クリーニングよりきれいになる???
昨日はなかなかに衝撃的な番組が放送されまして。
クリーニングに関する放送があったのですが、今回はそれは言い過ぎでしょ?と思うような感じでした。
クリーニングに出した方がいいもの、自分で洗った方がいいもの。
と言う内容。
今までと少し違うんですよね。
今までも洗濯やクリーニングが取り上げられることはありましたが、それは自分でも洗えるもの、と言うスタンスでした。
しかし、今回は違うんですよ。
クリーニングに出すよりも自分で洗う方が綺麗になる、そう言い切ったんですよね。
もう、開いた口が塞がりません。
どんな根拠でその話をしているのか?と思って見てみたんですよね。
すると、根拠はこんな感じでした。
ドライクリーニングは油汚れを落とすのが得意で、汗などの汚れは苦手で落とせない。
自宅で水で洗った方がきれいになる。
この話、何回聞いでしょうか?
正直うんざりしているんですが、クリーニング屋さんもこう言う話をする人がいるので本当に困ってしまいます。
基本的な説明をしますが、洗い方によって得て不得手があるのは確かです。
じゃあ、水で洗ったから油汚れが落ちないか?というとそんな事はないんですよね。
逆と同じで、ドライクリーニングで洗って、汗の汚れが落ちないわけではないんですよ。
なぜなら、洗剤を入れているから。
洗剤は、水と油をつなぐもので、洗剤のおかげで、相反する水と油が混ざるようになり、汚れが溶けて落ちていくわけです。
この原理はドライクリーニングでも自宅での洗濯でも一緒。
ちょっと想像してみてください。
夕飯後に皿を洗う時に、洗剤をつけて洗うと油汚れって落ちますよね?
皿についているのは油汚れだけど、自分で洗って汚れが全く落ちなかった、という事は一度もないでしょう?
皿についてる汚れは油汚れだから、自宅で洗っても油汚れは落ちない、こんな話をする人、いないでしょう?
それと同じですよ、ドライクリーニングも。
皆さんの身近にないのでわかりづらいかもしれませんが、ドライクリーニングも洗濯機での洗いも、やっている事は同じです。
もう一つ、クリーニング屋さんに出すよりもきれいになる、ここも反論をしておきたいと思います。
いろんなプロの仕事がありますが、クリーニングって中々素人がプロ以上の仕事がしづらい仕事だと思うんですよね。
なぜなら、素材や道具をプロ以上に用意できないから。
例えば、食べ物、料理は、意外と素人でもプロの味を越えることが出来たりするんですよ。
なぜなら、素材で良いものを使うことができるんですよね。
市場に出入りしていると、業者の方の買うものがどんなものか?よく見えてきます。
そんなにいい材料は使ってないものなんですよ、でも、それを技術でカバーして美味しいものを作って食べさせてくれているんですね。
技術では勝てませんが、素材の質なら素人でも勝てるのが料理なんですね。
良い素材を準備できてしまえば、お店で食べるよりも美味しいものを作ることが出来てしまうんです。
もちろん、その分コストもかかりますけどね。
同じ材料、同じ調理器具を使うならプロには勝てません。
で、洗濯に戻って考えてみましょう。
洗濯の時にプロに勝てない理由は簡単、素材も機械もプロ以上のものは揃えられないからです。
プロ仕様の機械は高額すぎて買う事はできないし、そもそも扱いが難しい。
洗剤も良い悪いは確かにあるんですけど、機械と合わせて、が大事で、その先の仕上げのことも踏まえて使うので、良いものを揃えたからきれいになる、というわけでもない。
つまり、どう頑張ってもクリーニング屋さん以上のきれいさを出しにくいものなんですよ。
ちゃんとクリーニングをしてくれるお店に出している限り、消費者の方が洗うよりもきれいにしてくれるのがクリーニングなんです。
もうね、視聴率を取るために、自分たちの洗剤や本を売るために、キャッチーな言葉で注目を集めるために、過度な表現をするのはやめませんか?
流石にここまでくると酷過ぎますね。
洗濯の話をするのに、なぜクリーニングを引き合いに出さなければいけないんでしょう?
そもそもが、クリーニングと洗濯は別物です。
下着はクリーニングに出さないように、本来なら棲み分けられているものだと思います。
テレビや雑誌などで、こんな変な話をするたびに、日本人の衛生概念がおかしくなり、どんどん服が長持ちしなくなっていく。
日本の服の文化を壊しているのは一体誰なんだ?と言いたい。
ゴールデンタイムに放送してこれはないですねえ。
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