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いいお手本がいるから。

お客様とお話をしているときに、クリーニングの上手な使い方や、スーツの上手な着まわし方を説明するときがあります。
スーツを上手に着るのにはポイントが二つあるんです。

ひとつは、着数を持つこと。
もうひとつは、定期的にクリーニングをすること。

この二つをしっかり守ると、スーツは傷まないし長持ちします。
理由は簡単です、もっているスーツの数が少ないと、連続で着ることになり、スーツが休む時間を取れなくなるので、傷むんです。
また、着まわす頻度が高くてクリーニングに出せなくなると、汚れがついたまま着なければいけなくなります。
汚れがついていると、生地が硬くなるので、より傷みやすくなる。

これらを回避しようとすると、スーツの数を増やすのが一番、というわけですね。


昔から言われているごく当たり前の話なんですが、僕らがこれを説明すると、実はなかなか信じてもらえません。

スーツを買えといわれても、無理、とか。
昔の景気がいいときの話でしょ?とか。
そんなに頻繁にクリーニングしたらスーツが傷むじゃない?とか。

景気のいいときの話でもないし、実は今のほうがスーツは安いんですよ。
今の3倍ほど高かった時代でも皆さんスーツの着数はあったんです。
傷む、という話も、都市伝説。
でも、今は、この間違った情報が当たり前になりつつあります。


先日、若いご夫婦のところへ集配にお伺いしました。
今年、ご結婚されまして、それをきっかけにクリーニングの定期集配をご依頼されたんです。
実は、ご両親のおうちにもお伺いしておりまして、そこで、いろいろとお話を教えていただくんですね。


息子さんのところへ初めてお伺いしたときに、いろいろと説明をさせていただいたんです。
スーツの上手な着方、必要な着数などなど。
そして、その後両親のお宅へ集配にお伺いしたときに、奥様から息子さんがスーツを徐々にそろえているようです、と教えていただいたんです。

クリーニング屋さんのおかげで、少しずつ変わって来ているみたい、と。

でも、本当は違うんです。
僕は、説明しただけなんです。
本当に息子さんの心に届いたのは、お父さんなんですよね。

お父さん、スーツの着方がとても上手なんです。


僕がお預かりしている中でも、トップクラスの着まわし方。
着数もきちんと持っているし、定期的にメンテナンスされてるし、いつお預かりしても、びしっとしたまんまのスーツなんですね。

僕は息子さんとのお話の中で、お父さんの事を想像してもらったんですね。

お父さんの着ているスーツはきれいでしょう?と。

いつも、何気なく見ていたお父さんの姿が、たぶん脳裏に浮かんだはずです。
身近にお手本がいるんですから、僕が説明なんかする必要はないんですよ。
お父さんの今までを思い返してもらうだけで、OK。
そこに答えはすべて詰まっています。

同じように見えるスーツも、全部違うし、着数も持っている。
同じスーツを着ない、定期的にクリーニングする。
全部お父さんがやられていたことなんですね。

で、その結果も見ているわけです。

お父さんのスーツ姿は、いつ見てもかっこいいんですよ。

ぜひ、お父さんの着方を見習って欲しいな、と思います。

いいですよね、身近にお手本がいるって。
背中で語る、ってこういう事をいうのかな。
僕も、いつか子供たちに、何か感じてもらえたりするんでしょうか。


あー、そう考えると手を抜いてちゃいけませんね。

子供たちが振り返ったときに、気づいてもらえるように。
ちゃんとするのって大人の義務なんでしょうね。


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