ブランド物だからじゃなく。
先日、岩手の友達と石鹸の話をしていたときのこと。
その友達は、一月に一回ほど勉強会の目的で、東京へやってきているんです。
そこで出た話らしいのですが、彼も悩んでおりまして。
ブランド物のクリーニング、についてなんですね。
ブランド物のクリーニングが増えてきているのですが、そのクリーニング料金についていろいろと議論をしたようなんですね。
いろいろな話が出まして、どれも一理ある。
その話の中で、ブランド物のクリーニング料金の違いをどう説明するか?で、一人の人がこういったらしいんですよね。
ブランド物だから、高いんです。
友達もそれ聞いて、その説明おかしくないか?と思ったらしく、でも、確かに言葉は足りないけどそれも一理あるし・・・、と悩んでいました。
ブランド物のクリーニングは確かに他と違いますね。
でもそれはブランド物だから高いというのでは、間違いとまでは言いませんが、説明が足りない。
クリーニング料金の違いにはもっとちゃんとした説明があると思うんです。
衣類は素材や作りによって扱いがぜんぜん変わってきます。
同じ素材でも、糸が細くなると、急に扱いが難しくなる。
そして、糸が細い繊維ほど、繊細でやわらかいものが多いんです。
クリーニングも当然難しくなるわけですね。
洗うのも慎重になりますし、染み抜きなども傷がつかないようにより注意します。
また、乾燥機の熱などで風合いが変わりやすいために、そこも慎重に取り扱いますよね。
仕上げも、やわらかさが逆に難しくさせます。
糸が細くなるとこれほどまでに難しくなるんです。
これがクリーニング料金に反映してくるのですが、糸が細いものってブランド物が割りと多いんですよね。
ですから、冒頭の人は、ブランド物だから高いと、一言で片付けてしまったんではないだろうか、と思うんです。
これが間違いではないけど、正しくもないというのには理由があります。
一つは、ブランド物といってもどれも糸が細いというわけではないということ。
ライセンス契約をして、別のメーカーが作っている例もありますし、そう言うものはオリジナルに比べてると、やはり質が違いますしね。
ブランド物の名前はついているけど、そこまで気を使わなくてもいける、という商品もあるんです。
もう一つは、有名なブランド物ではないけど、質がかなりいい商品もあるということ。
ブランドの名前にばかりに気をとられていると、本質を見抜けないこともあるんです。
私たちが見るのはブランドのタグではなく、その衣類がもっている素材や品質。
ブランド物に固執してしまうと、後々怖いことになりかねません。
料金の違いの説明は、消費者の方に説明するのが実は難しいんです。
というのも、その違いを分かりやすく、また明確に説明するのが難しいからなんですね。
どうしても、職人の感性による説明になりがちで、聞いていても普通の人にはその違いが分からなかったりします。
こちらとしては、明確な違いがあるんですけどね。
この辺の話術といいましょうか、説明を分かりやすく表現できるようにしていかないと、お客様のご理解は得られないかなあと思います。
また、最近ではクリーニング業者の中にも、違いが分からなくなってきている人もいるんです。
礼服とスーツの違いが分からない人もいて、同じ形をしているんだから、同じで良いじゃないか、と平気で言う人もいるんですね。
これが怖い理由は、こういうことを言うクリーニング業者さんは違いが分かっていないので、扱いも分かっていないということなんです。
その結果は、お客様が一番分かるんではないでしょうか。
こんなのではなかった、と。
ブランド物だから高い、という言葉に見事反応した友達はすごいなと思います。
違和感を感じているのですから、彼の店は大丈夫ですね。
ほっと一安心。
一伸ドライクリーニング店
カシミヤ・アンゴラ専門店 カシミヤクリーニング.COM
東京都府中市住吉町2-17-13
工藤隆史
TEL 042-362-6470
定休日 日曜日
営業時間
朝8:00~夜10:00
★宅配も随時受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
集配エリアはこちら。
| 固定リンク | 0
「クリーニング」カテゴリの記事
- クリーニングでシミがついて来たは本当か?(2024.10.31)
- 泥棒はダメ!(2024.11.01)
- どこから拾ってきた情報で書いているんだろう?(2024.10.28)
コメント