ドライして?
どこの会社でもあると思うんですが、その現場やプロならではの言葉って、とにかく端折ることが多いですよね。
たった一言なのに、その一言の裏にはたくさんの意味が込められている。
それを瞬時に理解するのも、プロならではだと思っています。
当然、クリーニング屋さんにもそう言うのはありまして。
一定の条件、状況下で、一言で全てを含ませた物言いをすることはよくある事。
たとえば、この時期のクリーニング。
品物を見て、洗い担当に、これドライして、と一言告げます。
ドライして、とはもちろんドライクリーニングをしてくれ、と言う意味。
しかし、この時期はさらにこの言葉の奥に他の意味合いも含まれています。
当然汗をかいていますから、汗が落ちるように前処理と言う、ドライクリーニングで洗う前に汗の汚れを落とす処理をする訳なんですが、それをやってドライクリーニングをしてね、という意味で、ドライして、と言うわけです。
たった一言なのに、かなり意味を含ませてますねえ。(笑)
でも、これって当たり前の話なんです。
今の時期、品物を見て、自ずとどう言う洗い方をするか?決まってきます。
選択肢にはドライクリーニングと水洗いがあるんですが、その中でドライクリーニングをして、と言えばそう言う意味で使っている。
忙しい現場で、いちいち細かい指示や確認はしません。
だって、お互いプロだもの。
特にうちは、全員、国家資格のクリーニング師を取得していますから、知識もある。
一々、細かい指示を出さなくてもその一言から分かるんです。
たまに、もう少し細かく指示を出す時もあります。
ドライクリーニングも出来るし、水洗いも出来る。
通常ならドライクリーニングを選ぶんだけど、今回は汗の汚れもひどいし、水洗いがいい、と思えば、水洗いで、と指定して、洗浄時間、温度なども指定したりします。
微妙な塩梅の時は、ここで相談したり。
うちの両親は50年以上のベテランなので、さらに言葉は少なくなります。(笑)
阿吽の呼吸というやつですね。
これに慣れていると、お客様への説明で、言葉が足りなくなる時があるんですよ。
ある条件下で、こう言う洗いがいい、と言っているつもりでも、お客様はそんな条件のことはわかりませんから、下手するとなんでもその洗い方でいいと思ってしまう。
最近特に多いのが、ドライクリーニングで汗は落ちない、と言うやつがまさにそれですね。
もし、そう言うクリーニング屋さんがいたら、こう言ってみてください。
それならドライクリーニングする必要はありませんね?と。
するとこう返ってくると思います。
いや、ドライクリーニングでも汗は落ちるんですが、ひどい汗汚れは水洗いの方が向いていて…。
そう、結局、ひどいものは、と言う条件が付いているんですよ。
それを説明しないで端折って言うから、お客様が混乱する訳ですね。
プロの見立てはプロ同士だから通じるんです。
お客様に説明をする時はきちんと最初からしなきゃダメですね。
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