同じ商品だけど?
さて、昨日の続きです。
襟が縮んだ可能性について、いくつか上げましたが、洗濯や乾燥行程に問題がありそう。
でも、実はそれ以外にも可能性がもう一つだけあるんです。
それは、商品がおかしい、と言う事。
これを言ったときにですね、お客様の言葉はこうだったんです。
これと同じ服を何着も買っていて、これだけおかしいなんてありえる?
はい、ありえます。
あくまでも可能性の話ですが、私たちクリーニング屋さんは、全ての可能性を否定しません。
だから、その商品だけ問題があるかもしれない、と言う事も視野に入れて考えるようにしているんです。
同じ商品だから、全部平気でしょ?と思いますよね。
でも、事故が起こるときというのは何が原因かわからないものなんですよ。
通常なら考えられないような事が起こるから、事故になるんですね。
だから、全ての可能性を否定してしまっては原因を見つけることが出来なくなってしまうんです。
前に、こんなことがありました。
ダッフルコートのボタンの所に合成皮革で出来た皮のような飾りがついていたんです。
ボタンの数だけあるので4つくらいあったでしょうか。
なんと、その中の一番上の飾りが洗ったら剥がれちゃったんだそうで。
クリーニング屋さんもびっくり。
すかさず、メーカーに電話をして、状況を説明すると、クリーニング屋さんが悪い、と言うらしいんですね。
洗っておかしくしたんだからクリーニング屋さんのせいだ、と言う事らしいのです。
でも、そのおかしくなっているのは、どういうことでおかしくなっているのかはクリーニング屋さんならすぐ分かるんですよ。
経時劣化といいましてね。
時間が経つとおかしくなる、そんな素材が実はあります。
みれば、それが原因だと言うのがわかる。
でも、おかしいのは、同じ素材で作られているのなら、上から下まで全部の飾りがおかしくならないといけないんです。
上だけおかしくなるなんて、絶対おかしい。
でも、これは同時にクリーニングでもありえない事を示唆してします。
クリーニングは部分的には洗いません。
だから、もし何か起こるとしたら、全部に出なければいけない。
染み抜きではなくクリーニングによって起こったというのなら、全部がおかしくならないと説明が出来なくなります。
ここで悩んだクリーニング屋さん。
ぱっとひらめいたらしいんですね。
この飾り、作った時期が違うでしょ?
説明しますね。
こういうような飾りは毎年デザインが変わるものではないので、大量に作ってストックしておくらしいんです。
で、それを一つ一つ縫い付けているんですが、多分、同じデザインだからと、前の年に作ったものと次の年に作ったものがごっちゃになったんでしょう。
作った時期が違うのだから、当然おかしくなる時期にも差が出ます。
一番上だけがおかしくなったのはそれだけ時間の経過が違うと言う事。
製造工場に問い合わせてもらったら、確かにそのような作り方をしていて、それが原因と判明したんです・・・・・。
と、このように、同じだからと言って、本当に同じかというとそうでない可能性もあります。
時にはメーカーさんに問い合わせて、調べてもらうとはっきりする事もあったりするんですよ。
何度もここで書いていますが、クリーニングをして、残念なことにおかしくなってしまう商品は確かにあります。
でも、それには理由があるんです。
クリーニングに問題があるケース。
衣類に問題があるケース。
消費者の着方、保管の仕方に問題があるケース。
様々です。
これら、全ての要素を考えつつ、原因を探っていくのが正しいクリーニングトラブルの原因解明の方法なんですね。
これにはお客様からの情報も重要になってきます。
ぜひ、ご協力をお願いします。
一伸ドライクリーニング店
カシミヤ・アンゴラ専門店 カシミヤクリーニング.COM
東京都府中市住吉町2-17-13
工藤隆史
TEL 042-362-6470
定休日 日曜日
営業時間
朝8:00~夜10:00
★宅配も随時受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
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