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クリーニング屋さんが使わない糊。

クリーニングの仕事では使うものが沢山あります。
洗剤が一番目立ちますが、実は糊もとても重要なんですね。


Yシャツに使うのりが一番わかりやすいかもしれませんが、ドライ品、背広やズボンやコートなどにも糊付けをしたりするんです。
Yシャツのように、硬くはならないようにしていますから、お客様にはわからないかもしれませんが、糊を使うことできれいにしわが取れてシルエットが美しく出るんです。


当店ではよそのクリーニング屋さんでは使っていない、特殊な糊があります。

社長が考えて、メーカーさんに発注をして作ってもらったんですが、これがとてもいい糊なんですね。
うちのお客様なら、その違いを体感している事と思います。
スーツも一味違うし、綿のコートなんて一瞬、新品???と疑うような仕上がりを見せることもあります。
開発段階を見てきましたが、よくこれを見つけたなあと言う感じ。
そして、これをよく糊に作り上げたなあとメーカーさんの努力に脱帽です。

うちの糊は、生地の風合いを残して張りを持たせることが出来るんです。


よく、糊付けするとぱりぱりになるとかあるじゃないですか、うちのはまったくそんなことないんですね。
ですから、お客様の中では糊付けをしてある事に気付かない人がいらっしゃるんです。
それ程、自然な感じに仕上がるんですよ。


所が、この糊、クリーニング屋さんにはなぜか受け入れられない。(笑)

知り合いのクリーニング屋さんに、いいから試して見れば?と渡してみるものの、反応がいまいちだったり。
なぜかクリーニング屋さんには使いたがらないんですよね。
これだけ仕上がりがいいのに、とても不思議。


そんな中、一人いるんですよ、この糊を使っている人が。
僕の友人なんですけどね、うちへ遊びに来たんです、で、せっかくうちに来て何もないまま帰すのはかわいそうだな、とうちの糊をサンプルで渡したんですね。
そうしたら、なんとこの糊を使いたいと言うんです。

この彼、すごく目がいいんでしょうね、自分で使ってみてその違いをすぐ見抜いたんでしょう。
話を聞いていると、この糊のいいところを鋭く突いている。


でも、そのいい所は反面、クリーニング屋さんにとってネックだったりするんです。


コストがかかる、手間がかかる。


素材にこだわって作っているので、どうしてもコストがかかっています。
また、霧吹きで吹き付けて使うものですから、どうしても仕上げに時間がかかってしまう。
この手間を嫌がるクリーニング屋さんは多いんです。
でも、彼はその手間を手間とも思わず、品質を取ったんです。

すごいなあと思っていたら、その理由がなんとなく見えてきました。


彼ね、実はクリーニング屋さんの二代目ではないんです。
元々は某ディーラーに勤めていて、以前は車を売っていたんですね。
そして、結婚してから奥さんの実家のクリーニング屋さんに入った、と言う割と珍しい経歴の持ち主。
クリーニング屋さんは二代目が多いんですが、その中で異業種から入ってきた彼は大変だったと思うんです。

なんだかんだいいまして、クリーニング屋さんの二代目って、クリーニングのサラブレッドなわけですよ。
子供の頃からクリーニングに慣れ親しんで、仕事としてやっていなくてもなんとなくクリーニングの事が分かっている。

門前の小僧習わぬ経を読む、ではありませんが、生活の一部になっているんでしょうね。


そんなサラブレッドたちとは違い、クリーニングの事なんて客として以外まったく知らないんですから、その苦労たるや物凄かったと思うんですね。
実際、彼と初めて会って話をしていたときに、物凄く勉強をしているなあと思ったんです。
そして、勉強をしたがっているなあと言うのも感じました。
それだけ前向きだったんですね。

前向きだったから、糊のよさに気がついたのかもしれません。
でも、多分それだけではない気がするんですよね。


クリーニングに慣れ親しんでないから、フラットな目で見れたのかもしれない、そんな気もするんです。


クリーニング屋さん、割と新しいものを嫌います。(笑)
今まで使っていたもので、いいじゃないか、よくそういうこと言いますしね。
新しいものを受け入れるにはそれなりの度胸が必要なんです。


ところが、そんなしがらみもまったくない彼ですから、とりあえずテストしてみて、良かったから使ってみる、多分そんなシンプルな事だったのかもしれません。
でも、それが大事だと思うんですよね。


彼の研究熱心なところが呼び込んだのかもしれませんね。

僕らが使う材料にはそれなりに目的があります。


生産性をよくするために使うもの、品質アップのために使うもの。
特に個人で営業されているクリーニング屋さんは、品質の高さを売りにしている所が多いんです。
で、それなら、品質に繋がるものには貪欲でなければいけない、そう思うんですね。

勉強もそう、資材もそう、いいものなら何でも受け入れるくらいの度胸がないと常に変化していっている洋服についていけなくなると思うんです。


変わるって怖いですけどね。
でも、必要なら変わらなきゃ。


ちょうど先日、その彼から糊の注文が入りまして、発送の準備をしながらこんな事を考えていました。


いい所は見習わないと。


うちも負けていられません。
どんどんいいものを吸収していきますよ。
ご期待くださいね。

一伸ドライクリーニング店 
カシミヤ・アンゴラ専門店 カシミヤクリーニング.COM
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工藤隆史
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