スーツの耐用年数がいつからそんなに短くなったの?
昔の話をし出すと、歳をとったなあ、と思います。
もしかは、老化したな、と思ったり。
でも、明らかに昔と今がガラリと変わったな、と思うことが多いのも事実で。
クリーニングや衣類に対する意識はこの20年で正反対になった、と言っても過言でないくらい、意識が変わったように思います。
昨日の夜、テレビを見ていまして、古着を集めて海外へ売る、というような話を見ました。
ものすごい量の古着を扱っていて、それが全部スーツ。
紳士服店が古いスーツを引き取るサービスをしているから集まるようです。
ナレーションでは、スーツは三年着ると買い替えになる、みたいな話をしていて、ちょっと衝撃を受けました。
一体、いつからスーツがそんなに持たない商品になったのか???
僕らクリーニング屋の認識では、スーツが三年でダメになるなんてありえません。
体型が変わらなければ10年はゆうに着ることが出来るはず。
さらに、高いスーツを買うと、修理もできるので体型の変化に対応ができ、30年以上着ることのできるスーツも存在します。
ただし、なんのメンテナンスもしなければ当然持つはずもなく。
きちんとクリーニングをして、それなりの着数も持って、着まわしてのはなしです。
もし、これを怠っていると、いくらいいスーツでも長くは持ちません。
着数少なく、休ませないで常時着ていて、クリーニングもしなかったら。
三年持たないうちに敗れたり形が崩れたりし始めるでしょうね。
実際、そういったスーツが持ち込まれる事もありまして、着用のシワが強烈について取れない、裾やポケット周りが破れてる、そういうスーツをもたくさん見ています。
スーツが安いから買い換えればいい、という風に考えるようです。
スーツが三年すると買い替えになる、というのは、三年しか持たないのではなく 、扱いが悪くて三年しか持たないんですね。
本来、ウールはそんなに弱い素材ではありません。
三年で着られなくなるほど弱いものなら、スーツになんて出来ませんよ。
どんないいものでも、メンテナンスをしっかりしなければダメになるのは当たり前です。
だから、クリーニングは大事、って事なんですよ。
せっかく買ったスーツ、三年しか着られないのと、10年以上着ることが出来るのと、どちらがいいですか?
どっちが安く上がるでしょう?
言うまでもありませんね。
みなさん、スーツ貧乏になっていないのかな?と本気で心配になります。
いくら安くなったとは言え、三年で買い替えていたら結構な出費ですよ。
一度買った服が長く着ることができれば、服代が浮きます。
クリーニング代が高い、とおっしゃる人がいますが、服を一着買う金額でお持ちになっている服のクリーニングは全部済んでしまいます。
本当にもったいないですよ…。
テレビでこんなことを言われちゃうと、またスーツは三年で買い替えなんだ、と思う人も出てくるかもしれません。
10年前は、珍しい事例として、洗わないで2年で買い換える、という話をよく聞きましたが、10年経ってそれが常識のように語られるようになると、こうして嘘が作られていくんだな、と思ったりもします。
みなさん、テレビに惑わされないように。
テレビは正しいことを言っているとは限りません。
宣伝、広告と気づかれないように番組として放送しているケースもありますし、ニュースでさえ事実と異なる事もよくあります。
正しい情報が知りたければ、プロに聞くのが1番です。
ぜひ、お近くのクリーニング屋さんに聞いて見てください。
それが早くて正確です。
| 固定リンク | 0
「クリーニング」カテゴリの記事
- 小さなありがとうが大事です。(2021.01.15)
- もしもこんなことが起きたらどうするか?(2021.01.14)
- 貸しおしぼり屋さん。(2021.01.13)
- コロナ禍の今、経済を回すという事は?(2021.01.09)
- クリーニングはいろんなところに関わってます。(2021.01.08)
コメント