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スーツの表面だけでは分からない事。

先日、スーツに関する面白い記事がありました。


水洗い出来るスーツなんて論外だ。


そんな過激な話しが出ているブログ。
年齢や役職に応じてふさわしい格好をしましょうね、と言うような内容でした。


僕はこの話に賛成していたのですが、意外と反対派の人がいらっしゃったようで、ちょっとびっくりしたんです。
いまどき、スーツなんて作業着と一緒なんだから、水洗い出来なきゃ意味ないだろう、とか。
これに賛同する方が結構いらっしゃいましたね。


確かに、スーツってすでに作業着に近いものがあるとは思うのですが・・・・・、でもそれって表面だけ見ていませんかね?


昔、と言っても今から15年ほど前にクリーニング屋さんの中でも、議論になった話しがあります。

礼服は、何で普通のスーツよりも高いのか?

この当時、受付をしていると、そういうお客様がいらしたらしく、クリーニング屋さんのメーリングリストでよく話題があがったんです。
スーツと同じで単なる色違いじゃないか、と。
料金を変える意味がない、と言う人がいたり、いやいや礼服は扱いが難しいから相応の料金設定が必要だ、と言う人がいたり、最後は結論が出ないままだったように記憶しています。


実際の所、どうなのか。


礼服はスーツとは扱いが全然違うんですよ。
ですから、スーツと同じように考える事は出来ないんです。
素材が違うケースもあるんですが、同じウールでも色が一番厄介なんですよね。


黒って、光るんですよ。


アイロンを当てるのをとても気を使う、そんな色なんですね。
また、礼服を着ていくところはかしこまった所なので、ちゃんと仕上げないといけない。
どうしても手間がかかってしまう代物なんです。

また、洗い方も気を使います。
黒ってね、洗い方を雑にすると赤っぽくなるんですよ。
黒なんだけど、赤っぽくなる。
それって恥ずかしいでしょ?
だから、扱うのがとてもデリケートなものなんです。


クリーニング屋さんで、スーツと変わらない、と言うところは、おそらくこうした事を意識していないんだと思います。
意識していないのなら、形だけで言うなら同じですから、料金に差が出るのはおかしいと言うでしょうね。
でも、そうして扱ってしまうと、洗うたびに変化すると思うけど。


ちょっとずれたので話を戻します。


黒い礼服と、スーツでさえ、こんな感じで表面的なことで判断する人が多くなってきてしまいました。
最近は、スーツでも、表面的なことで判断する人が増えていると思うんですよ。


スーツって何で高いのよ?


高いスーツの意味が分からない。


一部のおしゃれな人だけの話で、一番安いので十分!

今回の水洗い云々のブログの話に反応して、こんなコメントが出ていましたっけ。
形が同じだから、安いのでいい、って間違いですよ。


確かにね、高級なスーツって、デザイン性が高く、一部の通の人たちが好んで着ていて、他の人は関係ないように思ってしまいますが、本来、服ってそういうものではないんです。

たとえば、生地の厚さ。

スーツを構成しているのは単にウールだけではありません。
芯地があり、裏地があり、生地がある。
それらをきちんと縫製して一着のスーツが作られていくわけです。

あまり薄っぺらい生地だと、服そのものに耐久性がなく、形を維持できない事があるんですね。
そうするとどうなるか?


着心地がとても悪いんですよ。


着心地が悪いと、とても疲れるんです。
そういうスーツしか着ていないと違いは分からない、と言うかもしれませんが、まあひどいものですよ。
逆に、ちゃんと作られたスーツと言うのは、疲れにくいんですね。


袖は腕が稼動する範囲で作られているので着て動いても違和感がないし、しっかりした厚さの生地はこれからの時期、暖かさを提供してくれます。
また、吸湿性に富んでいたり、吸った湿気を発散してくれる役割もあったり。


あとね、同じような形のスーツでも、ウールの糸の細さで肌触りが全然違うんですよ。
すーっと袖に腕が入っていく。
この気持ちよさは、着心地を追求したものでないと感じられません。

別にね、高いものはステータスでもなんでもないんです。


ちゃんとした目的があって作られていて、ちゃんとした製品を作ろうとすると、安くはない、と言うことなんですよ。
でも、ちゃんとしたスーツを着ていると、日常の疲れが軽減し、見た目もよくなり、周りからの印象も変わり、長持ちするようになります。

体の構造にあったスーツは傷みにくいんですね。


水洗い出来るスーツも、よく出来ています。
本来洗うことの難しいスーツを、縮まないように、素材を選び、作りを変えて、洗えるようにした。
それは技術の進歩だと思うんですが、やはり、体にあったきちんと作られたスーツの方が、着心地もいいし、気持ちいい。

表面の形だけにとらわれず、スーツ本来のいいところにもっと気付いて欲しいな、と思うんです。

むちゃくちゃ高いブランド品じゃなくていいんですよ。
服ってね、一定の金額を超えると、そこからはもう芸術品のようになってしまいますから。
そういう服を欲しい人もいらっしゃるでしょうが、ほとんどの人が欲しいのは、実用的なもの。

水洗いできるものよりも、着易く、疲れにくく、長持ちするスーツの方が、よほど実用的だと思いますよ。


スーツを買う時に、とりあえず試着してみてください、色んな値段のスーツを。
試着は誰でも出来ますからね。
違いを肌で感じてもらると、いいと思います。


服は身を守ってくれることもありますからね。
個人的には、化学繊維が混ざるよりもウールの方が安全だと思います。


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