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手仕上げと機械仕上げ。

さて、昨日の続きです。
機械仕上げというと、あまりイメージがよろしくないようなんですが、本当なのでしょうか。

クリーニングの展示会へ行ってみると、さまざまな仕上げ機が出ています。
ただ展示しているだけではなく、当然実演もしているわけです。

そこで見る品質は、必要十分なレベルなんですね。

多分、消費者の方が見れば、驚くほどきれいに仕上がっていると思います。
技術の進歩を実感していただけると思いますよ。

でも、手仕上げに勝てるのか?というと、最高の手仕上げにはさすがに機械仕上げは勝てないでしょう。

・・・・・・、わたし、ちょっと引っかかる表現をしましたね。
最高の手仕上げには勝てない。
では、最高でなければどうなのか?

手仕上げもピンきり、手で仕上げたからといって、すべてがいいとは限らないんです。
ここが技術の難しいところですね。

手仕上げ・・・・・、主にハンドアイロンを使うのですが、このハンドアイロンはとても使い方が難しい。
どこが難しいかというと、蒸気の使い方なんですね。

かける順番や細かさなどは、手順ですから、ある程度やれば誰でも出来る。
でも、手順が一緒だからと、品質がいいか?というとそういうものではないんですよね。
蒸気が残ってしまい、生地にしわが戻ることだって十分あります。

そうならないように、手仕上げは十分技術を磨かなければならない。
でも、現代において、きちんとした手仕上げが出来る環境ではないというのが本音なんです。
僕の知っているところで手仕上げでしっかりと仕上げて、一着一万円というところがあります。
そこまで要求するお客様がどこまでいらっしゃるのか?そういう問題もあります。
また、あまりにも一着にかける時間が長すぎてほかの仕事ができないという問題もあります。

手仕上げだって本当はピンきりなんですよ。


で、片や機械仕上げ。
かなりのレベルまで来ている機械仕上げですが、実際にお客様が感じている品質はあまりよくありません。
それはなぜなのか?


機械が古い?

使っている人間の技術不足?


いえいえ、原因はもっと別のところにあるんですよ。
それは、パットなどの消耗品のメンテナンスがきちんと出来てないところがあるんです。

クリーニングの機械において、パットはとっても重要です。
ボタンを割れないようにしたり、変なしわが出来ないようにしたりと、パットの沈み方で見事調整してきれいな仕上がりを見せてくれます。


ところがこのパットも、何回も高温、高圧でプレスされていると、消耗するわけです。
メーカーさんもそこは分かっているので、何枚プレスしたら交換してくださいと、アナウンスをしている。
でも、していないケースがあるんですね。


消耗品を交換しないと、衝撃を吸収しなくなるので、しわが出来たり、ボタンが割れやすくなります。
Yシャツのボタンが全部割れてきた・・・・、なんていう人は、機械仕上げというよりも、機械に使われているパットが悪いからそうなっているのかもしれません。

要は、機械もしっかりとメンテナンスをしなければいけない、という事なんですよね。


じゃあ、メンテナンスに手を抜いている、クリーニング屋さんが悪いんじゃん!と思いますよね。
確かにクリーニング屋さんも悪い。
でも、交換に躊躇するほど、クリーニング代が安いという事も関係しているんですよ。


以前、書いた事があるかもしれませんが、クリーニングって、結構コストがかかっています。
一番は人件費ですが、それ以外にも、洗剤や溶剤、機械代や資材などこまごまとコストがかかっているんですね。
とうせん、メンテナンス用品にもコストはかかるわけですが、ここにまわせないほどかなり厳しい状況になっています。

パットってかなり高いんです。
メーカーが推奨している枚数で交換すると、Yシャツなどは10%くらい値上げが必要じゃないかな。
でも、実際は値上げなど出来ませんよね。


結果、じりじりと交換が伸びていってしまう・・・。

メーカー推奨の枚数より多くプレスしたからといって、すぐボタンが割れるなどという事はもちろんありません。
なんていうかなあ・・・・・、賞味期限のようなもので、このうちに交換をすれば品質を保障する、といった感じでしょうかね。
些細な差ですから、人の手によって、リカバリーできちゃうから、先延ばしになってしまうんだと思います。


適切なメンテナンスをしていたら。

機械仕上げのイメージはどう変わるんでしょうかね。
今よりも多少値段は上がるかもしれませんが、安定した品質で、手仕上げよりも手の届きやすい価格でクリーニングをお届けできるようになるかもしれません。

ここでも考えるのはやはり適正価格です。

今、この適正価格というものは、お客様が出しやすい価格になってきています。
品質に対するコストから見た適正価格ではないんですね。

買いやすい、けど、実は品質がいまいち。
ちょっとお高い、でも、品質はしっかりとしている。

どっちがいいんでしょうかね。

無駄なコストは省き、必要なものにはしっかりかける、それが出来るような世の中になって欲しいな。
いいものを安心して提供できるようにしなければいけませんね。


一伸ドライクリーニング店 
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