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アナフィラキシーショック。

ここ半月ほど、実はばたばたしていました。
ご来店くださるお客様の中には、お気付きになった方もいらっしゃいまして、また、ある程度の事情を知っている方もいらっしゃるようです。


たくさんの方にご心配をしていただきまして、ありがとうございました。


ここに、書こうかどうしようか迷ったんですが、一つの事例として、書こうと思います。
何かのときに参考にでもなれば・・・。

うちの嫁さん、昔、網膜剥離の手術をしているんです。

別に私がどついたとか、そういう事ではなく((笑)、あ、ここ笑うところですからね、本気にされると困ります。(爆))、アトピー性皮膚炎による網膜剥離なんです。
アトピーがひどくなるとやるらしいですよ。
で、15年ほど前に、両目、網膜剥離の手術をしていたんです。


目に、網を張って網膜が剥離をするのを抑えるんですが、時間が経過すると、この網が悪さをすることがあります。
嫁さんの場合、右目の方が若干腫れてしまっていたんです。


今年、暑かったじゃないですか。
もともとアトピーで汗に弱いところで、あの暑さ、体力は奪われ、ひどくなっていたんでしょう、腫れと痛みが出ていたらしいんです。
で、病院へ行ったところ、手術をすることになりました。


手術自体は簡単なもので、普通のものなら一時間もかからず、部分麻酔で済み、日帰りできるようなものなんです。
が、今回は、痛みも出ているというので、全身麻酔で、一週間ほどの入院が必要との事でした。


病院のベッドが空かず、約二週間ほど待たされたんですね。
病院からは、痛み止めが処方されていまして、ずっと飲んでいたんです。

そして、ようやく、ベッドが空き、手術をすることになりました。


手術には付き添いが必要です。
何かあったときに、誰もいないと病院側も困りますからね。
仕事を片付け、朝一で病院へ行きます。

説明によると、1時間ほどの手術との事。
午前中には終わり、そのまま配達へ出掛けられるかなあと思っていました。


いざ、手術が始まり、私は義理のお母さんと一緒に、デイルームへ。
いわゆる待合室のようなものですね。
そこで、じっと待っていたんですが、一時間たっても、終わったとの話が来ません。
手術といっても、すぐ出来るものじゃないし、麻酔もするし、ある程度の誤差はあるだろうなと思っていました。

ブログを書き、お母さんと話をし、気がついたら2時間を越えている。
おかしいなあと思っていると、看護婦さんがやってきまして、今手術が終わりました、との事。
ほっとしたのも束の間、看護婦さんから出た言葉は意外なものでした。

先生から家族の方にお話があるので、手術室の方へいらしてください。


すごい嫌な展開です。
簡単な手術で、何で家族が呼ばれて説明を受けなければいけないんだろう?

色々なことが頭をよぎりますよね。

失敗したんだろうか?

何かいけないものが見つかったんだろうか?


普通に終われば説明をするものなんだろうか?


隣でお母さんは少し動転しているみたい。
こちらが動転してしまうわけには行きませんから、平静を装います。


手術室までの道のり、長くて空気が重たかったなあ。

手術室につき、テーブルといすが置いてある部屋に通され、少し待つと先生が二人登場しました。
そして、こう切り出したんです。


手術を始めて、麻酔をし、抗生剤を入れ始めて、ショック状態になりまして・・・・・。

待っている間、心臓がバクバクしていましたが、先生の言葉を聴きながら心音が大きくなるのが分かるんですね。
また、なぜか先生の言葉がゆっくりに聞こえるんだ。
そして、こう続けるんです。


血圧が下がり危険な状態になりました。


バクバクいっていた心臓が、今度はゆっくりと、ドクンと波打つんですね。
こっちがショック状態です。

その後、先生からリスク説明がされまして、アナフィラキシーショックなので、6時間から8時間後にもう一度ショック状態が起こる可能性があるとの事。
集中治療室で、看護婦二名が常時ついた状態で、看護に当たらせていただく、との説明を受けました。


アナフィラキシーショック・・・・・、一番有名なのはスズメバチでしょうか。
スズメバチに一度目は刺されても平気だけど、二度目に刺されると危ない、という奴。
あれと同じようなことが起こってしまったんですね。
薬によるものなんですが、どうやら先生の話だと、痛み止めに飲んでいた薬が合わなくて、麻酔の際に同系統の抗生剤を投与したら、ショック症状を起こした、ということらしいんです。

先生も、なんとなく動揺しているように見えますから、こちらも、それが移るんですよね。


そして、先生の説明には、リスク説明しかないので、今の状態をとりあえず聞いてみると、現在は安定しているとの事。
話せますか?と聞くと、麻酔がもうすぐ覚めますので、それからなら大丈夫といわれます。


私も、衣類のお医者さんという例えを使うクリーニング屋のはしくれですから、なんとなく説明の意図が分かるんですね。
本当に深刻な状況なのか、一番最悪な状況をとりあえず伝えているのか。
どうも後者っぽいので、ひとまず自分だけ安心をしました。

その後、一旦デイルームで待たされるんですが、そこに連れて行ってくれた看護婦さんと少し話をしたんです。
その看護婦さんは、うちがどういう状態かは知らないんですが、仕事で長年経験しているから、なんとなくどういう状況か分かるようなんですね。

先生のあわてぶり、回りの看護婦さんの指示、家族が呼ばれた意味、などなど感じることがあるはず。
で、聞いてみたんですが、なんとなく大丈夫そうな感じ。
一瞬、怪しい瞬間もありましたが、看護婦さんのこの言葉で、少しだけ光明が見えたんです。


本当に危なかったら、手術室から出しませんから。
集中治療室へ移るということは、現在は安定している、大丈夫だという証拠です。


なるほど、現場のプロの意見は心強いですね。


その後、集中治療室にて、嫁さんと会いまして、無事に会話も出来、いたって普通なのにほっとした次第です。

ただ、問題はその後にも待っていました。

手術の結果をお店に説明しないわけには行きません。
お店で母も心配していますからね。
で、電話をして説明をすると、なんと母も動転したらしく、動揺しているのがこちらに伝わってくるんです。
そして、なんと、それが子供たちに伝わってしまったんですよ。

都民の日で幼稚園組みがお休みだったのもあるんですが、母が電話をしている横で、子供がいたらしいんです。
そして、私との会話を聞いていて、母に質問したらしいんですね。
そしたら、動揺していた母が、お母さんが危なかったみたいだ、といった途端、二階へ走っていき、お母さんが死んじゃう!!と他の子供に伝えに走ったんだそうで。


・・・・・・、一番悪いパターンの連鎖です。


結局、その日は二度目のショック症状は起きず、事なきを得たんですが、子供たちは終始不安定でしたね。


手術事態は問題なく成功していたので、ショック症状さえ出なければ問題は無く、先日無事退院することが出来ました。

と、こんな大騒ぎになっていたので、どこかおかしかったりして皆さんにご心配をおかけしてしまったようです。
本当にありがとうございました。


これをお読みになった皆さんの周りにアレルギーもちの方はいらっしゃいますかね?
もし、そういう方がいらっしゃったら、ぜひ十分気をつけてあげてください。
うちの嫁さんも、同じ病院で手術をしているんです。
でも、10年以上前になるとカルテがなくなってしまうし、手術や薬も当然変わってきます。
簡単な手術で、自分に合わない薬を知っているからと思っていると、何が起こるかわかりませんから。


世の中、絶対は無いんですよね。


どんなに簡単なものでも、安全だと思っていても、万が一はありえるってことを今回強く思いました。
用心に越したことはありませんね。

そして、そして、そばに人がいてくれるって言うことのありがたさも今回感じました。
母が電話をしていて動揺していたとき、いつもいらっしゃるなじみのお客様がいらしたそうです。
そして、動揺した母に、何があったの?と聞いてくれ、大丈夫大丈夫と、励ましてくださったそうです。


前回の父が倒れたときも思いましたが、動揺していないようで、家族は動揺しているものなんですよね。
することが頓珍漢なんです。
昔、お葬式などで親戚がすぐ集まっていてとても不思議に思いましたけど、家族以外の人が集まるってとても大事なんだなあと思いました。


自分も今回おかしかったですからね。
嫁さんの状態を聞いて、まず最初に思ったことが、配達行かなきゃ、でしたから。
その後、ワイシャツ仕上げなきゃ、子供を柔道に送らなきゃ、から始まり、うちの子供たち、お母さんがいない子になっちゃうのかな?とか、これからアンケート書くときに、既婚(死別)という所に○しなくちゃいけないのかな、とかいう訳の分からないことを考えたりするんですよ。


普通に見えて普通じゃないんですね。


すぐ駆けつける、これ本当に大事ですから、何かのときには駆けつけてあげてくださいね。

何かの参考にでもなれば幸いです。
ご心配してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

一伸ドライクリーニング店 
カシミヤ・アンゴラ専門店 カシミヤクリーニング.COM
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工藤隆史
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