オシャレの正体。
摩訶不思議な、オシャレという言葉。
今日は昨日の続きになります。
パリコレのような華やかなものがオシャレなのか。
芸能人やモデルが着ている服がオシャレなのか。
でも、中にはそれは派手すぎて自分はちょっと、と思う人もいる。
そういう人はオシャレではないのか?
その答えが、先日読んだ漫画の中にありました。
週刊マガジンに載っている、ランウェイで笑って、いう作品。
服が大好きな高校生が、ひょんな事からデザイナーの事務所に入り、今、服飾大学の文化祭に出品する服をデザインしています。
そこでは、限られた予算の中から、モデルに似合う服を作りなさい、というテーマが。
そして、それを評価するのは試験を受けている服生徒達です。
ライバルである受験者の作品ですから、まあ露骨にこき下ろすわけです。
色が好きじゃない、このデザインは嫌い、ダサい。
そして、みんなの評価が終わった後に、先生がこう言います。
今から2時間、手直しをしたいやつはしろ、と。
デザイナーは最後まで責任を持って足掻かなければいけない、と。
そして、こうも言うのです。
自分に自信持て!と。
それは立派なデザイナーの資質だ!と言います。
手直しをしない人は次の会場へ行きなさい、と言われます。
そして、主人公の高校生が手直しをせずにいくと、実はそれが合格の基準だった、という話。
ネタバレしちゃいましたね。(笑)
そこで、オシャレという事について書かれています。
自分が作った服を説明しろ、と言われて、それのどこがオシャレなの?と言われてみんな戸惑ったでしょう?と。
オシャレって何?
どう説明すればいい?
そもそも自分がいいと思ったものが相手にもいいものかわからない、と。
オシャレかどうかなんてことは、主観的なものなのよ、と先生が言うんです。
人それぞれ、感じ方は違う。
派手な服をオシャレと思う人もいれば、それはちょっとやりすぎだと感じる人もいる。
デザイナーは、みんなに受け入れられる服を作るよりも、自分が作った服を好きだと言ってくれる少しの人のためにその意思を貫きなさい、と。
そうして、それまでは非常識と言われていたものが、新しい常識になっていった事例も上げていました。
まさに、オシャレってこういうことなんでしょう。
ぼくもすぅーっと腑に落ちましたから。
オシャレかどうかではなくて、かっこいいかどうかだ、これも名言ですね。
着る人が、これいい!と思えることが大事で、おとなし目の服でも派手な服でも、自分が着てて楽しいと思える服がオシャレな服と言えるんでしょう。
さて、ここからはクリーニングの話になります。
では、僕らはそんなみなさんのかっこいい、楽しい服に対してどうせっすればいいのか?という話で。
クリーニング屋さんの中ではちょくちょく話題に上がるんです。
どういうものをクリーニングに出されるのか、と。
オシャレな人が利用する、そういう人もいます。
大事な服をクリーニングに出す、そういう人もいます。
家で洗えないものをクリーニングに出す、そういう人もいます。
オシャレというものが人それぞれの主観だとすると、僕らクリーニング屋さんと言うのは、やることは一つに決まってくると思います。
その服の一番いいところを引き出してあげるのが仕事なんだろうな、と思うんです。
どの服にも購入されたお客様のお気に入りのポイントがあります。
そこを大事にしながら、綺麗にして、また着用したいらと感じていただけるようにしていくのが僕らの仕事なんですね。
こう考えると、服の価値は実はあまり関係ない。
目の前にある品物に全力を尽くす事が大事なんです。
ブランドものだから丁寧に、ではなく。
ユニクロだからそれなりに、ではなく。
クリーニングに出て着た服は、どれもいいところがある、それを見つけて上げないとね。
と、こう書いてると、新たに見つけたような書きっぷりですが、実はこのような話は今から20年以上前に普通にクリーニング屋さんの中では話していた話。
基本に戻った話なんです。
服が高かった時代から、ファストファッションを代表する安く服が買える時代に突入してクリーニング屋さんの中でも服に上下を付けだしてしまった。
でも、それは間違いだったんですね。
どの服も大事だし、皆さんかっこよく、楽しんで着たいんですよ。
それを支えているのが僕らクリーニング屋さんです。
そこは自信もっていいですよね。
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