汚れがわかる理由。
僕らはクリーニング屋なので、服の状態は見ればわかります。
傷んでる、汚れてる、どのくらい着ている、までおおよそわかります。
前日、とあるコートをお預かりして、汚れてますね、とお話ししたらなんでわかるんですか?と逆に聞かれてしまいました。
なんで?なんで?うーん…、なんでと言われても、汚れているものは汚れている、としか言いようがない。
強いて言うなら、色が悪いとかそんな表現でしょうか。
冷静に考えると、汚れていると判断するにも色々とみているんですよね。
例えば、汚れやすいところがあるわけです。
襟や袖口、ポケット周辺など、よく擦れるところ、手が触るところ、皮膚が触るところ。
こう言うところは他より汚れやすい。
全体的に汚れている時は、裏地との色の差を見たりします。
皆さんは、普通に着ているだけでは汚れないと思っているんでしょうが、外に出れば汚れるんですよ。
なぜなら空気が汚れているから。
空気中に舞っている埃が付着するし、花粉などもつきます。
うっすらと付いていくので中々見分けがつきません。
そして、全体的な汚れの難しさは、それが汚れかそう言う色合いなのか、の判断が難しいと言うこと。
だから僕らも、色合いがおかしいな、と感じても8割汚れ、2割は元の色の可能性も含めてお話をしたりします。
洗ってみると一発でわかるんですけどね。
汚れていたらきれいになるから。
あー、やっぱり汚れだったんだね、とすぐわかります。
先ほど、裏側の生地と見比べると書きましたが、それにも理由があるわけです。
裏側の生地と比較する理由は、外の影響を受けにくいから。
空気中の汚れだけでなく、裏側の生地は日も当たらないので紫外線の影響も受けにくいんです。
日に当たったり、蛍光灯の光に常時照らされていると、服の色はあせていきます。
日の当たらない、表に出てない裏側の生地は、基本的に元々の色を表していることが多いんですね。
そこと比較することで、濃ければ汚れの可能性が高くなり、薄ければ色があせている可能性がある。
そう言うふうに判断をしています。
まあ、僕らはこれらを経験から瞬間的にやるので、側から見ていると、何を根拠に?と不思議に思うのかもしれません。
これを繰り返していくと、汚れの色が分かるようになり、色あせがわかるようになり、見ただけでどんな感じか?分かるようになる、と。
そう言うことですね。
年間たくさんの服を見てきてますから。
この位出来ないとお客様に申し訳ないです。(笑)
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