洗うってどういう事か?
先日の、仕分けの話にコメントをいただきました。
メーカーのサイトを見てくださって、メーカーが言いたかったことも書いてくださり、勉強熱心だな、と感じます。
メーカーの言いたいことはこんな感じらしいです。
汚れ落ちがいいので、数日まとめて洗っても平気。
という事のようです。
僕も調べてみたら、僕が見たものとは違ったみたいですが、それでもほぼ似たような感じのことをメーカーは言いたかったようです。
僕が見た方は、蛍光増白剤が入ってないから、まとめ洗いも大丈夫、と書いてありましたか。
汚れ落ちがいいからまとめて洗っても大丈夫、蛍光増白剤が入ってないからまとめて洗っても大丈夫、本当にそうでしょうか?
洗うってどういう事?
汚れを落とすのが洗うって事?
これ、クリーニング屋さんの間でも議論になったりします。
実際、汚れを落とすことがクリーニングの仕事なので、クリーニング屋さんも汚れを落とすことに一生懸命になります。
でも、それでは洗ってるだけなんです。
汚れが落ちてればいいの?
例えばですよ、汚れが落ちてたら縮んでても構わない?
汚れが落ちてたら生地の表面がパサついていても構わない?
汚れが落ちてたら、色がくすんでいても構わない?
いやいやいや、嫌でしょ、そんなのは。
汚れは落ちて欲しい、そして、服も元の状態に近いレベルで維持して欲しい。
これが基本なんですね。
汚れを落とすだけではダメなんです。
服がなるべく元の状態のままでなくちゃ、着たいと思えないんですよ。
例えば、洗うだけ、汚れを落とすだけなら、なんでも混ぜて洗えます。
蛍光増白剤が入ってても、別に構いません。
ちなみに、蛍光増白剤を入れるのと入れないのとの差は、わかりますか?
なんで色物に入っていてはいけないか?
それは、色合いが変わって見えてしまうからです。
別に生地に悪さをするわけではなく、色が元の色と違って見えてしまうので色物には使わないようにしまさょう、と言われています。
でも、その色の変化に気づかなければ、全体的に色が少し変化しても構わなければ、蛍光増白剤入りの洗剤で洗っても構わないんです。
仕分けの時に書きましたが、硬い生地、柔らかい生地、一緒に洗ってもいいです。
しかし、柔らかい生地は硬い生地に負けるので毛羽立ちます。
毛羽立つと、色がくすむんです。
これらは、みなさんが洗ったのに傷んだね、とか、ヨレヨレになったね、と言われてしまう現象。
次また着たいと思えなくなってしまうんですね。
だから、洗う前に仕分けが必要、ということになります。
一般の方は洗剤の性能ばかり気にします。
しかし、本当に大事なことは、一緒に洗えるもの同士で仕分けをすること。
いくら性能のいい洗剤を使っても、避けられない事なんですね。
洗剤でカバーできないことを仕分けでカバーする。
こう考えていただくといいかな、と。
逆汚染も、きちんと洗剤が入っていれば問題ありません。
汚れ物と一緒に洗うのは、汚れがうつりそうでいやだな…、これ、僕らそんな風には考えません。
洗剤がきちんと働いていれば多少の汚れは問題ありません。
真っ黒な泥汚れが付いてるなら、単品で洗う方が綺麗になると思って仕分けますけど、その程度の話です。
ただ、色はダメ。
生地から色が出ると他の服に移ります。
これは、生地を染色する時に洗剤を使うことからもわかりますが、洗剤は色をうつらないようにする能力はないんです。
だから、色物は仕分けなければいけない、という事。
数日分まとめて洗うのは問題ないんですよ。
洗えますから。
これも、シミはついてから時間が経つと落ちにくくなる、という話から、皆さん慌てるようになったのかなあ、と推測しています。
一週間やそこらの話をしているわけではないんです。
一月、3ヶ月、半年、1年と放置してしまうと問題ですよ、というレベルの話。
言葉って難しいですね。
足りないから変な憶測を生んでしまう。
でも、細かく説明すると難しくて読みたくなくなる。(笑)
だから、コミュニケーションが大事なんですね。
なんでも聞いてください。
何回も聞いてください。
何度でもお答えしますから。
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