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ファッションの輪の中で。その2

昨日の続きです。


年末のカンブリア宮殿を見て、ふと気付いたんです。
今まで、クリーニングが悪くて、洗わない人が増えてきたんじゃないかって思っていたんです。
クリーニング屋ですからね、職人気質な所もありますから、その気持ちも分かる。


でも、それはまた違うんじゃないか?もっと別の原因があるんじゃないか、と気付いたんですよね。
それが鎌倉シャツの会長のお話でした。


会長さんのお話でうっ!と思ったのが、今のアパレルの販売はおかしいと言うところ。
別に商品がおかしくなっているわけでもないのに、時期が来るとセールをして値段を下げ売ってしまう。
その商品には何の問題も無いのに・・・。
そして、また新しいデザインで、売り出す、という話。


これが生鮮食料品なんかだったら分かるんですね。
腐ると食べれないし、賞味期限というものもある。
でも、衣類は次のシーズンに売っても問題が無いはずなのに、セールをしてしまうんですよ。


今までは気付かなかったんです。
不思議な事だとは思わなかったし、自分でも、シーズン終わりはセールをやるからお買い得かな、位に思っていましたしね。
そして、商売的にも、新しいデザインや形を出すと、消費が促進されると言う一面がありますから、次々に出すのも特別に不思議な事と思わなかったんですよ。


でも、確かに冷静に考えるとおかしいんですよね。


商売に乗せられて、買わされていると言う側面もあります。
その時に、以前お客様から聞いた話が急によみがえってきました。


ここ数年、衣類がもたないと思っているお客様が非常に多く、それが原因で洗わない人がいたんです。
で、粗悪品でも二年で着れなくなるなんて物はないですし、少し皆さん神経質かな?と思っていたところ、あるお客様に教えていただいた事がありました。


デザインが古くなって着れなくなる事もあるんじゃないですか?


わたしねえ、迂闊ながら最初この話を聞いたときに、確かにそういう人もいるかもしれないけど、そういう人たちは裕福な層でごく少数の話だと思ったんですよね。
でも、違ったんですよ。


思い返せば、私はそれらの話が繋がるだけの情報を持っていました。
気付かなかったのが悔しい。


アパレルがシーズンごとに新作を出し、シーズンが終わればセールをする事により、売り上げを伸ばしてきました。
皆さんファッションに気を使うようになり、その年の流行色を着たり、流行った衣類を着たりしています。
しかし、次のシーズンが来ると、新しい色やデザインに変わり、前の年に来ていた服は古いものへと変化していったんですよね。


最初、これらはファッションに重点を置く人たちが主だったと思うんです。
ところが、アパレル業界でも変化が起こり始めます。
その年、流行っている色や服のデザインを、真似て、安く売るアパレル業者が出てきました。
自分たちにはブランド力もなく、またきちんと作りこむ時間もお金もない。
デザインは似ているけど、細部は簡略化した衣類が大量に出回ったんです。
それによって、一気に他の人へも流行が回りだします。

そしてここが問題・・・。


こうして、流行に踊らされているわけではないのですが、毎年出る新しいデザインや色などに触れているうちに、まだ着れるのに古い、という印象が植えられてしまったんだと思うんです。

そして、二年着たらデザインも古くて恥ずかしいと思うと、たかが二年のためにそんなに良いものを買うのがもったいなくなりますよね。
そこで出てくるのがファストファッションです。
これが出てくるのも、ある意味必然だったと、今から考えると思います。

そして、二年しか着ない衣類をクリーニングするか?と言うと微妙ですよね。
こう考えて見ると、次のシーズンが来てから洗うと言うのも、なんとなく分かる気もするんです。
次のシーズンも着る事が出来るかどうかは、次のシーズンが来てみないと分からないんですから。
着ても恥ずかしくないデザインなら、洗うとなるんでしょう。

つまり、アパレルの販売戦略に巻き込まれてしまったんです。

もちろん、あくまでも推論ですし、他にも要因は沢山あると思います。
人の真似して洗わないと言う人もいますしね。
でも、その様々な理由の中でも、根本的な問題なのではないかな、と思うんです。

振り返って見れば、ですが、アパレルが一生懸命売るために努力してきたけど、私たちクリーニング屋はお客様にクリーニングが必要な理由を提示できなかった、と言うことなんでしょう。


二年で古くなってしまう、と言う衣類をどうやってクリーニングするか、洗ってもらえるようにお客様に伝えるか、考えないといけませんね。
やはり、お客様が洗わなければ良かった、と言うような仕事では出てくるとも思えませんし、せめてシーズンごとに洗う必要性を感じてもらいたいと思います。


今まではクリーニングってアパレルさんの対岸にいるとか言われていました。
私たちクリーニング業者はそう思っていなかったんですけどね。
でも、こう考えて見ると改めて、洋服を作る、着る、洗う、と言うのはすべて一つの輪の中にいるんだなあと思います。
対岸の話でもありませんし、回りまわって自分たちに返ってくる話です。


それを肝に銘じて、これから頑張っていかなきゃいけません。
必要とされる業界になるよう、頑張っていきましょう。

一伸ドライクリーニング店 
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