資格を持つ意味。
クリーニング屋さんには、クリーニング師という国家資格があります。
ただ、作業をする人全員が取得する必要があるかというと、そういうものではなく、工場に一人いれば良いんです。
ここがミソなんですね。
ですから、大きな工場で大人数で仕事をしていても、資格者は一人で十分ということになるんです。
毎日やっている作業ですから、資格を持っていなくても、毎日毎日仕事をすることで、だんだんと手に職が付き、良い仕事が出来るようになります。
中にはセンスの良い人もいますから、職人さんと遜色のない仕事をする人も出てくるんですよ。
毎日仕事をするってすごいなあと改めて思いますね。
しかし、ここであえて資格の意味を考えてみたいと思うんです。
資格って何なんでしょうか?
クリーニング師で言えば、クリーニングに必要な知識を持っている証明になります。
薬品の知識、繊維の知識、公衆衛生、法律などなど、クリーニングってただ洗うだけ、仕上げるだけじゃないんですね。
洗いや仕上げの中に、細かい知識が存在しています。
確かに毎日仕事をしてれば、それなりにこなれてくるのは事実。
でも、そこに資格が加わったらどうなるでしょうか?
僕はねえ、物凄く良い仕事をすると思うんですよ。
というのも、仕事をすることに、プラス知識が加わったら、当然仕事の内容が変わってくる。
同じ作業でも、仕事の意味を考えるようになりますから、当然結果も違ってくるんです。
ですから、一工場に一人いれば十分な資格ですが、持っていても良いだろうなあと思うんです。
そして、それは消費者の利益につながると思うんですよ。
昔ね、物凄く良い機械があったんです。
私がこの業界に入って3年目くらいだったかなあ。
機械仕上げなのに、まるで職人が仕上げたような仕上げで、スーツの上着なんか、着ているのに着ていないくらい軽く感じるほど、立体的に仕上げることが出来るんです。
でね、この機械を、パートさんにやらせるというんですよ。
機械だから、誰でも出来ると。
そこで僕、思いっきり反論しましてね。
何にも知らない若造が、クリーニング業界のメーカーさんや社長たちを相手取って、熱弁を振るっていたんです。(笑)
それは、おかしいと。
ここまで良い機械なんだから、職人が使えばさらに仕上げがよくなるはずだ、といったんですよ。
それは、形だけのプレスではなく、本当に伸ばすところ、押さえる所を熟知している人が使えば、この機械の性能がフルに発揮できるはずだと思ったんです。
実際、実演している人は、メーカーさんの職人さんで、熟練の方ですからね。
でも、あの時は誰も聞いてくれませんでした。
まだ、クリーニング業界も世の中も景気がよく、良い仕事というよりは簡素化していくほうに力を注いでいましたからね。
もったいないな。
資格って、とかく現場にはあっていないとか、それだけでは使えないとか言われがちですが、私はそうは思わないんですよね。
やはり基本的なことは抑えてあって、基本だから大事なんです。
それ以上の応用は今度は自分で学ぶべきことであって、資格に依存するのはおかしいと思うんですよ。
今、大手さんでも、クリーニング師の資格を従業員の方に取らせているところがあります。
大手さんの実力もどんどん上がってくるかもしれませんね。
個人店も、うかうかしてられないな。(笑)
これが切磋琢磨、という奴かもしれません。
お互いがんばって、クリーニング業界を盛り上げていけたら良いなあと思います。
一伸ドライクリーニング店
カシミヤ・アンゴラ専門店 カシミヤクリーニング.COM
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工藤隆史
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