クリーニング屋さんから紹介されるクリーニング屋さんでありたい。
世の中で、クリーニング屋さんに一番厳しいのはクリーニング屋さんだと思うんですよね。
認めていないのもクリーニング屋さんなんだよなあ、と思う事がしばしばあります。
意外と、クリーニング屋さんの批判をするのはクリーニング屋さん自身ですし、クリーニング屋さんが自分たちの業界をほめているのを聞いたことがありません。
自分の事はそれなりに評価しているんですが、他のクリーニング屋さんの事は信用していない人が多いのもまた事実。
先日、毎週恒例の夜のスカイプでの会議中に、ひょんなことからこんな話になったんです。
もし、自分がクリーニング屋さんを辞めたとして、今までのお客さんに他のクリーニング屋さんを紹介してくださいと言われたら紹介できるところがあるか?
こんな話をしていたんですよ。
で、皆さん、紹介できるところはない、とおっしゃるんですよね。
たしかに、話をしている人たちは皆さんものすごい技術のある人たちなんです。
何十年もクリーニング屋さんをやってきていて、これは出来ないでしょう?と言われるようなものでもやってきた猛者たちです。
こういうんですよ。
他の店を紹介してはたしてそのお店が自分たちと同じような仕事が出来るかどうか・・・・。
で、突っ込んで話を聞いてみると、意外や意外、他のクリーニング屋さんの事はあまり知らないというんですね。
要は知らないからどこまでできるかわからない、だから紹介できない、という事のようです。
近隣のクリーニング屋さんは商売敵ですから、仲よく行き来することもありませんからそんなものなのかもしれませんけど、それでも、少し閉鎖的すぎやしないかなあ?と思うんですよ。
これが他の業種ですとまた違って、床屋さんだと、平気で近くの床屋さんを紹介してくれます。
彼らいわく、つらい修行をやってきた同志だからというんですね。
床屋さんは床屋の資格を取るまでに、学校に通い、お店で何年も修行して初めて取得できるんですね。
なので、それだけ苦労して床屋になったんだから、お客様に提供できる技術はどこにもある、と思っているようなんです。
以前、こんな話を聞きました。
他の床屋さんでカットしてきてもらったんだけど、おかしいからやる直してくれ、というお客様に、あそこの技術は確かだからやり直しならあのお店でもう一度やり直してもらってください、と。
こんな返答が出来る床屋さん、素晴らしいと思います。
話を元に戻しまして・・・・・。
そんな厳しいクリーニング屋さんでも、あそこなら大丈夫だと、と紹介をすることもあります。
先日、とあるところからお問い合わせをいただきまして、人からの紹介だ、とおっしゃいます。
誰かな?と思っていると、僕が若いころからお世話になっていた方。
今でも年に数回連絡しますし、困ってた時や悩んでいるときは相談をしたりします。(笑)
僕の人生の中で出会って本当によかった人です。
その方も以前はクリーニング屋さんだったんですが、お辞めになられてるんですよ。
で、その方からのご紹介。
カシミヤならあそこがいいよ、と。
同業の方からの紹介は涙が出るほどうれしい。
いや、この人からの紹介だからかもしれません。
クリーニング屋さんがクリーニング屋さんを紹介するのって、日頃から冷静な目で見ていないとできないと思うんですよ。
同業だからこそ、厳しめで見てしまいますが、僕ももしクリーニング屋を辞めるようなことがあったら、あそこ良いですよ、と紹介できるようになりたいな、と思いました。
ストイックなのと、自虐的なのとは違いますもんね。
自分たちの仕事ですから、悪い所もいい所もきちんと見ていきたいと思います。
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