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ドライクリーニングが出来ない理由はなーんだ?

毎週、友達・・・と言うか先輩方と一緒にスカイプで会議をしています。
話題豊富な方々なので、仕事の話から、人生の話し、世の中の話など話題は多方面へ。
最近は、中々同業者と会わなくなって来ているので貴重な場となっています。(笑)

そんな中、昨日の話題は、ある衣類の話。
実際にクリーニングに出た商品で、ドライクリーニングできないと言う表示があるんです。
で、その理由はなぜか?と言う問題が。

写真を三枚送ってもらいましてね、衣類の全体写真が一枚、洗濯絵表示の写真が一枚、素材表示の写真が一枚ありました。


日本の製品ではなく、表示は全て外国語。
英語だけでなく、他の国の言葉も使われています。
その割りになぜか、洗濯表示は日本のものとISOのものと二つ明記。
ここはちょっと不思議でしたね。

素材はレーヨン95%にエラステン5%。
洗濯表示はドライクリーニングは出来ないとなっているんです。

では考えていきましょう。

一枚目の全体写真を見ると、紺色の生地に、なにやらプリントが施されています。
ドライクリーニングが出来ない理由のひとつはこれだと思いました。
プリントはドライクリーニングによって、接着が剥がれる事があるんです。
洗えるものもありますが、基本プリントがある時点で避けたいなあと言うのは理解できるんです。

さらによく見てみると、プリントのほかに、ラインストーンが前面にちりばめられています。
お話をうかがうと、接着ではなく、縫い付けられているとか。
これも接着なら、やはり接着部分の剥離が考えられるので、ドライクリーニングは出来ません。
でも、今回は、縫い付けられている・・・・・でも、出来ないときもあるんですね。
ラインストーンも作りによってはドライクリーニング時にダメージをう事があります。
ひびが入るケースもあるので、表示から察するにその可能性は否定できないかな、と。


もうドライクリーニングできない理由はないかな?と探しているともう一つありました。
この生地にはレーヨンのほかにエラステンが使われています。
エラステン・・・・・・、日本では別名ポリウレタン。
ポリウレタンって、染色が弱いんですよ。
ドライクリーニングで洗うと色が出るのかな?と思ってお話をうかがうと、ビンゴ!見事にドライクリーニングをしようとすると、色が出てくるんだそうです。

ドライクリーニングが出来ない理由がここに見事そろいました。
みんなで話をしていて、原因が分かったのはうれしいんですが、反面、こんな商品をお客様に売っていていいのだろうか?と言う話にも。

と言うのもね、何で今回ドライクリーニングできないと言う事にここまで頭をめぐらせていたか?と言うと、この服は本来水洗いには適していないと思うんですよね。
レーヨンがほとんどですから、水で洗うと変化が起きてしまいます。
見た目変わりがない・・・・・と思うくらいの微小な変化でも、ヨレヨレになってしまったり、若干肌触りが固くなってしまったり、水で洗ったがために起こる変化が起き易い素材なんです。
そういった変化をなるべく起こさないように洗うために、本来ならドライクリーニングをしなければいけない。
なのに、出来ない、となると、結果的に長持ちしない服となってしまいます。


買ってクリーニングした後に気付くお客様も不幸ですし、もし最初から洗えないと知っていたなら、買ったかどうか。
アパレルさんも騙しているつもりはないんでしょうが、こうした情報はお客様へ開示していかなければいけないんじゃないのかな、と思うんですね。

また、こういった商品を作らないと言うのも、考えていかなければいけないと思うんです。

衣類は着たら洗うのが当たり前。
洗えるように作ることはとても大事なことなんですが、洗えるよ、変化するけど、と言うスタンスは本当はおかしいんですよ。
いつ頃からか、日本本来の商品に対しての作りこみが段々と甘くなって来ているように感じます。
昔なら、細部まで神経を使い、着用後の事まで考えて作られたり売られていたのに、最近は本当にそういうのが減りましたからね。
ともすれば、気になったのでアパレルさんへ問い合わせてみると、法律的に問題ないですよね?なんて開き直る始末。


僕らは出来なければ最後はお断りをするしかないのですが、商品を買って洗えなくて困るのはお客様です。
作っている側の責任と言うものがあると思うんですけどね。


そして、実はお客様と言うよりは僕らに大きな問題が起こる商品でもあるんです。

さきほど、色が出やすいと書きましたが、ドライクリーニングをすると見事に生地から色が出てきます。
すると、どうなるか?と言うと、ドライクリーニングの液体が汚れるんですよ。
で、そのまま洗ってしまうと他の品物に影響が出かねないので、液体をろ過しなければならないんです。

ともすれば、この作業で軽く1万2万は飛んでしまうんですよ。
ろ過装置の処理能力にも限界がありますから、他の汚れを吸着できなくなると困ります。
すると、色が出た液体をろ過したために大きなカートリッジフィルターを交換しなければならないこともあるんですね。


僕らとしては非常に厄介。


気付いて水洗いに回せばいいですが、今回の様にプリントとかラインストーンとかにしか気付かないとドライクリーニングをしてしまう可能性はありますから。
ましてや水洗いに回すとなると、変化をする可能性をお客様に了解を取らねばいけません。
クリーニング屋さんも色々歯がゆい結果となってしまいます・・・・・。

ポリウレタンの繊維に関しては、製造後の劣化の注意喚起を何年もクリーニング屋さんがやって来ました。
そのおかげか、皆さんに認知されるようになりまして、一定のご理解を得られるようになったと思います。
しかし、こうして同じポリウレタンでも別の問題がある事を、お客様へご理解いただかなければいけないなと思います。


ポリウレタンでも問題のない商品もあります。
でも、その中でこうして問題のある商品もあるので、ご理解をしていただきたいんです。
私たちクリーニング屋さんも、様々なものを想定して、何も問題が無い様に洗浄方法を選んでいます。
しかし、時に、思いも寄らない事故が起こるのもまた事実。
クリーニング屋さんに問題があるのか、商品に問題があるのか、非常にわかりにくい状況になってしまっているんですね。

できれば、この手の商品は避けていただきたい、そういう思いはあります。

お客様も、私たちクリーニング屋さんもどちらも不幸な話です。
可能性として、洗えないかもしれない衣類は最初から買わない。
そうすることで、アパレルさんも次にいい商品を提供してくれると思うんですけどね。

また、クリーニング屋さんのほうから、注意喚起をしたほうがいいのかもしれないな。


クリーニング屋さんの中には、アパレルさんの資格を持っている方々も沢山いて、この情報は知っているはずなんですけどね。
もっともっと、その資格を生かすように、クリーニング屋さんへ、消費者の皆さんへ情報の開示や注意喚起をしていってもらいたいなと思います。


その為の資格ですからね。
いつ使うの?いまでしょ!!!!


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