昨日、あるお客様が一月半ぶりにご来店くださいました。
一月半という間は決して珍しい間隔ではないのですが、今回だけは特別なご来店だったんです。
さかのぼる事一月半前の話。
金曜の夜、このお客様がご来店くださいました。
そのとき、とても具合が悪そうで、なんだか熱っぽそう。
夜、子供が通っている柔道へ迎えに行こうと外に行ったときに私はお店であったんです。
ひと目で具合が悪そうだったので、大丈夫?と聞くと、どうも風邪をひいたっぽいとおっしゃいます。
午前中にお医者さんへいったら胃にくる風邪と診断されたとかで、お薬を飲んで少し落ち着いたので当店へいらっしゃったといっていました。
でも、少し様子が変なんですよね。
なんとなく頭が腫れているような感じ・・・。
高熱でも出しているのかな?とその時は思いました。
ご主人が木曜から出張で日曜まで一人だというので、何か合ったらすぐ連絡をください、駆けつけますから、と伝えて僕は子供を迎えに出たんです。
一人のときに病状が重症化するということは結構あります。
当店のお客様でも、風邪をこじらせて肺炎になってしまった人が何人かいらっしゃるんです。
一人で動けない、誰に連絡していいかわからない、それが症状を進ませてしまう事があるので、うちでは何か合ったら遠慮なくいって下さいね、と声をかけるようにしています。
あけて土曜日。
仕事が忙しかったので、職人さんを頼んだんです。
私は、朝から配達へ。
二件目のお客様に配達をして、帰ってくると、私の携帯に着信履歴が残っています。
見ると、昨日具合が悪かったお客様。
二件も連続して入っているので、嫌な予感がしてすぐ折り返しかけたんです。
電話に出たお客様、びっくりするくらいぜーはーぜーはー息をしています。
そして、私にこういったんです。
助けて。
直感でまずい状況だと思い、それでもこちらがあわててしまっては不安に思いますから、冷静を装い、対策を考えます。
幸い、今日は職人さんが来てくれているので、お店には人が一人余っている。
私が帰るには距離があるので、お店へ電話をし、お客様のうちへ駆けつけてくれるように頼む事にしたんです。
すぐ、呼ぶからと、一度電話を切り、お店へ電話。
母と嫁さんに駆けつけてくれるように伝えます。
母はすぐお客様の所へ電話。
電話での話し方から状況が逼迫していると判断し、救急車を要請。
マンション住まいなのですが、どんな事をしてでもドアの鍵を開けなさい!と伝えたと聞いています。
最近のマンションはとても厄介ですよね。
オートロックですから、いざというときに駆けつけることが出来ません。
管理人さんが常駐してくれていればいいですが、所によってはいないところもある。
ちょっとした要塞です。
駆けつけてくれることになったその頃、僕の携帯にメールが届きました。
こわいよ。ごめんなさい。
このメールを見た瞬間、言い表しようのないドキドキ感が襲いまして。
まずい、なんとかしなきゃと思ったんです。
うちに人間が着くまで早くて5分、遅くても10分で着くはず。
このままただ待たせていて意識がなくなったら大変な事になる、と、すぐ折り返し電話。
うちに人間が着くまで話をしていました。
木曜から具合が悪く、吐いていたとの事。
土曜の朝も、頭が痛くて、立つとふらっとして倒れてしまうといっていました。
でも、倒れるけど体は普通だし、言葉も話せる。
お話を伺いながら、原因を色々と想像します。
中河原に住んでいるうちは大丈夫だから。
不安に思っている中、こんな事を私言ってましたかねえ。
これ、本当の話で、中河原は立地にとても恵まれているんです。
中河原駅を中心にして、車で15分から20分の所に大きな病院がゴロゴロあります。
それも、それぞれ専門で有名なところがあるので、どこが悪くなっても、ここにいる限り病院へいけるんです。
大丈夫だから、平気だから。
こんな声かけをしていたような気がしています。
すると、程なく玄関が開く音がして、お客さんがお母さんが来た!と。
どうやらうちに人が駆けつけたみたい。
とりあえずほっと一安心です。
後は、嫁さんたちに任せて、私は配達の続きへ。
メールで、経過を逐一教えてね、とよめさんに伝えておいたんです。
配達をして回るのですが、気が気ではありません。
いつもなら話しこんでくるんですが、この日ばかりは、すぐおいとましてしまいます。
で、携帯のメールチェック。
救急車も駆けつけて、これから多摩総合医療センターへ行くとの事。
容態はどうなの?というと、とりあえず検査してみないと原因は分からない、との事。
病院で何か分かったらメールをくれ、と伝えて、また配達へ。
午前中、最後のお客様が終わり、携帯を見ると、嫁さんから電話。
どうやら、脳梗塞だったようです。
とりあえずお店へ帰り、品物をおろした後、私も病院へ駆けつけようとすると、うちの母から、お客様のご両親がうちへ寄るから一緒に連れて行きなさい、との事。
しばらくうちで待っていたんです。
程なくご両親到着。
どういった経緯で病院へ行ったかご存知ではなかったので、一応当店の中で説明をしました。
一瞬で顔が真っ青になるのが分かるんですよ。
すぐさま車に乗せ、一路、病院へ。
病院までは10分程度でしたが、とにかく時間がかかったような印象でしたねえ。
早くつきたかったんでしょう。
病院へ付くと、集中治療室へ通されます。
恐る恐る顔を出すと、お客様が寝ている。
でも、意識もしっかりしているし、見た目は普通。
この時点でほっと胸をなでおろしました。
色々とお話を伺うと、ご主人が出張へ出かけた直後から調子がおかしかったらしいんですね。
救急車をよぼうかどうか迷っていたんだけど、躊躇していたんだそうです。
で、私なら呼べるかな、と電話をくれたみたい。
もう少し横になってたら直るかな、とか、オートロックを開けたり、玄関の鍵を開けたり出来ないから救急車呼ぶのが大変、そんなのも呼ぶのに躊躇した原因らしいです。
救急車よりも呼びやすかったおっしゃってましたね。
本当によかった。
一命も取り留めて、梗塞自体も割りと軽めで。
周りはほっと一安心でした。
それから約ひと月、ちょこちょことお見舞いへ行き、様子を伺い、色々な話をしていたんですよ。
私がいって話をしている間は、普段の日常と変わりませんからね。
少しでも気がまぎれるのなら、と、仕事の合間を縫ってお見舞いに行っていたのでした。
そして、先週退院。
ひと月ちょっと入院していると、病気とは別に体力が劇的に落ちてしまうんですよ。
日常の生活に戻るのに少し時間がかかってしまいます。
お客様との約束で、無事退院したらブログに書きますね、といっていたのですが、退院だけでは書くことが出来ない。
うちへ着てくれなきゃ。
お客様がいつものように、うちへ着た頂いたときに、ブログに書こう、そう決めていたんです。
そして、昨日、お客様がご来店くださったんです。
お店に入って、、うちの母と対面した途端、二人とも号泣。
お客様も思う事があったでしょうし、うちの母もよく無事で戻ってきてくれた、よかったという思いがあったんでしょうね。
しばらく、うちのお店では泣いている人がちらほらいましたもの・・・・。
かく言う僕も、ね。
色々な人がご来店くださいましたが、思い出に残る、ご来店の一つとなりました。
無理せず、徐々に日常に戻していって、また元気にお店にいらしてくださいね。
こんな時代です、一人暮らしをしていたり、結婚はしていても夫婦二人だったりご近所に頼る人がいなかったり。
そういう人たちって結構いらっしゃると思います。
何もないときは普通に暮らしていますが、ひとたび何かが起こると、どうしても助けが必要なときってあります。
町の普通のクリーニング屋ですが、困っているときは、何かの役に立てるかもしれません。
ご家族が来る間、ご主人が来るまで、それくらいならいつでもお手伝いできると思います。
遠慮せずに、一声掛けてくださいね。
以前も書きましたが、調子がおかしいと思った時は、救急へ行くときは救急車が一番です。
タクシーで行ったり、自家用車で行かず、救急車を呼んでください。
我慢は一番良くないですからね。
本当によかった。
この言葉につきますね。
一伸ドライクリーニング店
カシミヤ・アンゴラ専門店 カシミヤクリーニング.COM
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工藤隆史
TEL 042-362-6470
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