Oさんの友達なんですが、クリーニング代金をお支払いしていないと聞いてきまして・・・。」

Oさん、もう何年前でしょうかね、確かに代金が残っています、それと品物も残っているんです。
Oさんとは長いお付き合いをしておりまして、私も品物を車に積んでOさんを助手席に乗せてお宅まで配達に行ったこともありました。
数年前にお忙しかったのと体調が悪かったので、品物を数ヶ月お預かりして、お届けし、また数ヶ月お預かりして、なんていうのがあったんです。
そして、出来上がりましたとお電話を入れて、待っていたんですがその後連絡がなかったんです。

この話、クリーニング屋さんが聞くと、それっておかしいでしょ?って突っ込みたい人が多いんじゃないでしょうか。
お金も頂かないで何年も預かりっぱなしなんておかしいと。
うちなら何回も電話してすぐ引き取ってもらうけどな、なんて言うクリーニング屋さん多いと思います。

ある種、うちの商売が古いのかもしれませんが、お客様とうちとの不思議な信頼関係のようなものがあります。
お客様も、ご自分の話をしてくれるので、こちらもお客様のことが手に取るように分かったりもする。
確かに理想は早く引き取っていただければうれしいのですが、生きていれば仕事が忙しかったり体調が悪かったり、家族の具合が悪かったり、と色々あるものですよね。
そういう人たちに、早く取りに着てよ、なんて言えないよなあ。

これまた不思議なのは、うちのお客様、きちんと引き取りに着てくれるんですよ。
だから、こちらも信用して預かって置けるんです。

で、話を元に戻しましょう。

Oさんの名前が出て、すぐさま私たちもあの人だと分かります。
すると男性が続けざまにこういったんです。

「昨年の8月にOさんが脳梗塞で倒れまして、一時危なかったんですが、5ヶ月たって要約たいいんできまして、今預かっているんです。」

「幸い、退院した今は何とか杖をつけば歩けるくらいに回復をしました。そしてつい昨日、服の片づけをしていると、クリーニング屋さんに借金があるというので、今日急いで駆けつけてきたしだいです。本当に申し訳ございませんでした。」

もう、ただただびっくりで。
私の記憶の中にある、Oさんはとてもきれいな女性で、しかも若かったイメージしか残っていないんです。
あの若さで脳梗塞ですか?と思わず驚いてしまったんです。
ところが、私の記憶がかなり前で、お年を伺うとあってもおかしくはない年齢なんですね。

男性は、Oさんからうちのお話をよく聞かされていたそうで、いつもきれいにしてもらって、いつも無理聞いてもらってよくしてもらっていたというんだそうです。
そんな良いお店に不義理はたらいちゃいけないよな、と男性が着てくれたんですね。

うちも、忙しいんだろうくらいにしか思っていなかったので、謝られて逆に恐縮してしまいます。
一時は危なかったとのことですが、とりあえず命が助かった本当によかった。
日曜日、ご挨拶がてら、残りの品物をお届けに伺うことになりました。

今までもですね、何年も引き取りにこられなくて、ふらっときたら引っ越したとか言う話はあったんです。
また、今まで長期の出張だったとかね。
中には刑務所に入っていたという人もいましたけど。

でも、本人が病気はさすがになかったなあ。
本当にびっくりしました。

お大事にしてくださいね。
うちはいつでも待っています。

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