ぼくを作ってくれた人たち。
平成最後の日に何を書こうかな?とずっと考えていました。
クリーニングの話を書きたいな、あの話を書きたいな、服の話を書きたいな。
平成最後だから、と気負っていたんですけどね。
とある呟きを見て、平成最後の話をこれに決めました。
ぼく、見た目若いんですよね。
いや、今は白髪も混じって立派なおじさんなんですけど、それでも年相応に見られないのがほとんどなんです。
例えば、初めてあった人と話をしていて、結婚しているというと驚かれますし、子どもがいると言っても驚かれます。
さらに4人いるというと腰を抜かされるほどです。(笑)
まあ、若く見られるならいいんですが、時と場合によっては、舐められることがあるんですね。
バカにされたり、軽く見られて話を信用してもらえなかったり。
この事で随分と悩んできました。
普段は別に構わないのですが、仕事の時に、説明をしても話を聞いてもらえなかったり、信用されなかったりするのは本当に困ります。
大事な説明なのに、お客さまの服の話なのに、その話をしても信用されないって、何がわるいのか?ずっと悩んでいた時期があったんですね。
なん年前ですかねえ、10年以上前に、当時クリーニング屋さんの先輩にこんなことを言われたんです。
去年まで銀行さんと話をする時はこちらが頭を下げていたんだけど、今年は向こうが頭を下げて先に挨拶をするようになってきた。
向こうから見て、自分が年をとって目上に見えたんだろうなあ、と。
自然とそうなるもんなんだよな、と教えてもらったんです。
そのお話を聞いた時に、僕はびっくりしましたね。
だってその人、凄い人なんですよ。
知識も豊富だし、話し方も理路整然としているし、何よりも経験豊富。
その人でも、舐められたりするのか、と驚いたんです。
で、何も変わってないのに、ある時を境に待遇が変わる、という話を聞いても驚いたんですよね。
で、最近のぼくなんですが。
お店に来るお客様が、ぼくの話を聞いてくれるようになってきたんですね。
話をしていると、聞いているか聞いていないか、わかるんですよ。
特にうちは、仕上げをしているとぼくと、受付をしている母と2人でいることがあるので、どちらの話を聞いているか?は目の合い方でわかります。
母も年をとり、ぼくも年をとり、ぼくもだんだんとこなれてきたというのもあるのかも知れません。
でね、最近たまに感じるんです。
僕の中に、色んな人がいるなあって。
多重人格ではありませんよ。(笑)
今までお世話になってきた人たち、その人たちが居るんですよ。
それは色んなところで垣間見れるんです。
話し方だったり、考え方だったり、立ち振る舞いだったり。
色んな人に影響を受けて今の僕がいます。
ものすごいいい人たちなんです。
最初、その人たちを見て、こんな人たちみたいにはなれないな、と思いました。
やさぐれていた時期もありましたしね、人のせいにしていた時期もあります。
そんな風には考えられない、僕にはできない、なんて思ったりしたこともあります。
段々と、お付き合いをさせてもらっているうちに、僕も年をとったらこんな風になれるんだろうか?なんて考えまして。
で、その年になった時に、あの人みたいにはまだなれてないな、と自己嫌悪に陥ったり。
そんなことの繰り返しだったんですよ。
それが、最近になって、気付いたらその人たちが自分の中にいる。
本当に不思議でしたねえ。
横浜のクリーニング屋さんの先輩には、色々と教えてもらいました。
考え方や立ち振る舞い方、人との付き合い方など、たくさん教えてもらいました。
広島の先輩には楽しむ気持ちを教えてもらいました。
すっごい苦労人なんです。
それを微塵も見せずに明るく振る舞い、常に人を気遣っている。
優しさに満ち溢れた人です。
お世話になっている接骨院の先生にも人への優しさや仕事の考え方を。
何が本当に人のためなのか?って難しいんですよ。
優しくするのが本当に優しいわけじゃなく、本当に人のためにって時に厳しく、そして寄り添っていたりします。
まだまだたくさんの人にお世話になって、色んなことを教わって、今の自分が出来ているんだ、と改めて気付くようになりました。
人ってこうして成長をするんだなあと、平成を振り返るとそう思います。
人は人、自分は人にはなれない、のではなくて。
色んな人に関わることで、自分が色んなことを吸収していって、自分らしい自分ができる。
今、自分より優れた人がいたとしても、その人に勝つとか負けるではなく、その人から何を学び、何を吸収するか、が大事なんですね。
そして、それがいつか花開く。
まあ、いつかはわからないんだけど、自分の中で確実にその人たちが生きているんです。
渦中にいる時は、なかなか未来を信じて頑張るのは難しいんですが…。
その気持ちはよくわかる。
自分もそれで悩みましたしね。
でも、色んな人たちが経験しているんだから、まず間違いなく、今が糧となって未来は作られていきます。
だから、今答えを出さなくていいので、未来を信じて頑張ろうね、と、とある友達にエールを送ります。
今日の話は、とある友達に向けて書いたものでした。
その友達ね、ものすごいいい奴なんですよ。
彼とも不思議な縁で繋がりましてね。
元々がクリーニング屋さんでないのに、結婚して奥さんの実家の仕事のクリーニング屋さんの跡を継いだんです。
クリーニング屋さんでない人が、クリーニング屋さんをやるのって大変なんですよ。
さらに、自分の育った街を離れて頑張っている。
ぼく、たまたま縁があって、彼の成長を見てきました。
最初はぎこちなかった関係も、何度も会ううちに打ち解けていき、心が通うようになり、お互いのことをよく知る関係になっています。
彼の苦労はぼくでは想像も出来ないと思うし、そんな彼を尊敬もしています。
その彼の悩んでいる姿を見ると、何か出来ないかな?と思うんですよね。
かといってぼくのできることなんて、大してないんですが…。
せめて出来ることといえば、彼の悩んでいることのほんの少しでも、手助けになるような話をするくらいかな、と。
今日書いた話がなんの役に立つか、今すぐ役に立つか?と言われると、それはないと思うんです。
でも、いつかこの話が生きてくる時がある、と思っています。
それはぼくが色んな人に教えてもらってきたように。
心に色んな人のタネを植えておくと、いつか花開く時がきます。
だから、それを信じて、お互い頑張ろうぜ。
振り返った時に、平成を笑って語れるように。
令和がいい時代になりますように。
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