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ユニクロのダウンジャケットはクリーニングできるのか?

ユニクロさんで発売されたダウンジャケットが、ちょっとした騒ぎになっています。
その理由が、洗濯表示がオール×になっている事。
いくら安くても、洗えないと次着ることが出来ませんしね。

ユニクロさんから先日クリーニング業界へお話があったようです。
その内容はダウンジャケットの扱いについて。
洗濯表示はオール×ですが、クリーニング屋さんで洗えるので洗って欲しいという事みたいですね。


洗えるのなら、表示に洗えると表記すればいいじゃない?と思うでしょう?
ユニクロさんには過去にいたい経験があるんです。
数年前に発売されたエアテックというジャケットを家庭で洗濯したときに、水切れが悪く洗濯機が踊りだして倒れるという事故が起きました。
今回はその苦い経験から、家庭での洗濯はやめてくださいという事で、洗濯表示がオール×になったようです。
しかし、品物自体は水洗いする事は出来るので、クリーニング屋さんで洗って欲しい、と言うものでした。


所が、クリーニング業界側がユニクロに色々要望したらしいんですね。
たしかに、洗濯機が倒れるような危険があるのなら、もっと広く告知しないと本当に危ないですからね。
まずは家庭での洗濯はやめてくださいと、広く告知するのが先決。
そして次に洗うt気はクリーニング屋さんへ、というのが素直な道筋でしょう。


ところが、要望はこれに納まらなかったようで。
本当にクリーニング屋さんで洗うことが出来るのか、ユニクロさんのほうでテスト検証をしてください、との事。

うーーーん、それって本当にいいことなんだろうか?少し考えてしまいました。

製造販売元ですから、そもそもユニクロさんは最初からテストをしなければなりません。
製造販売する側の義務ですよね。
テストも検証もしない商品を、世の中に出すということはどれだけ危険か。
そういう意味では、ユニクロさん側で検証してください、というのはある意味まっとうな要求だと思います。


でもね、今回に関してはそれでいいのかな?と思うんです。

だって、きっとユニクロさんがテスト検証をしても、クリーニング屋さんは恐くて手が出しづらいままだと思うんですよ。
そのテスト自体が怪しいと絶対思うはず。
クリーニング屋さんはお店によって扱いが違います。
テストした結果、洗えました、大丈夫でした、というだけでは説明不足なんですね。


どのような条件で洗って平気だったのか?
洗浄温度は?洗浄時間は?乾燥温度は?乾燥時間は?洗剤の種類は?などなど、洗いあがりに影響のある項目は沢山あるんです。
そして、これらはクリーニング屋さんによって差があるので、他で洗えました、というのは、参考にはなりますが、安心するだけの材料にはなりえません。


現状の洗浄テストは、実際に即していない、という面が否めないんです。

洗濯表示がオール×という事で、その時点でクリーニング屋さんの多くは二の足を踏みます。
それを覆すには、それ相応の理由が必要になると思うんですね。

では、どうすればいいのか?という事なんですが、凄くシンプルでいいと思うんですよ。
クリーニング業界側も、そのテストを一緒にしてあげればいいんです。
サンプルをもらい、複数の店舗で洗浄テストをする。
お店によって、条件が違いますから、その条件もメモしておいてですね、時には荒っぽい過酷な条件で洗ってみてもいいと思います。
とにかく、実際の商品を実際の洗濯機で洗うのが一番なんです。

アパレルさんも、クリーニングの事を勉強してくれているのは重々承知なんですが、それでも私たちの感覚とは少しずれがあります。
今回のユニクロさんのダウンジャケットの件は、お互い共同で検証をし、共通の感覚を持ついい機会だったんではないのかな、と思うんですね。

何よりも、もうそろそろ本格的にダウンジャケットも洗いたくなるはずです。
ユニクロさんのダウンジャケットは170万着も売れているとか。
170万人の消費者が路頭に迷うわけです。

これは阻止しなければなりませんね。


クリーニング業界側の言い分も分かるんですが、待っている消費者がいて、困っている人もいる。
間違いやおかしいところを訂正させるのもとても大事な事ですが、指摘した後、どのようにすればいいか?どう扱えばいいか?クリーニングのプロとして、アドバイスするようなスタンスでもいいんではないかなあと思うんです。
今回の件だけではないのです。
過去から現在において、クリーニング屋さんにはもう一歩が足りない。


不良品の衣類が出たとき、こんなおかしな商品を出すな、欠陥品だ、と糾弾することはあっても、ではどうすればいいのか?というアドバイスをしたという話はあまり聞いた事がありません。


洗えない問題点はどこなのか?
どこを治せば洗えることが出来るのか?教えてあげれば、悪いところは減っていき、いい商品が増えてくるんじゃないですかね?
そして、その問題点と改良点が分かるのは、現場で洗っている私たちだけじゃないかなと思うんです。


アパレルさんも洗うのは本職じゃありませんからね。
ただおかしいといわれても、どうおかしいのか?図りかねるような気がします。


まさしく、協力、という言葉がぴったりです。
そんな時代になったのではないかな、と思っています。

で、ユニクロのダウンジャケットですが、当店で洗えると思いますよ。
安心してお持ちくださいね。


一伸ドライクリーニング店 
カシミヤ・アンゴラ専門店 カシミヤクリーニング.COM
東京都府中市住吉町2-17-13
工藤隆史
TEL 042-362-6470
定休日 日曜日
営業時間
朝8:00~夜10:00
★宅配も随時受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
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コメント

私はユニクロという企業にはずっと疑問を持ってきました。ヒートテックなど、革新的な商品も確かにでていますが、基本的な企業精神が好きではありません。
170万も売れた洗えないダウンジャケット・・・。安いからと飛びついた多くの人がどれだけいるかの証拠です・・・。確かに安い。そして軽くて暖かいのでしょうね。流行りの俳優がCMにも出ていますね。でも安い、軽い以外にもっと全体的なことを俯瞰して考えてみたら、この製品は本当によいものなのでしょうか。私はいつもそれを考えます・・・。

洗えないダウンジャケット。日本のほとんどの地域は、極寒の地ではありません。地下鉄に乗れば、ダウンを着ているだけで汗だくです。その汗のしみ込んだダウンが洗えない。汗臭いダウンを、大切に何年も着る人は果たしてどれくらいいるのでしょうか。多くの人は、「どうせ安かったから」簡単に捨てて、また次の目新しい商品を購入するのではないでしょうか。CMでは、あたかも研鑽を積んで機能的な製品を開発したような口ぶりですが、その大切な作品に、果たして「洗えない」マークをつけるのでしょうか?何年も愛用してもらえるよう製品のクオリティーを高めるのが、責任ある企業ではないでしょうか。

軽くて暖かなダウンジャケットを開発してきたのは、決してユニクロではありません。公正な消費を行ってきた方ならご存知でしょう。そして、それらの製品は、決して数千円で買えるものではありません。
なぜなら、開発に投資した結果、販売する数は何百万単位ではないからです。ユニクロは、そうして開発された製品をコピーし、安易な形に格下げし、そして百万以上売れることを想定して、その母数で割り出して、一着あたりの超低価格を打ち出しています。独り勝ちすれば良いとばかりに。消費者が手にするその商品は、商品そのものと同様にうすっぺらなものです。

物を買う時、皆さんは値段だけを見るのでしょうか。
そうではないはずですね。デザインや色からも判断されているはずです。
でも、目に見えないことも見ていますか?
その商品は、フェアトレードにのっとって製造されていますか?
労働の搾取はありませんか?
大切に何年も着てもらえるように・・・と作られていますか?
何年も着れる洋服。それは、最終的には理想的なコストパフォーマンスとなります。そして、大消費文化から離れたそういう買い物は、環境保護のためにもよい結果をもたらします。ユニクロの商品には、そのような大きな意味での商品に対する愛情や責任が感じられません。
とってもうすっぺらな商品を広告の力をかりてデコレーションし、大量に世の中に撒き散らし、結果、柳井会長は長者番付の筆頭に立っています。滑稽で、空しい現象です。

自分が日々着るものを買う時、生活を取り巻くモノを買う時、私たちはもっと様々なことを俯瞰してみて、そして深く考えて消費行動に移すことができたらと思います。その場限りではない、もう少し長い目で考えた消費活動をしていけたなら、それは直近では見えないかもしれませんが、確実に自分のためになり、他の人たちのためになり、地球のためになるのではと思います。大切に使うことを前提としない安いモノを手に入れることは、得なことではないと信じます。
安いから買うという、そんな消費者のお陰で、独り勝ちをしている企業や経営者はいたとしても・・。

クリーニングと直接関係ない話しですみません。
でも、大切な洋服だからこそ、家庭で洗わずにお金を払ってクリーニングに出すのですよね。ユニクロの製品を出す人は、年間どれくらいいるのでしょうか・・・・?


投稿: | 2010年12月16日 (木) 01時03分

ななしさん、初めまして。
勝手に名前を付けさせていただきました。m(_ _)m

ユニクロに対しての思いは私はとりあえずおいておきますが、ユニクロ製品を出す人のことは多少なりとも分かります。

ユニクロ製品はクリーニングに出てますよ。

同業者の中では、ユニクロはクリーニングに出ない、という方がいらっしゃいますが、そんな事はありません。
セーターもダウンも普通にクリーニングに出てきます。
他のメーカーと比べてもそう大差ない出方、ですね。
世の中には沢山のメーカーがあることを考えると、ユニクロだけ飛びぬけて出ないというわけではないですし、飛びぬけて出るという事もありません。


衣類のクリーニングについては、結構微妙な話だなあと思っています。
大切だから洗う、というのも一理ありますが、どうもそれだけではないような気がします。
これはあくまでも経験での話です。


お金持ちだからクリーニングを利用するというわけではありませんし、安い服だからクリーニングに出さないというわけでもありません。

クリーニングってもっと別な理由が存在すると思うんですよね。

今はまたちょっと違う理由もありそうですが、洗う理由を深く研究してみたいと常々思っています。

投稿: boribori | 2010年12月16日 (木) 15時57分

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