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クリーニング屋を何十年とやってきたからこその問い。

毎週水曜日の夜は、クリーニング屋さんの友達とネット会議というものをしています。
年配の方から僕くらいまで、幅広い年齢層の人たちで好き勝手にいろんな話をしていきます。


どれもクリーニングに通じる、みたいな感じでしょうか。


家族の話や介護の話、友達の話や趣味の話、クリーニングの事は特に多いですけど。(笑)
そんな会議を昨日の晩、いつものようにしておりました。
そこで、こんな話が出たんですね。

クリーニングってなんなんだろう?

これ問いが出たのが60過ぎたクリーニング屋さん。
今まで一生懸命クリーニングをされてきた方から出たこの問い、深いなあと思いまして。
僕もクリーニング屋さ人りたての事、同じようなことを考えたことがあったんですが、その時の物とは重みが全然違うんですよね。

その当時の僕は、きれいにする、という事の程度で悩んでいまして。
汚れの付き具合も千差万別で、一律にきれいはならない事に悩んでおりました。
どれもこれも、同じくらいに綺麗になるなら構わないんですが、預かる品物ごとに違ってしまう。
これって、他の職業では考えにくいと思うんですよね。


だって、品質がバラバラってことですから。


そこに悶々とした日々を送っていたことがあります。

今回の問いはそれともまた違って。


こんな感じの問いでした。

クリーニングは何を求められているんだろうか?と。
家事代行業としての一面は持っているけど、それとクリーニングは別物。
綺麗にすればいいというわけでもなく、服本来の魅力がなくなってしまうとダメで。

また、昨今の何でも自分で洗うのも、クリーニングよりきれいになるなんてありえないのに、それでも十分なんだろうか?と。
クリーニングそのものが必要ないのかな?と。

自分がやってきたクリーニングが、時代とともに求められるものや置かれている立場が変わってきている、という事を感じ取っているようでした。

クリーニングにはクリーニング業法というものがあります。
ちゃんと法律があるんですね。
クリーニング屋さんに求められているものとは、社会全体の公衆衛生の維持なんです。
当時東京オリンピックが間近に迫っていて、いろんな業種の法整備がされていきました。

あの当時、今と違って衛生面がとても悪かった、と聞いています。
クリーニング業法というものを作り、公衆衛生の向上を図ったんでしょうね。


今はどこに行ってもある程度のきれいさは保たれていますが、さらに目に見えない菌におびえる人たちも出てきて、時代は次に公衆衛生に行っているような感じもしますね。


若干、潔癖症では?と思いますが、そういう方がにとっては他人が洗う、仕上げる、というクリーニングもあまりいいものではないのかもしれません。

クリーニングって世の中の衛生意識によって変化していっているんでしょうね。
しかし、その衛生意識は、イメージによるものが大きくて、実際とは異なっている事が多いと思います。
例えば、きれい好きで若干潔癖症かな?と思えていても、クリーニングより自分で洗う方が汚れは落ちてないのにそちらがいい、とかね。

もし、本当にきれい好きで汚れが嫌なら、迷わずクリーニングの方がきれいなんですけど。
汚れの認識が違っているんでしょうね。


クリーニング屋を先輩が、自宅でyシャツを洗った時に、目に見えない汚れが残っているよなあ、と感じた、と言います。
これを知るのはクリーニング屋さんのみ、きちんと勉強をしているからどんな洗い方をすると、どこまでの汚れが残っているか?わかるんですね。
で、この目に見えない汚れまでを想定して、洗っているのがクリーニングなんです。

かなり深いことをしているんですよ。


いろいろ考えてみましたけど、僕らクリーニングって、やはり最後は世の中の公衆衛生を守るのが目的だと思うんです。
クリーニングのプロとして、国家資格を持っているのは、汚れや衛生に対して知らない人たちをケアするため。
それは依頼されたからする、というだけでなく、広くきれいにしましょう、と呼びかけるのも含まれているんだろうな、と思うんです。


今までは、消費者が洗いたい、洗う、と思ってから僕らに始めて仕事が発生をしました。
常に受け身だったわけです。
でも、原点に立ち返ってみて、僕らクリーニング屋さんが公衆衛生の意識を広めるのも仕事の一つだ、と。
そういう認識で動く時代になってきているんではないかな、と思います。


クリーニングってなんだんだろう?

一つ一つの作業は洗ったりしあげたりする事ですが、その先の、世の中の公衆衛生を守ること。
これがクリーニングなんじゃないかな、と思います。


会議中は出なかった答えですが、来週、この話をしてみましょうかね。
もちろんこれが結論ではないです。
これを出すことで異論反論が出て、また考える。
この繰り返しが大事。

来週が楽しみになってきました。(笑)


あと20年くらいしたら、僕も同じような問いを、若い子に言っているのかな?
どんな時代になるか、それも楽しみですね。


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