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シミが付いたら、すぐ対処しないと取れないのか?

最近、お客様とお話をしていて、不思議だなあと思う事があります。


シミがついたときに、すぐとらないといけないと思っている人がかなりいらっしゃるようなんですね。

いや、取らないと、というよりも、早くしないとしみになっちゃう、の方が近い感覚なのかもしれません。
僕ら、クリーニング屋さんの感覚とは少し違うんですよね、これが。
どう違うのか?と言いますと、僕らはこう思うんです。

ついた時点で、シミ。

そう、ついた時点でしみなんですよ。
実はシミの定義も難しくて、洗っても落ちないものをシミという人もいれば、一か所に目立つ汚れが付いているものをシミという人もいます。
両方とも、広義の意味でしみだと思いますね。

で、しょうゆが付いちゃった、ケチャップが付いちゃった、これらは付いた時点でしみなんです。
時間がたつとしみになっちゃうのではなくて、ついた瞬間にシミ。
問題なのは、シミになるかどうかではなく、そのついたシミが落ちるかどうか?の方が大事なんです。


汚れを落とすのに、時間は確かに重要です。


昔からクリーニング屋さんも言ってましたよね、シミが付いたら早く持ってきてください、と。


ひと月よりも二週間、二週間よりも数日、もっと言えば付いた瞬間が一番落としやすい、と。

今思うと、この表現が皆さんに変なイメージを植え付けちゃったのかな?と思うんですね。
確かに、一番落としやすいのは付いた瞬間です。
その瞬間なら、強引にふき取ることも可能だったり、水で洗い流せることもできる事もあります。

でも、本当にその瞬間ってわずかで、数分経てばもうだめな事の方が多いんですね。

ついちゃった、とあわてて濡れタオルなどを探している間に染み込んでしまっていて強引に取れるような状態ではなくなってしまう、ほとんどがそんな感じです。


だから、汚れがついてしまった時には、まず慌ててはいけないんです。
だって、あわてて落ちづらくしてしまったら元も子もないですから。


クリーニング屋さんの思考はこんな感じなんですね。

落とせる状況で持ってきてもらいたい。

先ほどの早く持ってきてほしい、というのもこれで、半年とか一年、ひどいときには数年越しのシミを落としてください、という事があります。
ここまで時間がたってしまうと、シミ自体が空気中の酸素の影響を受けて変質しています。
そう、落ちづらくなってしまっているんですね。

こういうケースがあるので、ここまでひどい状況になる前にお持ちください、と皆さんにお伝えしている、というわけです。

また、早く持ち込まれても、自分でとりあえずの処理をして落ちづらくしてしまうケースもあります。


先ほども書きましたが、本当についた瞬間なら強引なやり方で落ちるかもしれません。
でも、ほとんどが、数分の差で簡単に落ちなくなっている。
そこに、強引に落そうとすると……、汚れが奥に入り込んだりして落ちづらくなってしまう事はよくあるんですね。


こうなってしまうと、何とかしてくださいと頼まれるクリーニング屋さんも相当困ってしまうわけで。


なんにもしないで持ってきてくれれば、きれいになったのになあ、という事がしばしばあります。


シミがついてしまったら。

まずは慌てないこと。
あわててもいい事はありませんから。


そして、その場で最後まで落とし切れる自信がないのなら、手を付けないこと。
下手に手を付けて落とせなくしてしまう事が、一番悪い状況です。


先ほども書きましたが、しみは、早い遅いよりも、落とせる状況でクリーニングに持ち込むことが大事。
状況を悪くするようなことは決してしないようにしてほしいな、と切に願っています。


服に関して、どこか生鮮食料品みたいな感覚が皆さんにあるようです。
しかし、それは少し過剰な面も生み出しているようで、皆さんが生活しづらい状況を作り出しています。

前から、服の適切な情報を皆さんに知らせなきゃ、と思っていましたが今回の事で、さらに強く思いました。
もっと暮らしやすくするために。
伝える事はたくさんありますね。


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