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新品???

先日夜、クリーニング屋さんの先輩数人とスカイプで会議をしていたときのこと。
毎週やっているのですが、そこでは勉強になる話、これからの話し、とても刺激になる話しが沢山出てくるんです。

先輩の一人が経験した話しが今回出てきたんですね。


あるお客様から、コートをお預かりしたそうなんです。
裏地にポリウレタンが使われていました。
ポリウレタン、ここでも何回も書かせていただきましたが、素材の中で特殊なもの。

製造してから3年ほどでボロボロになってしまう、と言う珍しい素材なんですよ。

ですから、私たちクリーニング業者はポリウレタンと聞くと、扱いに用心をするんです。
今回預かった品物、新品だったらしいんですね。
真新しいものがおかしくなると言うのであれば、それはクリーニングのせいではなく、商品自体に問題がある事になります。
お客様のご要望はお急ぎで週末まで欲しいとの事。
とりあえず洗ったらしいんですよね・・・・・。

すると、洗いあがった商品の裏地がボロボロに剥がれてしまったんだそうです。
先輩もびっくり。
でも、自分のした仕事、商品の状態などを考慮して、商品の表示間違いだと判断、メーカーへ問い合わせをしようとしたらしいんですね。

ところが、インターネットで調べてみても該当するメーカーがない。
見つからないんだそうです。

ふと、不安が頭をよぎります。
粗悪品を売って逃げたんじゃないだろうか、と。

信じれらないような話ですが、アパレルさんの中には、はやり物をそのシーズンだけ売って、会社をたたんでしまうところがあるんです。
商品に問題があってもすでに会社がないので問い合わせをする事が出来ず、クリーニング屋さんが泣く泣く弁償をする事ってあるんですよね。

今回もそれに当たってしまったか?と思ったようです。
でも、それよりもまずはお客様への報告が先。
お急ぎで受けたのできっとご利用されるのでしょうから、起こった事態を説明しなければなりません。


ところが、お客様もお忙しかったらしく、連絡がつかなかったそうなんです。
結局、お客様とお約束していた日になってしまいました。

お客さまがご来店をし、商品の状態を説明すると、それはしょうがない、との事。
状況をご理解いただけたようです。
でも、同時にびっくりするような話しが聞けたんですね。

それは、なんとこの商品、新品に見えたのに10年以上前の商品だった、というんですよ。


僕らクリーニング屋さんは、商品の状態を見れば、着用していたか新品かもちろん区別がつきます。
しかも先輩は、クリーニング屋さんの中でも最上位の資格を持っている方。
見間違えるなんてありえません。
では、なぜ間違ってしまったのか?
そこにも、理由がありました。


このお客様、10年以上前にこの商品を買われたんですが、そのままたんすに仕舞って置いたらしいんです。
そして月日は流れ・・・・・、今年になって着ようと思って、クリーニングに持ってこられた、との事。
それで見た目は新品、でも作られてから10年以上経過していると言う不思議な商品が出来上がったのでした。


結局、今回の裏地がボロボロになった件はポリウレタンの劣化が原因です。
商品に問題があった、と言うケースではなかったんですね。


今回の話し、クリーニング屋さんにとってはショッキングな話なんですよ。
と言うのも、着用していた跡があれば、古いものか新しいものか見分けがつくんですが、今回のように着ないで保管をしていて時間が経ってから洗うとなると、商品自体を疑ってかからないと事故が頻発する恐れがあります。
時間の経過で劣化する商品がありながら、洋服には製造年月日は書いてないんですよね・・・。
いつ作られたのか、わからないので、対処のしようがない、という現実があります。

また、これもびっくりするような話ですが、服って同じ時期に作られていると思うでしょ?
違うんですよ、パーツごとに作られていたりするので、袖だけ昨年作ったとか、そういうケースもあるんです。
一部分だけ妙に劣化するのでおかしいと問い合わせると、そこの部分だけ前の年に作りました、なんていうケースがあります。

これだから、製造年月日は付けられないんでしょうね。


クリーニングでトラブルが起こった時、洗ったからこうなったんだ、と思ってしまいますが、そういうケースだけでない事をお客様にご理解いただきたいんです。
僕らは闇雲に洗っているんではないんですね。
きちんと、研究し、経験を重ね、その中でベストな洗濯方法を選んで洗っています。
通常ならそれで事故が起こるはずがないんですよ。
その中で、事故が起こってしまうとき、それは何か原因があるんですね。


商品に問題のあるケースも有るし、着用や保管のときに原因が出来てしまった事も考えられます。
クリーニング屋さんが原因のときももちろんありますけどね。


クリーニングトラブルの原因は多岐にわたるんですね。
一概にクリーニングが悪いんだと決め付けるのではなく、一旦冷静になって、調べる事も必要なんです。

これは、その後もとても重要な話になります。
もし、商品に問題があって、アパレルさんが気付いていなかったら、同じような事故が起こる商品が世の中に出回ることになるんです。
原因が分かり、それをアパレルさんに伝えられたら、改善していい商品が出てくるようになります。
結果、お客様がいい商品を手に取ることが出来るようになるんですね。

お気に入りの服を作っているメーカーさんだからこそ、そういう情報はきちんと伝えてあげないといけないんですよね。


こういう話を聞くと、こちらの身も引き締まりますね。
さらに注意して仕事をするようにしなきゃ。


一伸ドライクリーニング店 
カシミヤ・アンゴラ専門店 カシミヤクリーニング.COM
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