クリーニング屋さんが伝える事ってなんだろう?
暑い日が続きます。
今日はお店はお休みだったんですが、汗は相変わらずかきつづけるんですね。
うちは、エアコンを基本使わないんです。
お休みの今日も、どんなに暑くても、エアコンは使いません。
涼しいのに慣れてしまうと、仕事場に降りる事が出来なくなってしまうんです。
普段から暑い中で体を慣らすことで、暑い職場でも仕事が出来るようにしているんです。
今日、ぼーっと色々考えていました。
クリーニング屋さんがお客様に伝える事ってなんだろう?
今、全国のクリーニング屋さんが、各地で啓蒙活動をしています。
あるクリーニング屋さんが、店頭でしみ抜きの実宴会を。
またあるクリーニング屋さんが、近くのクリーニング屋さんと一緒に小学校へ出向き、洗濯の授業をやったり。
セミナーに呼ばれて講師をしているクリーニング屋さんもいます。
みんな、各々のやり方で、クリーニングの事を知ってもらおうと活動をしているんです。
クリーニングの事を知ってもらう、一体どんな事を知ってもらうのがいいのか?考えてみたんです。
家庭洗濯との違いを知ってもらう。
これをアピールポイントとして活動されている方がいらっしゃいますね。
クリーニング屋さんで洗うほうがキレイになるよ、とか、楽チンだよ、とか。
また家庭で洗うよりもキレイになる、しみ抜きで分かりやすく見せる、と言うクリーニング屋さんもいらっしゃいます。
両方とも分かりやすく、クリーニングの利用の促進につながっていくと思うんですが、半面不安に思うこともあるんですよね。
たとえば、しみ抜き。
僕らがやると、家庭で落とせないと皆さんが困っているものでも、キレイに、生地の風合いもかわらぅ、落とす事が出来ます。
はっきりとしたおうちクリーニングとの違いで、そこには圧倒的な結果の差があります。
一見、これだけでもクリーニング屋さんを利用したほうがいいように見えるんですが、もしかすると、お客様はしみが付いたときだけ、洗えばいいと思ってしまうんじゃないか、そんな風に考える事があるんですよね。
衣類の駆け込み寺、と宣伝を打っているクリーニング屋さんがあります。
そのスタンスはとても立派で、何人もの困っているお客様を救ってきたことと思うんですね
でも、駆け込み寺でいいのか?と言うと本来は、それではいけないんですよ。
大事になってからクリーニング屋さんへ任せることよりも、その前にこまめにクリーニングしてくれるほうが、はるかに安全でキレイになります。
全体的にキレイになるので、色も鮮やかになるんですよね。
染み抜きをアピールする事で、マメなクリーニングが減り困った時にしみ抜きだけ頼めばいいと思ってしまうんじゃ?なんて思ったりするんですよ。
また、おうちクリーニングよりもクリーニング屋さんのほうが圧倒的にきれいになる、と言うのも、比較をすることが出来ればわかりますが、比較できないと、案外おうちクリーニングでもキレイになっている、と普通に思ってしまうんですよね。
キレイにならない、と思っていないお客様に、クリーニングの圧倒的なキレイさを伝えても、いまいちピンとこないと思うんですよ。
それよりも何よりも、服はもつものではない、長持ちをしないから二年経ったら捨てて買いなおす、そういう人が結構いることが問題なんですよね。
こういう人には、いくらクリーニングをしましょう、と言っても、買い換えるつもりなんですから、そもそも必要がない。
キレイになろうが、ならなかろうが、一定の期間を過ぎれば捨てるつもりなんですから、メンテナンスはしなくなってしまいます。
そのいい例が、ユニクロを代表とする、ファストファッション。
どうせ流行は二年も続かないから、安いので十分。
そういうお客様がユニクロで服を買い、洗わないで捨ててしまう、と言うような状況を作り出しているという側面もあるんですね。
ぼーっと考えていると、なかなか考えがまとまりません。
あれもいいんだけど、こうなっちゃいそうだな、これもいいんだけど、こうなっちゃいそうだな。
そんな事をつらつら考えていると、なかなかクリーニングの決定打となるものがないということに気付いたんですね。
必要とされていなければ、いくらきれいになると言っても、長持ちをすると言っても、洗う必要はありません。
必要とされなければいけないんですよね。
では、どうすれば必要とされるのか?
僕らクリーニング屋さんが消費者に人に知ってもらうのは、きれいになるとか、シミが落ちるとか、そのもっと前の話だと思うんですよ。
僕らは消費者の方は当たり前に、きれいにしたいとおもっているし、汚れたら洗うもの、と思い込んでいる。
でも、それは当たり前ではないんですよね。
すでに20年前と今ではまったく消費者の考え方は違います。
まず、そこに気付いて対策を取らなければいけないと思うんですよ。
今と昔の大きな違い。
まず、服の着数が圧倒的に少ない。
皆さん日頃着ているスーツでさえも3着から5着ほどしか持っておらず、休ませる時間もなく毎日着ていきます。
また、季節で分けて着ているわけでもないので、一年中同じスーツを着ている。
この結果、汚れたままのスーツは傷んでいくし、長持ちしないし、洗おうと思ってもクリーニングに出す時間がない。
スーツは長持ちしないから使い捨て、と言う意識が消費者の中に出来上がりつつあります。
また、これに付随して、スーツが傷む事を経験しているので、クリーニングすると傷む、と言う間違った情報が出回ることに。
ある年代を境に、スーツのクリーニングについては真逆の事を言うんです。
スーツを洗わないと傷む、と言う年代と。
スーツは洗うと傷む、と言う年代と。
全然真逆の事を言ってますよね。
真逆と言うと、こんな事も変わって来ています。
昔は、お出掛けに出るときには身なりを整えていく事を、しつけられました。
恥ずかしい格好で行くな、と。
その代わり、知り合いの前では、お互いよく知っているからと、飾らず普段着のままであいにく事もしばしば。
今はこれが逆なんですよ。
どうせ知り合いにあるわけでもないんだから、ちゃんとした格好で行く事はない。
でも、友達や知り合いと会うときは、恥ずかしいからちゃんとした格好で行く。
会社や学校で、一人でご飯を食べる事は出来なくても、電車の中とか知り合いがいない環境では車内でお弁当を広げてご飯を食べたり、お化粧をしたり、出来るんです。
考え方が全然変わって着てしまったんですね。
そんな今、僕らがすることは、基本的な服の扱い方から教えていくことではないかな、と思うんです。
なぜ服を洗うのか?
どうやって着ていくのがいいのか?
何着持っているといいのか?
昔なら当たり前の話で僕らよりも、消費者の方々の方が詳しかった話。
これを今は、新入社員に説明するように、僕らが一から教えてあげることが大事ではないのかな、と思うんですよね。
身だしなみの話をし、初めての人にあうときの第一印象はとても大事、とかね。
そういった事を、教えていって、次にしみ抜きやクリーニングのほうがきれいになる、という事が正しく伝わっていくんじゃないかな、と思うんですよ。
駆け込み寺的な利用方法ではなく。
毎日着ている服の定期メンテナンスとして、クリーニングをご利用していただけるのではないかな、と思うんですよね。
スーツをいためないで長持ちさせるには、定期的にクリーニングすることが必要。
そのためには、スーツも何着か持っていないといけない。
着数が減ると、スーツが休まないし、クリーニングできないと汚れが蓄積して傷む原因になる。
これらを防ぐ為には、スーツを一定数持つことが必要である。
こんな話をしてあげる必要があると思います。
汚れが落ちるではなく。
何でクリーニングが必要なのか?
キレイにする事が目的ではありますが、本当の目的はそのずっと先にありますよね。
身だしなみを整える事で、キレイな服を着る事で、周りに不快感を与えず、人との付き合い方を円滑に出来るツールなんです。
身だしなみを整える。
ここを伝えて行きたいですよね。
クリーニング屋さんが伝える事はここじゃないのかなあと思うんです。
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