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手洗い信仰。

クリーニング屋さんの仲間と、リレーブログを書いています。
今日は僕の当番だったんですけどね、書いていて、もしかして?と思うことがありました。


クリーニングは傷む、と言う話を数年前から聞くようになりました。
そして、ここ一、二年くらい、自分で手洗いをしたほうがいい、と言うような話を聞くことも増えてきました。
また、集荷にお伺いした時に、大事なTシャツは自分で手洗いをしている、とおっしゃるお客様が増えてきました。

もしかして、手洗いが一番いい洗濯方法だと思い込んでいるんじゃ?


ふと、そんなことが頭をよぎったんですね。
機械でわしゃわしゃ洗うと服が傷む、と言うことから来ているんでしょうか。

・・・・・・、どうにもおかしい。
僕らクリーニング屋さんも、手洗いをしますが、たぶん皆さんがしているのと理由が全然違います。


手洗いをする理由、それは、普通に洗えない商品だからしているんです。


汚れを落とす、と言うことは実は結構大変です。
クリーニング屋さんでは、洗剤の力を借りたり、薬品の力を借りたり、電気の力を借りたり、物理的な力を借りたりしながら汚れを落としていきます。


この中で、一番効果的なのが、物理的な力なんですね。
たたく、揉む、この作用が汚れを落とすのにとても効果的なんですよ。
たとえば、薬品をつければいいというわけではなく、つけた後、優しく揉みだす作業をするときれいに落ちてくれたりします。
もし、薬品をつけただけだったら?シミにもよりますが、それだけでは落ちないんですよね。


この、揉みだす、と言う作用はとても重要なんです。


所が、素材によって、やってはいけないことがあったりします。
ウールの繊維が物凄く汚れてしまったとき。
汚れの種類が、水で洗うほうがよりきれいに落ちると判断したとき、僕らは水で洗うんです。
ところが、ウールと言うのは、水で洗えるんですが、ある特定の条件が揃うと縮んでしまう、特性を持っています。


水分と、温度と、揉む作用。


この三つを同時にやるとウールは縮んでしまうんです。
そこで、手洗いの登場。
本来なら、揉む作用を最大限利用して汚れを落としたいところなんですが、揉めませんから、桶に洗剤と水を張り、手で押し洗いをすることになります。


このように、できない理由があるから、手洗いをしているわけで、決して手洗いが最高の洗濯方法ではないわけです。

洗濯機で洗っても十分平気な衣類を、手洗いするとどうなるか?


汚れが残る可能性があります。
こすれによる色落ちは減りますが、その分汚れ落ちも悪くなり、返って色がくすむ原因に。
また、汚れが残っていると言う事は、今度は着用中のこすれに弱くなりますので、結果的に傷んでいく事になります。

羮に懲りて膾を吹く

僕は今の状況をこんな感じなのかなあと見ています。
どうも、日本お洗たく事情、クリーニング事情は、あまりよろしくない。
その最たる理由は、正しい事を知らないからだと思うんですね。


嫌な体験、失敗した経験から、過剰に防衛しているような印象を受けています。


服が傷むのにも理由があります。
どんな風に傷んでいるのか?どれを傷んだと言うのか?

まず、そこをきちんと把握し、ただしい対処をしていけば、いい結果が出ると思いますよ。
それに、闇雲に怖がらずに済みますしね。


今の人が闇雲に怖がっていると感じるのは、世代によってクリーニングの意識が違う所。

同じスーツを見て、60代から上は洗わないと傷むでしょう、といい、50代から下はあると傷むでしょう、といいます。

うちが50年営業をしていますが、この中の経験からしても、洗う回数を減らすと傷んでいくのは間違いありません。
いつから、どこからクリーニングすると傷む、と言う間違った情報が出回ったんでしょうかね。
クリーニングって本当はシンプルなんです。
義務教育を受けている私たちの世代には、普通に理解できる話しだと思うんですけど・・・。


手洗いも、洗濯機も、クリーニングも洗い方の違いです。
どれが一番とかどれがいいとかいうものではありません。
品物に合わせて、洗濯方法を選ぶことが大事なんですよ。

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