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ドライクリーニングで使える溶剤とは?

やはりと言いましょうか、築地関連でドライクリーニングの話が出ています。
何分、過去の話なので、かなりあいまいなものが多く、またクリーニング屋さんではない人が話をするものだから少し解釈が違ったり。

昔の地図とかも出てきまして、それを見ていると、GHQのランドリーと書いてある。
それって、水洗いの工場の事なんだよね、と思うんですが、さらにその横にはソルベントタンク、とある。
もしこれがクリーニング用のものだとすると、ドライクリーニングで使われていた溶剤だと思われます。

そして、その中身について、あれやこれや議論が続いているわけですが。

毒性がどうの、どれくらい危険だの、とりあえずおいて置いて、少し視点を変えてみようと思います。


そもそも、ドライクリーニングの溶剤って、どういう基準で選ばれているんでしょうか?

石油系の油なら何でもいいわけではないんです。
使えるもの、使えないもの、いろいろあります。


選ぶ基準は以下の通り。


衣類に影響を与えない。


残留しない。


汚れを落とす能力がある。


人体に悪影響を及ぼさない。


最近はここに環境への配慮も考慮され始めています。
全部をクリアーしているものが一番いいのですが、仮に問題があったとしても技術的にクリアーできるものなら、使えます。


分かりやすい例でいうと、仮に毒性があるものの場合、密閉して洗えば、従業員の健康にも被害は出ません。
更にその液体が、揮発性が高く、衣類へ残留をしなければお客様の健康にも被害が出ません。
ドライクリーニングの機械にも種類がありまして、こういうタイプをクローズドタイプ、と言います。
洗いから乾燥まで一つの機械で密閉して行う事で、出てくるときには安全な状態で出てくるんです。


衣類に影響を与えてしまうものも使えません。
例えば、溶剤に色がついていて洗うと色が移っちゃうものとか。
また、何かのにおいがあるもので、それが衣類に移っちゃうとか。
そういう溶剤は、ドライクリーニングでは使用できません。


じつはこれって、汚れを落とす能力と関係してしまうんですが、あまり汚れを落とす能力が高くてもダメなんです。
衣類に付いている装飾品を溶かしてしまうほど強力なものは使えず、かといって汚れが落ちないものも使えない。

油脂溶解力、と僕らは言いますが、油を溶かす力が強すぎるとかえって使えない、という問題も抱えているんですね。
もちろん、ある程度の能力は必要なので、洗浄能力が強い場合には、それを補うような薬品を添加して洗ったりします。


分かりやすく言うと、洗剤で荒れた手にハンドクリーム、みたいな。
取りすぎた油分を補う事で衣類を正常な状態へ戻す、という事もあるんです。


前に、洗浄展という展示会に、洗濯王子と行ったことがあります。
そこでいう洗浄とは、いわゆる機械洗浄で、僕らがしている事と似ているようでちょっと違う。
目からうろこの話がとても多かったんです。
そこでも、洗浄用の溶剤メーカーが出展をしていて、洗浄力が高いというので、衣類に使えませんか?と聞くと、やったことあるけど、とてもじゃないけど使えなかった、と言われたことがありました。

同じ洗うための溶剤でも、適しているもの、適さないもの、があるという事を改めて理解した経験です。

揮発する、というのは非常に大事な事なんです。
理由は主に二つ。


一つは、揮発するという事は衣類に残らない、という事。
きちんと感想をしてしまえば安全、という事の証明になります。

もう一つは、あまり濡れた状態は衣類にとってはよくないんです。
濡れた状態が続くと、変化を起こします。
汚れを落としたい時に、時間をかけて反応させたりするんですが、逆にもう終わりにしたいのにいつまでも乾かないと、余計な反応をさせてしまう事になる。
乾燥工程も短くて済むので、揮発性が高い、という事はとても大切な条件です。


こうしてみると、意外とクリーニングで使える溶剤というのは幅があるようで幅がありません。
強力過ぎても使えない、毒性が強すぎても使えない。
揮発して残らない物を採用している。


つまり、割と安全なものしか使っていない、という事になります。

こう考えると、仮に築地が出来る前にドライクリーニングの工場があったとしても不安になる要素は少ないんじゃないのかな?と思うんです。


実は、クリーニング屋さんでも土壌汚染をするものはあります。
いま、 その成分のせいでクリーニング屋さんの跡地は売り買いが難しくなっているらしいのですが、築地が移転する前はこれを使っていないんですよね。
なので、築地に関してはこの心配もないんではないか、と。

ちなみに、土壌汚染も、全部のクリーニング屋さんの話ではありません。
今はほとんどのクリーニング屋さんがその物質を使っていないので、今後は大丈夫だと思います。
景気が良くて、寝る間も惜しむような忙しさの時期に生産性が高いという理由で使われていた代物です。


今は減っているので気にするものでもないんですよね。

溶剤の性質から入ると、使われているものがいかに危険か?みたいな報道になりがちですが、視点を変えてこうしてみてみると、衣類を洗うために使われるものがそんなに危険なはずがないんですよね。
ましてや働いている僕らが危ない目に合うようなことするはずもないし。


そういう視点で報道してもらえると、僕らもありがたいなあと思いますね。
加熱していってドライクリーニングが危険だとか、デマが広がりませんように・・・・・。


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