あそこのクリーニング屋さんは洗わないで返してる???
どうしてこんな話が出回るんですかね?
昔から聞く話ですが、聞くたびに嫌な思いをします。
昨日、変な話を聞きました。
あそこのクリーニング屋さんは洗わないで返しているって、あそこで働いている人に聞いた。
この洗わない疑惑って実は昔からあるんです。
たくさんあるクリーニング屋さん、もしかすると本当にひどいクリーニング屋さんがいて洗わないで返していたところもあるのかもしれません。
どこにでも悪い人はいて、弁護士さんだってお医者さんだって先生だって、悪いことをする人はいます。
でも、そんなのはまれだから噂になるのであってみんなは普通に仕事をしています。
しかし、こういう悪い噂は、人の不安感や恐怖心を煽ってしまうんですね。
このお話をされた方も、クリーニング屋さんは信用できない、どこを選べばいいかわからない、ととても 疑心暗鬼になっていました。
こうすれば個人店のクリーニング屋さんを見つけられますよ、と言っても、自分のうちの近くにはない、の一点張り。
いや、絶対あるはずなんですけどね。
クリーニング屋さんに不信感を抱いてしまってるんでしょう。
自分は働いていたから知っている。
一見、働いていたから裏側を知っている、と聞こえてしまうこの言葉、果たしてどこまで知っているんでしょうか?
僕はいつも疑問に思うんです。
大きなチェーン店で働いているだけで、クリーニングで何をしているか?知っている人なんてほとんどいないでしょう?と。
パートやアルバイトは、言われたことをやるだけなんですよね。
部分的な仕事をやるだけで、それもきちんと理解をしてやっているわけではないんです。
どうしてこの作業をしているのか、どうして洗剤を入れるのか、どうしてやるものとやらないものがあるのか、そんな事はわかるはずもありません。
もし、その辺の事までわかるのなら、その人はパートやアルバイトとしての給料ではなく、きちんとクリーニング師並みの給料を払ってあげてもいいですし、工場長になれるだけの知識を持っている、という事になります。
働いている、から何でも知っている、というのは間違いです。
結果論的にこうなった、というのは知っているかもしれませんが、全体的な流れはわからないでしょうね。
洗わないで返している、これもどこまで真実なのか・・・・。
もし、本当に洗っていないのなら、そこのクリーニング屋さんはお客様をだましているという事になります。
保健所なり消費生活センターなりに密告してあげればいい。
洗わないで返すなんて言語道断です、きちんと制裁を受けなければいけませんね。
洗っていない、というのが勘違いで、なのに、言いふらしているとしたら・・・・・、
その働いていたという人が訴えられる可能性もあります。
事実ではない事を言いふらして会社の信用を貶めているんですから。
今のクリーニング業界の現状を考えると、洗わないで返す、という事は起こるとは思えません。
いま、クリーニング屋さんはそこまで仕事が多くないので、十分こなせてしまうんですよ。
それに、洗うコストと仕上げるコストでは、仕上げるコストの方が圧倒的に高いので、洗わないで仕上げだけして返すのは実はかなり非効率。
もし、儲けるためにやるのなら、洗わないよりも仕上げない方が儲かるんです。
だから、洗わないで返している、という話はとても嘘くさく聞こえてきます
しかし、火のないところに煙は立たない、と言います。
もし、嘘ではなく誤解だったとしたら?
誤解、十分にあり得るんですね。
例えばお預かりはしたけど、工場で洗えないと判断をすると、そのまま返すことになります。
うちらのような個人経営のクリーニング屋さんですと受付もクリーニング師がやっているので、その場で判断がつくんですが、大手チェーン店の場合は、受付もパートさん。
細かい知識もなく、とりあえず受け付けて工場へ回す、という事は普通に起こります。
工場の判断で洗えない、となる事は普通に起こるんです。
また、働いていた、というのが工場ではなく、受付のケースも考えられます。
工場の中の事は知らず、返ってきた品物だけ見て判断をしている可能性もあるわけですね・・・・・。
お預かりした品物に、紙製のタグをつけているんですが、紙なのに洗った時のような形跡がない、と洗っていないんではないか、と思う人は必ず出てきます。
ドライクリーニングの特徴で、原形をとどめて洗えますから、紙類はそのままの状態で洗えてしまうんです。
僕らクリーニング屋さんには常識なんですが、普通の人には理解できないものらしいですね・・・・・。
そして、やはりあくまでも人のうわさ。
一番最初に話した人は、実は洗っていない、とは言っていないかもしれません。
汚れが落ちてこないから洗っていないのかも?
と言ったのを、聞いた人が聞き間違えて、洗ってない、に変わってしまった可能性もあります。
実はこれが一番怖い。
今、どんな商売もかなり誠実だと思います。
不正を働くのは、その仕事の意味を分かっていない人だけですよ。
どうしてそうやるのか、なぜそうやるのか、分からないから手を抜けるんですね。
きちんと知識を持っている人は、怖くてそんなことできませんから。
もうすこし、クリーニング屋を信じてください。
大手チェーン店も、個人経営のクリーニング屋さんも、それぞれの中で頑張って仕事をしています。
洗わないで返している、なんて噂話は本当に勘弁してください。
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