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消費者は分かっていないのか?

結構長くクリーニング業界にいますが、たまにこんな話を聞くことがあります。


お客様は、技術なんて分かっていない。

ずいぶんと厳しい言葉ですよね。
それに若干失礼な発言に聞こえます。


これね、こういう事なんです。

クリーニング屋さんが一生懸命、仕上げてもお客様のほとんどの方は、気づいていただけない。
そこまで手をかける必要があるのか?


と言うことらしいんですね。
先日も、とあるクリーニング屋さんの集まりでそんな話をされまして、さびしく感じていました。


その方曰く、2万円のスーツも、10万のスーツも、今までは一緒に仕上げてきた。
同じように手間隙かけて一生懸命仕上げてきたんだが、お客様にその差を分かっていただけない。
手を抜いて仕上げても、気づかれないくらいの些細な差であるのなら、コスト削減の意味も含めて、抜くところは抜いたほうがいいんじゃないか、と言うのです。

聞くと、そこの親父さんは物凄く丁寧な仕事をされていたようで、聞くだけでいい仕事しているんだなあと分かるんですよね。
でも、息子さんとは意見が違うらしいんです。

確かに商売ですから、コスト削減というのは大事。
削減した分、お客様へ還元できればいいんですからね。

でも、そう思いはすれども、どこか釈然としない自分もいるんですよ。


何でだろうか?とよくよく考えてみると、お客さんはやっぱり分かっていると思うんですよね。
プロが思うような感じ方はしていないかもしれませんが、その微妙な差も、その人なりに感じ取っているんです。
だから、ご利用くださるんですね。
もし、本当に分からなくて、どうでもいいのなら、もっと安いところや近い所へいくでしょうし。

そしてもうひとつ釈然としない理由。


お客様が分かっていなかったら手を抜く事は許されるのか?と言うことなんですよね。

お客様がクリーニングをご利用する理由、いろいろあると思います。
自分では洗えないから、面倒くさいから、クリーニング屋さんの方がきれいになるから、などなどさまざまな理由があると思うんですね。
で、ご依頼されるときに、お客様が全部分かっていてこちらに依頼するなんて事はまずないんですよ。

プロに任せるから、判断して洗い、仕上げて欲しい。


これが最大の目的だと思うんです。
すると、お客様が分かっていないのはなんら不思議な話ではなく、こちらが判断して必要な仕上げをしてあげるべきなんじゃないのかな、と思うんです。

これね、クリーニング屋さん独特の事情もあると思うんです。
クリーニングって委託業なんですね。
つまり、人様のものをお預かりして、きれいにして返しているんですよ。
お客様に品物の権利があるので、こちらが何かやろうとするとき、確認の作業が必要になったりします。


自分の意思でどうにかしづらいという背景もあるとは思うんです。


でも、でも、でもね、これを他の業種で考えてみるとすぐ分かるんですよ。
料理屋さんへ行って、期待することは素人じゃ作れないような味でしょ?
細かいことは分からなくても、プロの料理人にお任せし、おいしいものを作って食べさせてもらえればいいんですから、作り方などの細かい話を知らなければいけないなんて事はない。


もし、料理人の方が、食べても分からないから・・・・と手を抜いたと言う話を聞いてしまったら、例え本当に味がわからなくてもいい気はしませんよね。


何で僕がこの話にこだわるのかと言うとですね、みんながみんな、手を抜き出すと、クリーニング屋さんにはいい仕事をするところがなくなってしまうんですよ。
みんな、手を抜いた仕事をし始める。


目先の売り上げを見ればそれでもいいのかもしれません。
経営で見れば、もっとはっきりと売り上げに貢献できるような仕事に切り替えると言うのも正しい選択かもしれない。


でも、このような考え方が、クリーニング業にはびこって行った先には、本当のクリーニング不振、クリーニングを利用しない未来しか待っていないと思うんです。


そういう意味でも、今が瀬戸際、なんですよ。


親父たちのしっかりした仕事をやっている世代から、きちんと仕事を受け継げるのは僕たちしかいません。
今あるクリーニング屋さんの半分くらいはがんばって技術を守って欲しいなあと思うんですね。

もし、お客様が仕上げに気づいていないのなら、教えてあげましょうよ。


ここをこう仕上げているから着易いんだよって。


2万円のスーツだからって、手を抜いていいわけありません。
10万円のスーツだから手仕上げじゃないといけないと言うわけじゃありません。


僕たちの仕上げは、見栄えを良くし、着易くするためにしているもののはず。
なら、品物の値段とそれとは関係ないはずですよね。

僕たちがここを一所懸命守らなければ、誰が守るんですか!
クリーニングの技術はもっとすごいんだと、胸張っていえるように、がんばって行きましょうよ。


きっとお客さんも喜んでくれると思いますよ。


一伸ドライクリーニング店 
カシミヤ・アンゴラ専門店 カシミヤクリーニング.COM
東京都府中市住吉町2-17-13
工藤隆史
TEL 042-362-6470
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