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油がとられてる?いや、縮んでるんじゃないですか?

本日も通常営業をしております。
明日明後日の土日、連休させていただくことになりました。
ぜひ本日ご来店ください。

ドライクリーニングをすると、油が抜けてしまう、と聞くようになりました。
理由は、ドライクリーニングの溶剤は脱脂力があるから。
脱脂力のある溶剤で洗うのだから、スーツなどの油分がとられてしまう、という事のようです。


こういうデマが消費者の間にだけ回っているのかと思ってたら、先日同業者の方とお話をしていた時に、油分が抜ける、と言われてびっくり。
よく考えるとわかる事なのに、プロでさえ勘違いをしてしまうって怖いなあと思ったもんです。


ドライクリーニングの洗浄力の強さは、脱脂力でよく測ります。
どのくらい油汚れを落とすか?確かにそれが目安なんですが、その脱脂力にもかなりの差がありまして。
無茶苦茶強い物から、弱すぎるものまで実は幅広く存在しているんです。


昔、クリーニング学校に通い始めていたころ。
ドライクリーニングの溶剤の話になりました。
これを読んでくださっている皆さんと同じくらいの知識量、つまりドライクリーニングについて正しい知識はほぼゼロです。
その僕が授業で溶剤の脱脂力の話を聞いていて、これはやばい!と思ったんですね。

その理由は、自分のうちで使っている溶剤の脱脂力が弱いから。


つまり洗浄力が低いことを表しています・・・・、というかそう思い込んでいました。
油だけが汚れではないので、脱脂力が低いことが即汚れ落ちが悪いことにはならないのですが、その当時の僕は何でも数値が高い方がいいと思っていたので、これはまずい、と。
うちの父は、何も知らないで仕事をしているのか?と授業中に真っ青になったんですね。

今思うと、なんて馬鹿なんだろう、と思うんですが、強弱であらわされるとどうしてもそう感じてしまいます。
うちで使っていたドライクリーニングの溶剤は、一番強いものの3割ほど、大手チェーン店がその当時使っていた溶剤の半分以下、それほどの脱脂力しかなかったんですね。


その当時、油がとられてパサつく、というのは聞いていました。
でも、それが起こるのは脱脂力の強い上二つ。
うちが使っている溶剤では脱脂力が弱いので、そんなこと気にするレベルではなかったんです。


で、いま、うちが使っている溶剤と同じものを、多くのクリーニング屋さんが使っています。
ですから、油がとられて、というのはありえないんですよ。
そんなに脱脂力の強いものをそもそも使っていないんですから。

でも、火のない所に煙は立たない、と言います。


単なる妄想で言われているわけではないと思うんですよね。
で、思い当たることがあるわけです。


先日も宅配便で品物が届きました。
検品をしていると、おや?と思うほど固い。
これ、縮んでいるよな、と思い、お客様に連絡をさせていただきました。


ぎゅうぎゅうに縮んでいるわけではありません。
少し縮んでいる感じ、でも確実に縮んでいます。
買った時と比べて固くなっているでしょうし、サイズもきつくなっているか、と。

で、問題は、誰が洗ったのか?という事なんですね。


一番可能性が高いのが自分で洗ってしまう事なんです。
ご家庭で、水洗いをすると、こうなる確率が高い。
でも、可能性としてクリーニングに出してこうなってしま多可能性もあるわけですね。

問い合わせをしてみると……、一度も自分で洗ったことはない、と。
クリーニング屋さんでこうなってしまった、との事でした。


実は検品をしているときに、他のお客様がご来店されていて、その品物を見せて、縮んでいるのわかりますか?と聞いたんです。
すると、まったくわからない、と言われてしまいまして・・・・・。
みため、明らかに縮んでいるんですが、縮んでいるようには見えないらしいんですね。


ここではたと気づきます。

これを縮んだ、と分からないとすると、固くなった表面を見て、油が抜けた、と思うんではないかな、と。

そう思っちゃうんだろうな、と思ったんですね。
お客様の言う事は正しくない事の方が多いんです。
でもそれは仕方がありません、プロではないんですから。
見たものを、自分の感覚で、思うんですね。
でも、正しくはないけど、いっている事は間違っていません。

実際に起こっているんですよね。

僕らプロは、そのお客様の言葉を聞いて、分析し正しく解釈しなおすのも仕事なんです。


縮みと脂が抜けた、というのは、明確な違いがあるんですよ。


縮んだのなら、着ていてきつくなるんです。
見ていても、生地がゆがみます。
油が抜けたのなら、縮んでいるわけではないので、着てもきつくはないし、歪みもしません。


細かくチェックすればわかるんですね。


で、さらに問題はなんでクリーニングしてこうなるか?ですね。
色々と原因はあるんですが、一つは、溶剤の管理の問題。
ドライクリーニングは形を維持したままらえる素晴らしいものなんですが、溶剤の管理を怠ると水分が入り込み、縮みの原因になる事があります。
通常ありえないし、今のクリーニング屋さんでこういう事をしている所があるのか?わかりません。


もう一つ思い当たるのが、乾燥のし過ぎ。

これ、意外とクリーニング屋さん気付いていない事多いんですよ。
過乾燥は縮みますから。
適切な時間、乾燥をするといいんですけど、何らかの理由で乾燥工程が長かったのかな、と思います。


油がとられる、事がないことをどうにか周知したいですね。
この誤解のせいで皆さん洗う回数が減ってきています。
回数が減るだけならいいんですけど、汚れが蓄積して、洗っても落ちづらくなったり、衣類が傷んだりといい事なんて一つもないです。

きちんと洗ってもらうためにも、誤解は早くなくなって欲しいな、と思います。

さあ、仕事しましょうかね。
明日はお休みですから、本当に今日のうちに来てくださいね。
ご来店、お待ちしております。


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