クリーニングは贅沢品なの?
クリーニングって贅沢品になってしまったんでしょうか。
最近、そんな書き込みをちらほら見かけます。
服は自分で洗うもの。
自分で洗えるものをクリーニングに出すのは贅沢だ。
こんな話のようです。
クリーニングが家庭での洗濯の延長なんでしょうね。
先日なんか、こんな投稿を発見。
クリーニング屋さんに行くと、店員さんから、こんなの自分で洗えるのに、と言われる、と。
贅沢ねえ、と言われて嫌な気分になった、という書き込み。
この店員さん、何を考えているんですかね?
その服に対する思いはお客さんしかわからないのに。
自分で洗えないものをクリーニングしてもらう、こういう利用の仕方もありますね。
でも、それだけがクリーニングの利用の理由ではないんですよ。
人に会う場所に着ていくものはきちんとアイロンをかけたものを着ていきたい。
そういう理由もあります。
また、家で洗うよりも綺麗になるから、そういう理由もあります。
この服を大事に長く着たいから、そんな理由もあります。
どんなブランドの服でも、洗ったままシワの付いた状態で着ていたらかっこ悪いです。
誰が見ても買った時の値段の服には見えません。
また、ファストファッションの服でも、きちんとクリーニングをすると綺麗に着ることができる。
しかし、問題はこのきれい、かっこいい、シワがない、というのが人それぞれだという事。
そして、この20年でその感覚が随分曖昧になってきたなあと感じています。
僕がここでこうして書きます。
すると、たまに読んだ人の中で、家で洗っても普通に着れるけどね?という人がいます。
中には10年も着ているけど全く変わらない、という人もいました。
そんなわけない。
服は必ず劣化するんです。
変わらないまま維持できるはずがないんです。
それは、クリーニングも同じで、僕らはその劣化をいかに遅らせるか、いい状態を維持するか、を考えながら洗っています。
他人の、平気、とか普通に着れる、ってすごく曖昧です。
おかしくなっているのに気づける人はそんなにいないのが現実です。
みんな、平気と思い込んでる。
ノンアイロンのシャツ、効果が消えているのに、しわがないと思い込んで着ている人、沢山いらっしゃいます。
たしかに、昔はクリーニングは贅沢品でした。
そもそもクリーニングなんて仕事がなくて、新しくクリーニングが出来た時には贅沢品。
それから、経済が発展していって、衛生に気を使うようになり、クリーニングは当たり前のものになっていきました。
そして、いつのまにか、また贅沢品に戻ろうとしている。
なんかおかしな話ですよね?
それって、日本そのものが、戦前のような不衛生な時代に戻りつつあるんじゃないか、そんな不安をよぎります。
一見、文明の進んだ国なんですけどね、こと衛生概念については少しまずいことになっているような気がしています。
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