« 風の強い日は外に干すのはやめときましょ。 | トップページ | 一瞬で解決。 »

「難しい」のレベル。

こうしてブログを書いたりしていると、同業者の友達に言われたりすることがあります。

君は話すのが達者だから書けるんだよね、とか、口がうまいからなあ、とか。


半分からかわれているんでしょうが、もう半分は、自分はうまく書けない、話せない、という事を言いたいんでしょうね。
僕も、うまく話せることなんてほとんどなくて、いつも話したり書いたりしてみては、ああ、失敗した、と反省をすることがほとんどです。
たぶん、お客様にお話をしたり伝えようとして失敗をしている数はクリーニング業界の中でも1、2を争うんじゃないか?と思いますよ。


その都度凹み、反省をして、じゃああの時どういう説明をすればよかったのか?ちゃんと伝わったのか?と考えてきました。
その結果、クリーニング屋さんの中で説明が少し上手になっていきました。


そんな毎日ですから、先日もまたやっちゃったなあ、という失敗をしまして。
どう話せばよかったんだろう?とずっと反省をしています。


配達に行ってお客様から、麻のカーディガンのご相談を受けたんです。
胸の所に食べこぼしのシミが。
そこで、簡単に麻の洗濯やクリーニングについての説明をしたんです。

麻は擦れると白化と言う現象を起こすので難しいんですね。
また、今回のカーディガンはざっくりと編まれていて、ご自宅で洗たくをしてハンガーにかけて干すと伸びてしまいます。

僕らが扱う時も注意が必要な商品ですので、簡単に説明をした後に、ざっくりとこういったんです。

難しい商品ですよね。

すると、その言葉を聞いたお客様、難しいならやめとくわ、と洗う事をあきらめてしまったんですよ。
その瞬間、僕の中で、しまった!間違って伝わってしまった、と反省モードに突入です。


僕が伝えたかったのは難しいからあきらめましょう、ではなかったんですね。
今回の麻のカーディガンは、一般の方が洗濯をするには注意する点が多くて難しい。
僕らが扱っても注意する点が多くて難しい商品だけど、僕らなら普通にきれいにする事が出来る、と伝えたかったんです。


それらの言葉を端折って、シンプルにと、難しいという表現をしてしまったので、お客様が諦めてしまったんでしょう。


難しい、という言葉、言葉は一つですが、難しいにもレベルがあります。

難しい、けど僕らクリーニング屋さんなら普通にきれいに出来るもの。

難しい、けど、注意を払ってやればぎりぎりきれいに出来るもの。

難しくて、僕らが手を出すのもためらうもの。

これだけ違いがあります。
お客様は、難しいものを苦労してやってもらいたくないんですよ。
もっと簡単にやってもらいたい、と思っています。
それは、難しくなればクリーニング代が高くなるという事もあるでしょうし、そんなに手間暇かけてまできれいにするような価値のある品物ではない、と思っている事もあるでしょう。

もっと気軽に、お手軽にきれいに出来るならお願いしたいわ、という思いがあるのはこちらもわかっているんです。


しかし、僕らクリーニングする側からすると、商売として受けているので、洗いあがった後の品質にも注意をしなければいけません。
預かった時とお返しするときの風合いが変わるようだと、まずいんですね。
綺麗にするけど、風合いも維持して、これが僕らの目標になっています。

ただ洗うだけならそう難しくなくても、風合いを維持しようとすると途端にハードルが上がってしまうんです。


色が変わらないように、柔らかさも維持して、と思うと簡単に洗える商品というのは実に少なくなります。
ほとんどの商品が、最終目標の綺麗にしながら風合いも維持する、という所に持っていこうとすると、難しくなってしまうんですね。


また、先日友達の所であった話なんですが、とあるブランドの服にシミがついていまして、素材的にも難しくないだろうと判断をして預かってみたら大変なことになった、という事がありました。

白い生地の上に文字が書いてあって、その下の方にシミがありました。
しみ抜きをすると・・・・・その文字から色が出てきて真っ黒に。
難しくないはずのしみ抜きが、ものすごい高難易度のしみ抜きに変わってしまったそうです。


こういう事があるので、簡単そうに見えても、簡単だといえないという事もあります。
取扱い表示には色が落ちてくるなんて書いてありませんからね、やってみないとわからない部分もあります。

言い訳をしていても始まりません。
では、あの時僕はどう話をしていたらよかったんだろうか?とずっと考えています。


最初から説明をしなければよかったのか?
それはないですね。
僕らの説明は、単なる工程の説明だけでなく商品の特徴を伝えていたりします。
お客様が着用をする際のヒントにもなるので、話をしないわけにはいきません。
お店で服を買う時に、何の説明もなく買いますよね?
僕らはメンテナンスの観点から、その服の特徴を伝えています。
それによって、長持ちさせることが可能になっていきます


難しい、という言葉を使わずに、簡単ですよ、と言えばよかったのか?
先ほども書きましたが、やってみて難しくなるケースもあるし、事前に想定できるものを、安易に簡単とは言えませんよね。
僕らの仕事が簡単な仕事と思われてしまうのも、もやもやっとしてしまいますし。

この辺、職人のプライドが出てきているのかな?と思います。
いちばんいいのは、 難しいけど、クリーニング屋さんに任せておけば安心ね!という関係。
そういう風に伝えるにはどうすればいいのかな?と思っています。


僕らが当たり前に思っている事を簡単に話して、違うように受け止められている、と感じてその都度改善をしてきました。
今度のことも、今は悩んでいますが、いつか伝える方法、言い方を見つける事が出来て、きちんとしたイメージをお客様に伝える事が出来る日が来ると信じています。


生みの苦しみ、だと思って。
しばらく悩みましょうかね。


あー、でもちゃんと伝えたかったなあ。
くやしかった・・・・・。

|

« 風の強い日は外に干すのはやめときましょ。 | トップページ | 一瞬で解決。 »

クリーニング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「難しい」のレベル。:

« 風の強い日は外に干すのはやめときましょ。 | トップページ | 一瞬で解決。 »