クリーニングで一番大変な作業は?
クリーニング屋さんの仕事の中で何が一番大変ですか?
と聞かれます。
クリーニング屋さんの仕事は洗ってきれいにするのが仕事なんですが、そこにはいくつもやる事があるんですね。
単純に、洗い、染み抜き、仕上げ。
この三つもさらに細分化されていきます。
染み抜きなんて勉強会があるほど難しい。
本当にケーズバイケースですから、なんだ勉強しても足らないんです。
新しい繊維が出れば、同じシミでも落とし方が変わったり。
同じようにやったら服の方がおかしくなるのでやり方を変えなければいけない、そんな事はよくあります。
これは洗いにも通じて。
洗いの場合はさらに気をつける事がいくつもあるわけですね。
全体的に洗われるから、素材から作りまで創造をしなければいけなくなります。
縮まないか?伸びないか?
装飾品は壊れないか?
色は落ちないか?
中の芯地に影響はないか?などなど様々なことを想像して、注意に注意を重ねて洗います。
経験と知識が増えていく事で、作業はどんどん効率化されていきますが、慢心して見逃さないようにしないといけないから結局は常に洗うときは気を張っています。
ここまで書いていると、やはり、洗いか染み抜きが大変そうだな、と思われるかも知れません。
でも、一番大変なのは、洗うための環境づくりだと思っています。
例えば、ドライクリーニングなら、溶剤管理と呼ばれる洗浄液の管理。
ドライクリーニングは洗浄液をろ過しながら使うので、この管理はとても大事。
汚れてないか?
洗剤は足りているか?
などなど日々気にしながら洗っています。
この管理はどんなものをいつ洗ったか?まで考えなくてはいけないんですよ。
洗えば当然汚れが落ちるので、洗浄液が汚れます。
どの程度汚れているのか、を考えながら、洗う順番を考える。
まさしく管理という言葉が適切に思えるような作業です。
また、洗う前にも準備が大切。
ポケット掃除はとても大事な作業です。
中にペンなどは入っていないか?変なもの入っていないか?確認をしないといけません。
もそ、中に何か入っていて、そのまんま洗ってしまったら…。
ペンならインクが飛び出して服を汚してしまうし、埃やゴミだと余計な汚れが洗浄液に移ります。
なるべく服の汚れを落としたいから、洗浄液のパフォーマンスは服そのものに向けたいのに、ゴミなどの汚れに行ってしまうと、あまりよろしくない。
洗う前に取り除けるものは取り除くに限ります。
こうして、洗う前に整える作業が、実は一番大変なんですよ。
洗う準備を整えられれば、後は洗って仕上げればいい。
洗う準備が整わないまま洗えば、再洗いも増えていきます。
何事も準備が大事って事ですね。
料理もそうじゃないですか。
炒めることも大事だけど、その前の準備が大事で。
均等に切ってあれば、炒めたときに火の通りが均等になって美味しくなる。
これと似たような感じですよね。
一見地味な作業ですけど。
大事な事ほど地味なもんです。
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