スーツを休ませる理由。
僕らクリーニング屋さんは、スーツを多めに持ってください、休ませるようにしてください、と盛んに言いますよね。
それには理由があって、スーツを休ませるのにも理由があるのです。
今日はその理由を少しご説明してみようと思います。
スーツの素材はウールで出来ています。
羊毛の毛で出来ているんです。
この羊毛の毛ってとても面白い構造をしていまして、ちょっと複雑なんですよ。
表面は疎水性と言って水分をはじくような構造になっています。
しかし、内部の方は親水性と言って、水分と相性がよくため込むように出来ている。
相反する性能を持っています。
スーツを着ていると、汗など直接は付かないんです。
表面ではじかれちゃいますから。
でも、体から蒸発した水分をウールは吸い込んでくれます。
つまり、蒸れないんですよね。
これがウールの着心地を作ってくれています。
そしてさらに面白い性能をウールは持っていまして。
吸い込んで水分を今度は放出し始めるんですよね。
しかも、綿などよりも圧倒的に早く。
水分を含むと、表面にあるキューティクルが開き始めるんです。
花の弁が開くような、そんなものをイメージしてくれるとわかりやすいですかね。
そのキューティクルが開くことで蒸気を発散しやすくしています。
ここなんですね、休ませる理由は。
着れば汗をかきますし、それをウールは溜め込みます。
ため込んだまま、またすぐ着るとキューティクルが開いた状態で着てしまうので傷みやすくなる。
休ませると、湿気も飛び、キューティクルも元に戻って風合いが復活するようになります。
だから休ませることが大事になってくるわけです。
ただ、簡単にスーツを休ませましょう、と言っても、休ませるにはスーツを何着か持っていないとできません。
3着くらいだと、休ませる時間もなく着まわしていく事になってしまう。
だから、お父さんたちはスーツを何着も持っていたんですよ。
ちゃんと休ませるために。
経験上、スーツを休ませることがいいことだとわかっていたんでしょうね。
皆さん、スーツを買い足してみてください。
絶対楽になりますから。
スーツも傷まなくなるし。
休ませることでスーツが見事に復活するのは驚かれると思いますよ。
そうして増やすと、ちょうど衣替えの時期辺りにクリーニングに出そうかな?という位汚れてきます。
上手く出来ているんですよね。
数を持っていないから傷んでいくんです。
スーツ、買い足しましょう。
そして、きちんと休ませてあげましょうね。
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