オキシクリーン、万能説について。
所々で見かけるようになって、とても気になっていました。
オキシクリーンという商品があります。
これがすごい汚れ落ちがいい、と。
ものすごい評判で、コストコなどで必ず買う、という人もいるようです。
最強の洗剤だ!とまで言う人も。
綺麗になっているんだから、それでいいんだよなあ、と思うんですけど、やっぱりね、プロですから、伝えておくことはあるよな、と今回取り上げた次第。
まず、基本的なことで覚えておいて欲しいのですが、オキシクリーンは漂白剤です。
コストコで買えるものには界面活性剤が入っているようですが、日本で買えるものは漂白剤だけらしいです。
どちらにせよ、漂白剤、と言うことは覚えておいてください。
漂白剤ですから、汚れ落ちがいい、と言うよりも、色素の破壊が主な仕事。
みなさんが落ちなかった汚れがきれいになった、というのは、普段の洗濯で残ってしまった色素が漂白されてきれいになった、と言うことなんですね。
色素は界面活性剤では落ちません。
だから、いくら洗っても残ってしまう。
この汚れは落ちない、と思っていたところに、漂白剤を使えば、色素が壊され、きれいになる、これが理屈です。
酸素系の漂白剤なので、割と安全に使えるんですが、問題がないわけではありません。
ここ、覚えておかなきゃダメですよ。
まず、漂白剤なので、汚れは落ちません。
先ほども書きましたが、色素は破壊しますけど、洗剤で落とせるような汚れは落とせません。
もし、洗剤で落とせる汚れも落とせるなら、漂白剤しかこの世に残らないはずです。
そんな事がないのは、漂白剤には漂白剤に適しているものがあり、洗剤には洗剤に適しているものがあるからです。
洗剤に漂白剤が入ってて、洗いながら漂白もできる洗剤も一部売られていますが、漂白の効果が薄いのでがつん!と効かせたい時には別々で使います。
そして、これがかなり重要。
割と万能な酸素系の漂白剤ですが、衣類の染色堅牢度によって、色が抜ける事があります。
染色堅牢度、簡単に言うと、生地の色の強さです。
普通は強く落ちないようになっていますが、中には弱くてすぐ落ちてしまうものもあります。
そんな商品に利用すると、色が剥げてしまう事があります。
やはり、漂白剤、色素を壊すのが仕事なので、そう言うリスクもある、と言う事なんですね。
クリーニング屋さんで断られたものがきれいになった、と言う話もあちこちで見かけます。
それは、クリーニング屋さんが落とせなかったのではなくて、リスクの観点からあぶないと、そのクリーニング屋さんが判断した、と言う事。
クリーニング屋さんの場合、もし色が抜けてしまったら弁償になるので、あぶないと判断するとやらないところもあります。
ここは難しいところで、修復の技術を持っていたり、おみせのはんだんでやるところももちろんあります。
各々のお店の判断なので、いいとか悪いとかの問題ではないんですよね。
オキシクリーンでクリーニング屋さんで落ちなかったシミが落ちた、と書いてあるのを見ると、無事に落ちてよかったね、と思いますから。
あれね、思うんですけど、クリーニング屋さんで落ちなかったものをオキシクリーンでやったら色が剥げちゃった、と失敗した時は書かないと思うんですよ。
成功したから書くのであって、やはりリスクは残っています。
自分でやると言うことは、そのリスクを負う、と言うこと。
だから、危険性は覚えておいて欲しいんです。
どうも、きれいになる、と言うところしかみなさん見ていないので、洗剤や漂白剤の区別がつかない人が増えてきているように思います。
あと、汚れの違いもね。
きれいにするということは、汚れの種類を知らないと落とせません。
残念ながら、万能なものなんてないんです。
今、洗濯家の中村祐一くんが、洗濯を正しく広めようと活動しています。
民間療法的な間違った情報ではなく、きちんとした情報がみなさんに伝わりますように。
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